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22/23 Tottenham Hotspur 近年で最も失意に満ちたシーズンを終えて...

はじめに

お久しぶりです。@kobi_thfcです。最後にnoteを書いたのは19/20シーズン前ということで、3年ぶりに帰って参りました。そうです。受験が終わったのです。
ある意味私の受験生活は今シーズンのトッテナム・ホットスパー(以下スパーズ)以上に失意に満ちているかもしれませんが笑。高校生時代に書いたガキ臭い文章は全て削除し、新しい気持ちでまたnoteに向かっております。以下駄文にお付き合いいただけると幸いです。

プレシーズン 夏の移籍市場

22/23シーズン スパーズはアントニオ・コンテ監督と共に、韓国でプレシーズンをスタートさせた。スパーズの親会社ENIC、そしてチェアマンであるダニエル・レヴィは£150mにも及ぶ大型増資を敢行。今まで補強予算を極限まで抑えていたことで様々な大物選手を取り逃し、獲得競争に負けたクラブで、その選手が大活躍するのを指を咥えて見てきたスパーズサポーター達は、この"野心”を大きく称賛した。
しかし、物事は思ったようにはいかないものだ。十分な補強予算を確保したコンテはエヴァートンからブラジル代表のリシャルリソン、ブライトンからイヴ・ヴィスマなどプレミアリーグでの実績も豊富なトッププレイヤーとサインすることに成功。しかし、コンテが一番望んでいた中央CB、左CBの獲得は思うようにいかなかった。コンテのトップターゲットであったインテルのミラン・シュクリニアルはPSGとラブラブに、そして同じくインテルのアレッサンドロ・バストーニはバストーニ自身がインテル残留を望み破談に。結局、レヴィ会長がコンテに代わりとして差し出したのは、バルセロナで実質戦力外だったクレマン・ラングレだった。例えるなら、エルメスのバッグを欲しがる女に、竹下通りで黒人に売りつけられたコピー品を渡すようなもの。トビー・アルデルヴェイレルト、ヤン・フェルトンゲンが退団して以降、CBのクオリティ不足に悩んでいたスパーズにとっては、決して満足のいくものではなかった。

エヴァートン🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿から£50m (約85億円)で加入したリシャルリソン🇧🇷
ウディネーゼ🇮🇹から£15m (約24億円)で加入したウドジェ🇮🇹
※但し今シーズンはウディネーゼにレンタルバック
サウサンプトン🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿からフリーで獲得したフォースター🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
バルセロナ🇪🇸からローンで獲得したラングレ🇫🇷


インテル🇮🇹からフリーで獲得したペリシッチ🇭🇷
ブライトン🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿から£25m (約41億円)で加入したビスマ🇲🇱


ミドルスブラ🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿から£12m(約20億円)で加入したスペンス🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿


シーズン前半戦

やりたいことははっきりしていた。コンテは就任して以来、トッテナムがタイトルを争えるクラブになるためには、カウンターサッカーからポゼッションサッカーに変える必要があると何度も言っていた。そして試行し、失敗した。
昨シーズン、アジア人プレイヤーとして初となるプレミアリーグ得点王という偉業を達成したアジア人ナンバーワンフットボーラー、韓国代表ソン・フンミン。
彼の長所は爆発的なスピードと正確無比なシュートコントロールだ。
そして彼の短所は後ろ向きで相手を背負うのが苦手なこと。
ポゼッションサッカーを試行するということは相手を自陣に引かせて守備をさせること。もちろん彼のスピードは一切生きず、シュートコースは開かず、後ろ向きでボールを受けることが増える。
昨シーズンの輝かしいソンは息を潜め、沈黙した。シーズン前半戦を終えて記録したゴールはたったの3点だった。

