見出し画像

附論: 関学不人気


西宮で行われる甲子園ボウルの観客なんて大半が関西学院のOBであろう。この大学の関係者しか実地にアメフトを見るという習慣がないからである。ことに関学が出場している甲子園ボウルに観客が少ないとしたら、それは関学OBが関学ファイターズを応援しなくなっているということである。つまり、OBと現在の大学の間に心理的な距離が広がっている。(こんなの関学じゃない) ならば、これはアメフト全体ではなく、一大学の局所的現象にすぎない。関学不人気。

アメフトは非常に激しいスポーツだと思う。スポーツの枠内に収まらない殺し合いの要素を一部含んでいる。「つぶしてこい」、「殺ってしまえ」などといった言い回しは日常茶飯事であり、ラインで相対した選手はヘルメット越しに「殺すぞ」などと脅し合うそうである。どのチームでも10年に一人くらいは選手が死んでいる。そういうスポーツなのであるから、テニスやバレーボールとはちがうのであるから、ラフプレーも試合の想定内であり、だからこそ審判やペナルティも決められている。それをなぜあえて試合外で警察沙汰にしたのか。

スポーツであるならば、反則があったと思えば審判に言えばいいのである。しかも、それは試合中に限られる。本件では試合が終わって一日経ってから外部からのSNSの指摘で危険タックルに気づいたという。ならばなぜ、大学アメリカンフットボール連盟などに抗議しなかったのだろう。日大に厳重注意してもらえばいいではないか。それがなぜ警察に告発という極端な形になったのか謎。売名行為といわれても仕方がないし、大学アメリカン業界がこの程度のエラーも内部で処理できない破綻した機構だと露呈してしまった。自殺行為に等しい。

SNSというのは、暇人となりすましのオンパレードであって、SNSで世論を計り、世間はこっちの味方だと早合点したのかもしれないが、数百人の支持とみえても実際は数人の自演であり、大学がSNSの煽りや悪意になれていないところから来た暴走であると個人的には思う。

まとめていえば、アメフトはスポーツなのか殺し合いを含んだ公開屠殺競技なのか、警察への告発によって、その辺の矛盾やあいまいさ、我国でのアメフト文化の正統性が問われる結果になったと思う。ラグビーでは正面タックルは許されない、スポーツとして危険だからである。それをあえて正面タックルを許し、防具をまとった上で集団格闘技の要素を入れたのがアメフトであるが、スポーツと危険に加えて、犯罪という要素まで自分で引き入れてしまったんだからなんだかなぁという感じ。

よって、アメフト観客激減の実体が関学不人気であるならば、関学が出場しない甲子園ボウルならば観客が安心して帰ってくる可能性があるのだから、対策としては関学が出場を辞退する、セレクションを止めて弱くなるが解ではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?