たまに雷、たまに積み木、たまに粘土


お疲れ様ディス
9/30にCDを発売する
差し当たって、収録された曲の歌詞をタイピングしてみた
なかなか良い事書いてるな~という感想
やっぱり形になるって素晴らしい

----------

ちなみに私が曲を作る時は、基本的にはPCと向き合って作っている
とは言ってもDTMみたいな凄い事をやってるわけじゃなくて、ただただ歌詞を作るのにPCが必要というだけ


アコギを持ってPCの前に座り、メモアプリを開く
フンフン鼻歌を歌いながらギターを弾いて、歌詞が思い浮かんだらタイプしていく
出来立てのメロディはすぐに忘れるのでボイスメモで録音する


雷に打たれたように一瞬で歌詞が完成する時もあれば、待てども待てどもなかなか浮かばない事もある
そんな時はインターネットブラウザを開き、歌詞を検索する

「良い歌詞」とかで検索して、出てきたら良いんですけどね~
そういうのはちょっと違うんでね
----------

文章を矛盾させない



私達のバンドに「タワー」という曲がある
歌詞を一部抜粋

季節が秋になる、その境目には台風
ぼんやり外を眺める横顔を眺めている

タワー /あくたがらん

小さな情報も、現実と矛盾しないよう気を付ける
「台風 季節」とか
「台風 発生 いつ」とかで検索して、「本当に秋口に台風は来るのか」という確認をしたりする

気をつけましょ




1曲の中では一人称と二人称を統一する

歌い初めに「僕こそが君の~」と歌い、サビでいきなり「俺様こそが貴様の~」とか歌ってたらマズい
「えっ、主人公変わりました?」と言われないようにしよう


僕に対しては「君」
私に対しては「あなた」
あたしに対しては「あんた」
俺に対しては「お前」
俺様に対しては「貴様」
おいどんに対しては…分かりまへん

二人称も整列させてあげると、歌詞がシュっとなる
一曲通して、呼称に矛盾がないようにする

矢沢永吉氏は「僕」より「俺」と歌って欲しいし、中島みゆき氏は「私」と書いて「アタシ」と歌う方が似合う
それを武器にするもヨシ

----------

いざ歌詞カードにするぞ、って時は記載方法にも気を付ける
「私たち」は途中で「私達」にしてはいけない

----------

たまには矛盾も利用する

そういった矛盾を、歌詞の複雑化の為に使う事も可能
しかしめちゃムズい

「俺の彼女 / 宇多田ヒカル」は分かりやすい

俺目線と、彼女目線が混在する


歌詞カード見て初めて気づくって曲もあるんやろうけど、今は思いつかない
知ってたら教えてね

----------

いっそ文章化しない事もある
めちゃくちゃ歌ってるけど、歌詞カードには書きませんってパターンもあったりする
NOBのthis is a song for youのサビは、確か歌詞カードに書いてなかったはず

惜しまれつつこの世を去った天才


----------

歌詞は、詩じゃなくてあくまでも歌詞なので、最終的に人間の口から飛び出た時にようやく完成する

いざ歌ってみた時の口当たりの良さプラス、文章化した時の矛盾の無さを、歌詞を書いている段階で考え続ける


今作っている曲は、なんかめちゃくちゃ韻を踏んでしまった

歌詞を一部抜粋

淡い、甘い、曖昧な関係の私達が今
正解も不正解も手放して
お互い期待はしない 裏切りもしないように

カーテン(仮) / あくたがらん



実際声に出して読んでみたり、ローマ字にして書いたりしたら分かりやすい

淡い awai
甘い amai
曖昧 aimai
私達 watashitachi
が今 gaima
正解 seikai
互い tagai
期待 kitai
しない shinai



語尾の母音「アイ」で韻を踏んでる(今気づいた)

アイを繰り返してるんや、と考えると素敵やな…


こういう曲を作る時は積み木みたいなノリで「~ai」の言葉を積み上げる必要がある
その為には、始めにたくさんの「〜ai」を用意しなければならない

やり方はシンプルで、ただひたすら「〜ai」の言葉を呟き続ける

この時、その言葉に意味は無くて良い

「すごあい~、うごあい~、ぎああい~」みたいに繰り返す
すると、「すあい~、みあい~」と惜しい感じに変化してくる

最終的に「未来~」と、意味がある言葉が急に導き出される

そういう切れ端をPCにメモして、数個集まったら文章にしてみる

それを歌ってリズムにはめると、上記のような曲が出来たりする

----------

今作成中のCDには3曲収録されるが、それぞれの作詞アプローチは結構違った

しかしながら歌詞を並べてみるとやっぱり「自分が書いた歌詞」という雰囲気がある

それは先述したような手法がそこここに散らばってるからで、これはある種オリジナリティでもあるし、自分の弱点でもあるなと思った

視野が狭いのである

粘土のようにいくらこねても、結局粘土は粘土

しかし、粘土で作ったとは思えないような作品がたまに誕生する
それを夢見ながら、今日もやるっきやないのだ

歌詞を書くということは、たまに雷で、たまに積み木で、たまに粘土となる

----------

いきなりですがここで、視野の広い歌詞を紹介しよう




サビの歌詞は以下の通り

コココ コーコ コッコッコー
コココ コーコ コッコッコー
コココ コーコ コッコッ
コッコッコッコッコー
コーコ コーコ☆ナーツ
ココココココココココココココ
ココ☆ナツ ココ☆ナツ ココ☆ナツ

ココ☆ナツ / ももいろクローバーZ

作詞者(ヒャダイン前山田健一氏)の執念を感じる
素敵だ…


----------

それでは次に、文章を可視化したことにより、曲の幅が広がり過ぎて(良い意味で)イカれてしまった名曲のMVをご覧いただこう


YouTubeのコメントに「視覚と聴覚が喧嘩してる」とあった
マジでその通り

何より曲が普通に良い
映像はパニック
この映像はAC部という人たちが作っている

脱線ついでにAC部でも紹介しとくか

----------


0分56秒から出てくるお兄さんの動き最高

----------

会話による意思疎通が出来なさそうな女の子

現実におったらめちゃ怖い

----------


BGMの伴奏が世界で1番ビヨビヨ

----------

AC部の作品と、ザコシのサブリミナルは定期的に摂取したくなるよね
わかります


ほな、CD楽しみにしといてください
おつかれい~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?