カラバオカップは早々にノッティンガム・フォレストに敗れ、散った。
そして3年ぶりに出場権を手にしたUEFA Champions League。
フランクフルト🇩🇪 スポルティング CP🇵🇹 マルセイユ🇫🇷と同組になり、下馬評で、トッテナムは簡単にグループステージを突破出来るだろうと言われていた。
しかし、蓋を開けてみれば大苦戦。2節にアウェイのスポルティングに後半最後の最後に立て続けに2失点を喫し敗北、迎えたホームでも勝ちきれず、アウェイのフランクフルト戦はスパーズのエース、ハリー・ケインが元日本代表、長谷部誠に完封されドロー。結局1位で通過できたものの、GS最終戦で全てのクラブが決勝トーナメント進出の可能性がある魔のグループであった。

冬の移籍市場

スパーズが冬の移籍市場で獲得した選手は2人。
スポルティングCP🇵🇹からペドロ・ポッロ🇪🇸
ビリャレアル🇪🇸からアルノー・ダンジュマ🇳🇱だ

ペドロ・ポッロはUCLで同グループだったスポルティングからの移籍だった。
スパーズとこのポルトガルのクラブはホームとアウェイで2度対戦。結果はスパーズの1分1敗と苦しめられた。基本フォーメーションが3バックでウィングバックを置くという点でこの2クラブは似ていた。そしてクラブは一際自分達を苦しめていた右ウィングバックに目をつけた。彼は縦横無尽にピッチを駆け回り、正確なクロスボール、難しいオーバー、アンダーラップでスパーズのディフェンス陣を混乱させ続けた。スパーズの右ウィングバックのファーストチョイスは、エメルソン・ロイヤル。攻撃の創造性に欠け簡単にボールを失う彼にサポーターは落胆していた。
対戦相手に一目惚れした強化部は1月の移籍ウィンドウを目一杯使って彼を口説くことになった。

スポルティング時代にスパーズと対戦したペドロ・ポッロ

ダンジュマはエヴァートンへのローン移籍がほぼ決まっており、メディカルチェックも終えていた。しかしスパーズは残酷にも彼の移籍をハイジャックしたのだ。
当時、降格権に沈み、アカデミー育ちの期待の新生だったはずだったアンソニー・ゴードンをニューカッスルユナイテッドに引き抜かれるという苦しい状況だったエヴァートン。キレのあるドリブルからのチャンスメイクが持ち味のダンジュマは喉から手が出るほど欲しかったはずだ。可哀想。




スポルティングCP🇵🇹からローンで加入したポッロ🇪🇸
ビリャレアル🇪🇸からローンで加入したダンジュマ🇳🇱

シーズン後半戦

激動、混乱の後半戦だった。エースのハリー・ケインがクラブ史上最多ゴール記録保持者になり、プレミアリーグのゴール数はウウェイン・ルーニーを越して歴代2位に浮上。世界最高のストライカーがいるのに勝てない、それがトッテナムなのだ。UCLでミラン🇮🇹に2戦合計0−1で敗れ大会から姿を消した2週間後のサウサンプトン戦、後半遅くまで3−1でリードしていたスパーズであったが、その後1点返されパニックに。そして後半アディショナルタイム。パペ・マター・サールが自陣ペナルティエリア内でメイトランド-ナイルズを倒し、痛恨のPK献上。
3−3で試合を終えた。
ここでブチギレたのは監督、アントニオ・コンテだ。
試合後のプレスカンファレンスで
"Twenty years there is the owner and they never won something - but why? The fault is only for the club, or for every manager that stay here."
とクラブの上層部と選手達を痛烈に批判。
事態を重くみたクラブ上層部は1週間後アントニオ・コンテを解任。
残りのシーズンはコンテの側近としてコーチをしていた、クリスティアン・ステッリーニが暫定的に指揮をとることになった。
しかし状況は好転しなかった。残留争い真っ只中にいた格下エヴァートン、ボーンマスどちらのクラブにも後半アディショナルタイムに同点弾、決勝弾を入れられ、撃沈。迎えた4月23日アウェイ、セントジェームズパークでのニューカッスルユナイテッド戦、今季絶好調のマグパイズに1-6と歴史的大敗。そしてその翌日、ステッリーニが解任され、暫定指揮をクラブのOBライアン・メイソンに任せる運びとなった。

