「死語」の世界
新聞紙面には、はやりの言葉よりも、ある程度定着した言葉が使われる傾向にあります。あまり認知されていない表現や言葉を使うと、「それ辞書に載っているか」とデスクに尋ねられました。とはいえ、見出しなどは世の中のはやりすたりに影響されます。頻繁に使われていたのに、すっかり紙面でも見なくなった―。そんな時代を反映する「死語」を播州人3号が紹介します。
土曜がそうでした。「半ドン」です。
明治時代、休日をオランダ語由来の「ドンタク」と言ったことから半休が「半ドン」になったという説のほか、正午に大砲を「ドン」と鳴らしていたからという説もあります。
週休2日制が導入されてから一気に使われなくなりました。
小学生のころ、土曜の授業は午前中で終わり、昼ご飯は下校後に自宅で食べました。
播州が誇る「イトメン」(たつの市)の袋麺「チャンポンめん」か、夏場はそうめんが定番でした。
翌日は日曜で1日休み。高揚感のある土曜の午後を過ごしました。
使われなくなった言葉には服装に関するものが多くあります。
「とっくり襟がちくちくする」などと使ってましたが、最近は聞きません。
過去記事では、逃走した強盗犯の服装に使われていました。
今なら「タートルネック」や「ハイネック」という表現になるでしょうか。
「寝間着」はどうですか。こちらも「パジャマ」の方が優勢です。
「トレパン(トレーニングパンツ)」や「チョッキ」もすっかり聞かなくなりました。
ちなみに「トレパン」は、幼児がトイレトレーニングに使うパンツとは別物です。
体育大会の「組み体操」(こちらの使用もかなり減ってきているようです)で、男子は上半身裸、下はトレパンでした。
「アベック」という言葉は不思議な変遷をたどります。
かつては、こんなふうに使われていました。
今ならほぼ間違いなく「カップル」になります。
ただ、絶滅したわけではありません。
「アベックV」や「アベック連覇」の見出しは運動面の記事や見出しに頻繁に登場します。
「カップル優勝」とは言わないので、完全な死語でないことが分かります。
「メリケン粉」はどうでしょうか。圧倒的に「小麦粉」が多くなりました。
ただ年齢のせいでしょうか、お好み焼きやたこ焼きの記事には「メリケン粉」の方がしっくりきます。
高齢の方は今でも使うようです。
本紙夕刊の電話投稿コーナー「イイミミ」からです。
▼30円値上がりしてた
メリケンつながりで言えば、神戸には「メリケンパーク」があります。
元々は波止場で、アメリカ領事館の前にあったことから「アメリケン」がなまって「メリケン」の名で親しまれました。
波止場は「憩いの場」として埋め立てられ、1987年にメリケンパークとして整備されました。
あの有名なモニュメントがあります。
「ヤング」も久しく使いませんね。
使うとすれば、あえて「昭和感」を出す場合でしょうか。
40年ほど前、先ほどのイイミミの若者向け企画です。
冒頭の写真はその紙面です。
「ヤング」のオンパレードでした。
あっ、「オンパレード」も「死語」でしたか。
<播州人3号>
1997年入社。今回の投稿に合わせ、「死語」を探してみました。「背広」「流し(シンク)」「レンタルビデオ」「写メ」などなど。名詞だけでなく、写真を撮る際の「はい、チーズ」。「受話器を置く」も久しく聞きません。が、実は結構使っています。
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