結局、最終順位はスパーズは8位。09/10シーズン以来13年ぶりに欧州コンペティションの出場資格を逃すこととなった。

最終順位
スパーズの順位遷移

失意のノースロンドンダービー

トッテナム・ホットスパーを語る上で、切っても切り離せないのは最大のライバルクラブ、アーセナルFCの存在だろう。
今シーズン、上手くいかないトッテナムのサポーターのフラストレーションを最大限に増幅させたのは、このアーセナルの予想だにしない快進撃だった。
ミケル・アルテタ監督のもと、若いタレントとベテラン選手の絶妙的な融合で着実に力をつけてきたアーセナル。22/23シーズン、どのフットボールサポーター、そしてアーセナルのファンまでも予想していなかった、プレミアリーグの優勝争いを演じたのだ。

このクラブはトッテナムと同じノースロンドンをホームタウンとする歴史、実績共に申し分ない”古豪”である。
両者の確執が始まったのは1913年、サウスロンドンのウーリッジをホームタウンに置いていたアーセナルは、当時のトッテナムの本拠地、ホワイト・ハート・レーンからわずか6kmほどのハイベリー地区へと本拠地を移した。
両者の確執が決定的になったのは1919年。この年、1部リーグが20クラブに拡張されたことで、1部で最下位だったスパーズは残留できるはずだった。ところが、FA (イングランドフットボール協会)はトッテナムの2部降格と、2部で5位だったアーセナルの1部昇格を決定。こうして世界の数あるダービーマッチの中でも有数の歴史と確執を持つライバル関係が始まった。

この導入を読んだ方は、両クラブのサポーターにとってこの試合がどれほど大事かという事は、想像に難くないだろう。極論を言えば、プレミアリーグから降格しても、このノースロンドンの宿敵にシーズンダブルを達成すれば成功であり、プレミアリーグを制することができても、シーズンで宿敵に負ければ、そのタイトルの価値は無に等しいのだ。少し言い過ぎではあるけども。

22/23シーズン、両者の最初の顔合わせは2022年10月1日
アーセナルのホーム、エミレーツスタジアム。
試合はずっとアーセナルのペースで進み、スパーズはエース、ハリー・ケインまでもが自陣での守備を余儀なくされていた。
迎えた19分、アーセナルMF トーマス・パーテイが放った美しいミドルシュートは弧を描き、トッテナムGK ウーゴ・ロリスの指先をすり抜けていった。
先制点を奪われたスパーズはすかさず得意のカウンターで応戦。迎えた30分。
アーセナルDF ガブリエウ・マガリャンイスがトッテナムFW リシャルリソンを自陣ペナルティエリア内で倒し、獲得したPKをエースケインが沈め同点に。
そして試合は動かず後半へ。
後半早々、アーセナルが試合を動かす。アーセナルの攻撃を一度は凌いだと思ったスパーズだったが、GKロリスとDFクリスティアン・ロメロが衝撃のコミュニケーションミス。そのこぼれ球をゴールネットにガブリエル・ジェズスが押し込んで再びスパーズは劣勢に。
そしてこの試合の行末を決定付ける事件が62分に起こった。
スパーズDFエメルソン・ロイヤルが守備の際、スパイクのポイントで相手選手のふくらはぎを削り退場処分に。
ミスからの失点と退場者を出し、絶望に沈んだスパーズはグラニット・ジャカにとどめを刺され、散った。

レッドカードを提示されたエメルソン・ロイヤル

両者が再び顔を合わせたのは、2023年1月16日
スパーズのホーム、トッテナム・ホットスパースタジアム。
内容は書きたくないので興味があったら自分で調べて欲しい。
思い出したくない記憶になる程、試合内容は残酷で悲惨だった。

アホしね

結局、アーセナルは王者マンチェスターシティに捲られ2位フィニッシュ。
そして6年越しのUCL出場権を獲得した。
スパーズは7年ぶりにアーセナルより下の順位でシーズンを終えることとなった。

採点と講評

ここからは、この1年トッテナムの選手として戦った選手達を評価していく。
評価はS、A〜F、 評価不可 新加入選手には※ 

背番号 ポジション 国籍 
ランク
講評


1.GK  Hugo Lloris 🇫🇷

ウーゴ・ロリス

C:
2022カタールWカップをもってフランス代表を引退したウーゴ・ロリス。
この37歳の今シーズンのクラブでの成績はあまり褒められたものではなかったが、DF陣が安定しなかった時に幾度となくゴールを守った。
シーズン終盤は怪我に苦しみ、出場機会は減少。2012年にスパーズに加入してから、長きにわたってゴールマウスを守ってきた彼は年齢的にももう第一線でプレイするのは難しいかもしれない。中東からのオファーの噂もある。
夏の移籍ウィンドウを見てみよう。

20.GK Fraser Forster 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿 ※

フレイザー・フォースター

B:
今シーズンフリーでサウサンプトンから移籍してきた35歳は、2nd GKとして多大な貢献をした。201cmの巨体を活かして難しいコースのシュートを何度も掻き出した。

40.GK Brandon Austin 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

ブランドン・オースティン

評価不可:
出場なし

41.GK Alfie Whiteman 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

アルフィー・ホワイトマン

評価不可:
出場なし

6.CB Davinson Sanchez 🇨🇴

ダビンソン・サンチェス

F:
不安定なシーズンだった。出場機会は限られ、チャンスをもらっても結果を出せなかった。足元のテクニックがおぼつかない。すぐ焦る。不甲斐ないパフォーマンスの後、ホームサポーターの大ブーイングを受け、涙していたのが記憶に新しい。
来年は頑張って欲しい。別のクラブで。


15.CB Eric Dier 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

エリック・ダイアー

E:
おま、ほんまええ加減にせーよ。そんな言葉を浴びせたくなるほどに酷いシーズンを送った。イングランド代表としてカタールWカップにも参加した彼は、クラブで3CBのセンターを務めた。が、特に守備面で軽率なプレーを連発し今シーズンの失点の半分くらいに関与してるかもしれないと思えるほど心象が悪かった。
この選手を代表に呼ばなければならないほど、現状のイングランド人ディフェンダーは層が薄いのだ。

17.CB Cristian Romero 🇦🇷

クリスティアン・ロメロ

A:
現状のスパーズのDFにおいて最もマトモでワールドクラスのDFである。
24歳のこのアルゼンチン人は母国の代表としてカタールWカップに出場。
レギュラーとして母国の世界制覇に大きく貢献した。
今シーズンの彼を象徴した試合はなんといってもホーム、マンチェスター・シティ戦であろう。今シーズンプレミアリーグの生態系を破壊に破壊したエーリング・ハーランドを完封したどころか、自陣ペナルティエリアで1度も彼にボールを触らせなかったのだ。なぜスパーズに来てくれたのかわからない。そんな逸材だ。
怪我癖だけは治してほしい。

34.CB Clement Lenglet 🇫🇷 ※

クレマン・ラングレ

C:
夏の市場でコンテが熱望したバストーニとの交渉が決裂したため、急遽レヴィが取ってきた左利きCBだ。バルセロナからローンで加入した彼は最初の期待値が低かっただけに、十分納得できる活躍をしたと思う。バルセロナ所属ということもあり足元の技術、特にロングフィードに秀でていた。ただ守備時の対人に関していうと、手癖が悪くファールが多かったことがネガティブポイントだった。


25.CB Japhet Tanganga 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

ジャフェット・タンガンガ

F:
モウリーニョ政権下で実力を評価され、トップチームに昇格したこのアカデミー育ちの青年は今シーズンほとんど出場機会がもらえなかった。そして出場させると、その理由がよく理解できる。モウリーニョに評価されていた彼はどこに行ったのだろうか。今、ブンデスリーガの方面から様々な関心が寄せられているようだ。
ブンデスのクラブの強化部はポンコツなのだろうか。

33.CB or LWB  Ben Davies 🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿

ベン・デイビス

B:
複数のポジションを合格点以上の点数でこなせる彼は、監督にとって非常に嬉しい存在だろう。彼の魅力は豊富な運動量。スルスルっと上がってチャンスを作れる彼は、最後のクオリティと発想力があれば完璧な選手だっただろう。そんな選手がトッテナムにいるはずがないが。

14.LWB Ivan Perisic 🇭🇷 ※

イヴァン・ペリシッチ

B:
今シーズン、フリーでインテルから加入した34歳の彼は、両足から放たれる正確なセットプレー、クロスでスパーズの攻撃に多くのバリエーションを与え、初年度から8アシストと大きく貢献した。
またクロアチア代表としてカタールWカップに出場し、ベスト16で日本と対戦。
後半に素晴らしいヘディングシュートを叩き込み、母国の勝ち抜けと日本でのスパーズヘイト向上に大きく貢献した。
ソン・フンミンとプレーエリアが被り、彼との共存に苦労していた。守備はヘリウムより軽い。

19.LWB or LB  Ryan Sessegnon 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

ライアン・セセニョン

E:
シーズンのスタートこそ良かったものの徐々に影を潜めていった。
スペ体質すぎてシーズンの半分怪我でいない。
これで週給300万円とかもらえるのいいね。
給料泥棒

12.RWB  Emerson Royal 🇧🇷

エメルソン・ロイヤル

B:
昨シーズン夏にスパーズに加入してからというもの、軽率なプレーで批判の的になっていたこのブラジル人DFは、シーズン序盤は普段通りのカスプレイをしていた。冬の移籍市場で同ポジションの強化を目指して強化部はPedro Porroに接触。しかし彼が加入した頃にはRWBのファーストチョイスはエメルソンでいいとサポーターに言わしめる程にパフォーマンスを改善。
イングランドのタブロイド紙であるThe Sunによれば、彼は自身の能力向上のために、同ポジションにおいて現在世界最高と評される、Paris Saint-Germain🇫🇷所属のAchraf Hakimi🇲🇦のスカウトレポートを作成し研究。そしてまた£800000(約1億円)を投じて自宅にトレーニング施設を導入し、自己研鑽に励んだ。
彼の姿勢と努力はサポーターの心を掴み彼は一躍人気選手の仲間入りを果たした。

23.RWB or RM   Pedro Porro🇪🇸 ※

ペドロ・ポッロ

B:
冬にスパーズに加入したこのスペイン人は、サポーターの大きな期待を背負ってノースロンドンに降り立った。UCLのグループリーグでスパーズと対戦した際に一際存在感を放った選手だったからだ。元々攻撃的なウィングだったこともあり、守備力に関して言えば少しばかり不安があったが、攻撃時には期待されていた高いクオリティを披露。15試合に出場し、3ゴール3アシスト。プレミア挑戦初年度、途中出場や途中交代も多かったことを鑑みると、十分な数字だと言えるだろう。
買取OPが付いたローン移籍のため未来はまだ不透明だ。
個人的には買取を行使して欲しい逸材だと思う。

5.CDM or CM  Pierre-Emile Højbjerg🇩🇰

ピエ-エメリ・ホイビュア

D:
闘将の愛称で知られるこのデンマーク人は今シーズン、彼の愛称に相応しい働きはできなかった。正直元々サッカーIQは高くない。ビルドアップの際ボールを受ける時、必要以上に重心を低く設定するので停滞の原因になった。またボールロスト後のネガティブトランジションが非常に遅く、手を広げて審判やチームメイトへの抗議を守備より優先する姿はサポーターや監督、チームメイトを怒らせた。
歴史的大敗をしたアウェイ、セントジェームズパークでのニューカッスル戦でのハーフタイム、彼とダブルボランチのコンビを組んだOliver Skippはこのデンマーク人を”flappy-armed fraud”と揶揄し彼の姿勢を強く非難した。個人的には27歳といい頃合いの年齢なので、早めに高額で現金化して欲しい。

4.CDM or CM  Oliver Skipp🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

オリヴァー・スキップ

C:
このアカデミー育ちの22歳は、今シーズン23試合出場と出場機会に恵まれたとは言えないだろう。出場試合全てでのビッグチャンスクリエイトは10回と物足りない。ノリッジシティにレンタルで加入していた時に見せていた、長い距離ボールを運んでチャンスを演出するようなシーンは見られなかった。守備時の強度はさすがだったし、ネガティブトランジションも非常に早かった。もっとコンスタントに出場機会を与えればどんどん伸びていくと思う。若いし。

38.CDM  Yves Bissouma🇲🇱 ※

イヴ・ヴィスマ

D:
今季、ブライトンから£25mで加入したビスマだったが、彼が全所属クラブで見せていたような本来の姿は見られなかった。怪我に苦しんだシーズンでもあった。
ただ、ホイビュアやスキップと違って、ビルドアップにおいて多大な貢献をできることを示した。ボールをもらう際のポジショニングや3人目の動きに対する意識等、他のスパーズの選手が持っていないものを持っている選手だ。
是非怪我を完治させて、来季万全の状態でサポーターを沸かせて欲しい。

30.CM  Rodrigo Bentancur🇺🇾

ロドリゴ・ベンタンクール

S:
2月のレスター戦で前十字靭帯を断裂するまで、彼はスパーズの攻守の要だった。守備では、インターセプト、クリア、タックルを全てチームトップレベルで行い、攻撃では、運んで、落として、走って、スペース開けて、、、なんでもできる選手だった。彼を大怪我で失ったスパーズは目に見えて調子を落としていった。
前十字靭帯の断裂をした選手は、完治しても怪我前のレベルのパフォーマンスをできない選手が多いらしい。彼がこれを乗り越えてさらに強くなって帰ってくることを期待している。

29.CM  Pape Matar Sarr🇸🇳

パペ・マター・サール

C:
昨シーズンはメス🇫🇷で1シーズンを過ごし、今年スパーズに合流したこの20歳の若者は今季はわずかしか出場していないが、そのいくつかはUCL決勝トーナメント1stlegや、ノースロンドンダービーなど重要度の高い試合だった。線は細いが、繊細なボールタッチやダイナミックなターン、強度の高い肉弾戦の守備などをみせ、プレミアリーグでも十分できることを証明してみせた。
彼の進化に期待したいと思える逸材だと思った。

21.RWG or RM  Dejan Kulusevski🇸🇪

デヤン・クルゼフスキ

B:
ユベントス🇮🇹から買取OP付きのローンでスパーズに加入している彼は、去年ほどのインパクトを残すことはできなかったが、それでも強力なスパーズの前線陣の1人として名に恥じない活躍を見せた。今年、UCL出場権を得れる4位以内フィニッシュを逃したため、買取OPが購入義務OPにならなかったので、この23歳のスウェーデン人のスパーズでの未来は不透明なものになっている。購入して欲しいな。

27.RWG  Lucas Moura🇧🇷

ルーカス・モウラ

F:
この30歳のブラジル人ウィンガーは今シーズン限りでスパーズを退団することが決定している。今シーズン度重なる怪我に苦しみ、リーグ戦では僅かに15試合の出場に留まった。オナドリからのボールロストの代名詞となり、アウェイ、アンフィールドでのリヴァプール戦の後半アディショナルタイム、不用意なバックパスから劇的な勝ち越し弾を献上。4年前、UCL準決勝で劇的な勝ち抜け弾を決め、アムステルダムで英雄と称された男は、4年の時を経て戦犯へと変わってしまった。

7.LWG  Heung-Ming Son🇰🇷

ソン・フンミン

B:
アントニオ・コンテのサッカーへの適応に苦しみ、リーグ戦前半での得点数は僅か3点。昨シーズン、アジア人初のプレミアリーグ得点王に輝いた韓国の英雄は完全に息を潜めたと思われた。しかし、コンテが解任されて、チームとしての戦術をカウンター主体に戻してからはかつての動きを取り戻し、結局最終的には10得点6アシスト。プレミアリーグ7シーズン連続二桁得点を達成。アジアの至宝はこれからも我々を楽しませてくれるだろう。

9.ST or LWG  Richarlison🇧🇷

リシャルリソン

E:
今シーズン£50mと高額な移籍金でエヴァートンから加入したこのブラジル人は、お世辞にも期待に応える活躍をすることができたとは言えないだろう。プレミアリーグで27試合に出場した彼のスタッツは1ゴール4アシスト。決して移籍金に見合った活躍はしていない。ただ要所要所で才能の片鱗を披露。オフサイドでのゴール取り消しが多かったが、抜け出しのタイミングや後ろ向きでボールを収める能力など、今のスパーズには足りないものを見せてくれた。彼にとって初めてのUCL出場となったホーム、マルセイユ戦、ペリシッチのクロスボールにドンピシャで合わせて2ゴールをマーク。ブラジル代表として参加したカタールWカップでは、プスカッシュ賞にもノミネートされた、セルビア戦のバイシクルシュートも含め、3ゴールをマーク。
来季からの活躍に期待したい。

16.CF  Arnaut Danjuma🇳🇱 ※

アルノー・ダンジュマ

E:
冬にビリャレアルからドライローンで加入したこのオランダ人は、ほとんど出場機会を得ることは出来なかったが、リーグでの古巣ボーンマス戦とFAカップのプレストン・ノースエンド戦でゴールを記録。プロ意識が非常に素晴らしかった。
これからのキャリアに幸多からんことを期待したい。

10.ST Harry Kane🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

ハリー・ケイン

S:
トッテナムアカデミー史上最高傑作のこのイングランド人ストライカーは、今シーズンの悲惨なチーム状況の中で様々な記録を塗り替え、世界最高のストライカーの1人であることを証明し続けた。今シーズンのリーグ戦で決めたゴールは30ゴール。プレミアリーグ得点ランキングで2位につけた。1位のエーリング・ハーランドはチャンピオンチームであるマンチェスター・シティ在籍。トッテナムで30ゴール取ることはシティで36ゴール取るより遥かに難しく、遥かに誇り高いことだ。

ハリー・ケインが塗り替えた記録は以下
プレミアリーグ通算200ゴール  vs Manchester City(H) 1-0○
スパーズ歴代最多得点267ゴール vs Manchester City(H) 1-0○
🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿代表歴代最多得点54ゴール  vs Italy(A) 1-2○

ケインは素晴らしいシーズンを過ごしたにも関わらず、チームは16年連続のタイトル無し、そして欧州コンペティションの出場権も得られず、失意の彼は移籍を模索中だとのこと。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリーなどからの関心を受けているこの30歳の去就はどうなるのだろうか。


おわりに

今シーズンのスパーズはあまりにも弱く、悲惨でした。
エースの移籍騒動、SD、監督探しの難航など、今クラブを楽観視することは一切できません。我々サポーターはクラブの決断を信じ、応援する事しかできません。
いつか、いつの日かこのシーズンを笑い飛ばせるような大きな栄光を掴める日が来ることを信じて、これからも応援していきたいと思います。

This is my club.My ONE and ONLY club.

                                                                                                                        #COYS

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