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神戸新聞「うっとこ兵庫」、始めます

訪問いただき、ありがとうございます。「うっとこ兵庫」です。
タイトルを含め「???」の方もいるでしょう。どんな投稿があって、何が体験できるか―。皆さんにお届けしたいことを少しでも知ってもらうため、しばらくお付き合いください。



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広い兵庫を深く、詳しく

まずは神戸新聞社についてです。兵庫県神戸市に本社を置く地方新聞で、朝刊、夕刊の発行に加え、デジタル版「神戸新聞NEXT」でもニュースを発信しています。
26年前に起きた阪神・淡路大震災で本社が全壊し、京都新聞の協力で新聞発行を続けられたエピソード(ドラマにもなりました)や「Yahoo!ニュース」などのコンテンツ、競馬の「神戸新聞杯」などで社名をご存じの方もいるかもしれません。

われわれのホームグラウンドの兵庫県は「摂津」「播磨」「但馬」「丹波」「淡路」の五つの国が集まってできました。北は日本海から、南は瀬戸内海にある淡路島までと広く、本州を陸路で縦断するには兵庫を避けては通れません(訪れたことはなくても「通過した」方はかなりいるはずです)。

高校球児たちの聖地・甲子園球場(西宮市。大阪ではないのでご注意を)や世界遺産・国宝姫路城(姫路市)、有馬温泉(神戸市)などがあり、神戸ビーフや明石のタイやタコ、丹波の黒豆、淡路島のタマネギなどが兵庫の特産です。

地域色豊かな話題を詳しく伝えるため、兵庫県内に総局や支局など約30の取材拠点があり、地方版(丹波や阪神などエリアごとにニュースを掲載する紙面)だけで12面あるのも特長の1つです。

「色褪せず、光るコンテンツを届けたい」

全国展開する新聞社と比べて取材先との距離が近いせいか、読者の皆さんからの反応は直接、間接を問わず日々あります。記事の署名を見て名前を覚えてくださっていることも珍しくありません(神戸新聞では原則、記事とともに記者名も掲載されます)。
ただ残念なことに「新聞離れ」は兵庫でも進んでいます。新聞を購読する人だけでなく、新聞に接する時間についても減少傾向が続いています。

紙の新聞の宿命なのかもしれませんが、新聞は数日で読めなく(読まれなく)なります。一方で、全国級のニュースだけでなく、地方版に掲載された記事にもキラリと光るものがあります(そういったものには不思議と月日がたっても読み応えのあるものが多いように感じます)。
過去の紙面を調べていて「こんなおもろい記事が載ってたんか」と驚くことがあります。しっかり読んでるつもりですが、目を通せてないものですね。

「もっとたくさんの人に届けたい」「せっかく掲載した記事をしっかり読んでほしい」―。「うっとこ兵庫」もそんな現場からの声(主に若手、中堅記者ら)で動き出しました。社内で仕組みをつくるには時間も費用もかかるため「note」の力を借りることにしました。
「投稿のしやすさ」だけでなく、noteという「街」に住むユーザーに、私たちの取り組みが届きやすいのではないかと考えています。

テーマごとにまとめてお薦め

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「うっとこ兵庫」で投稿するのは、大きく次の2つです。
1つは、過去記事の中から特定のテーマで記者らが選び、それをまとめて読めるようにお届けします。

例えば、写真です。プロのカメラマンがうなるような写真ってどんな構図なんでしょうか。複数枚撮影した中から、その1枚を選んだ理由はどこにあるのでしょうか。そんな切り口で過去の記事や写真をまとめられないかと思います。

上の写真は、兵庫を含む近畿地方が観測史上最も早く梅雨入りしたことを受け、映像写真部員が撮影しました。例年とは印象の異なる写真になりました。
当日、この写真記者は気象庁の発表を見越して街中で待機していたといいます。雨がそれほど降らなかったせいか、濡れた路面には傘や信号まではっきりと映っています。
例年と違うのは雨の強さだけではありません。新型コロナです。3度目の緊急事態宣言が兵庫に出され、街中の人出は減ったままです。例年なら通行人で混み合う繁華街の交差点に、思いがけず広いスペースが生まれました。そこを狙ったのがこの写真です。
「コロナ禍の梅雨入り」。
緊急事態下の街の表情を切り取るため、カメラを低く構えたカメラマンの姿が浮かんでくるようです。

写真以外にも、運動部記者がしびれたアスリートの言葉ってどんな場面で発せられるのでしょうか。担当記者が「おやっ」と感じた知事や市長の発言とは―。そんな切り口で過去記事にもう一度目を向けます。
編集や広告、販売、印刷、事業など「業種の百貨店」とも言われる新聞社には多彩な人材がそろいます。「乗り物」や「グルメ」など本業以外の趣味の視点から記事を選ぶのも新たな切り口になるかもしれません。

過去記事をそのまま掲載するのではなく、その記事を選んだ理由や「すごさ」についても選者が説明します。本人が携わった記事なら「苦労話」も披露したいですね。当面は週1回の投稿を目指します。記事や写真を選んだ記者たちのセンスにも注目ください。

もう一つは、連載の再掲載です。
企画・連載は携わる人数、かける時間とも通常の取材とは格段に違います。1年に及ぶ長期の連載もあり、見出しなどのレイアウトや色使いにまで気を配り、文字通り総合力で仕上げます。
とはいえ、こちらもほかの記事と同様に短い期間で読めなくなることが多いです。「もったいない」という気持ちが強く、皆さんにどこまで共感してもらえるか、noteにある課金の仕組みを使って再挑戦する予定です。

「新聞を読むのは面倒くさい」「毎日目を通す時間がない」という人には気軽に読めるまとめ記事として、「最近の新聞が面白くない」「読みたいものが載っていない」と感じている方には発見につながる機会として、「うっとこ兵庫」をお届けします。
記事だけでなく、動画や音声なども活用し、皆さんに「おもろい(おもしろい)」と感じてもらえるコンテンツを取りそろえていきます。

「うっとこ」って?

さて、これまでちゃんと説明できていなかったタイトルについてです。
「うっとこ」は「内(うち)の所(ところ)」が短縮された形で、「私の家」や「身内」の意味です。兵庫県だけでなく、関西でも広く使われているようです。
神戸新聞に掲載された「うっとこ」を見るのが一番かもしれません。


うっとこ、固定電話で留守番機能もない古典的なプッシュホン。このごろ、なんべんか電話がかかって、受話器を上げると、取ったのを確かめるように1拍置いて切れ「プープープー」やて(淡路、主婦)。
昼間は飛行機を見上げるのが好きで、娘が「お母さんの喜ぶものがあるで」とスマホを見せてくれました。そこには今、飛んでる飛行機が地図上に現れます。「うっとこの上を飛んでるのは福岡行きや」「次は高知」。「へえ、そうけ」と何とも楽しい会話です(姫路、主婦)

読者が身近な話題を電話などで伝える「イイミミ」に届いた声です。半世紀続く名物コーナーで、しゃべり言葉をそのまま掲載しています。どちらも「私の家」に置き換えても意味が通じますね。ちなみに二つ目の文中にある「そうけ」も姫路市など播州地方の言い回しで「そうなの」の意味です。

タイトルを決めるにあたって複数の案が集まりました(なぜか大半が関西弁、播州弁でした)。「うっとこ兵庫」に決まったのは、社内のやや声の大きな人が推したことも理由の一つですが、「うっとこ」という言葉が、私たちが暮らし、取材を続ける兵庫への愛着のようなものを表しているように感じられたからです。

荒っぽい言葉遣いで有名な播州出身のメンバーからは「『うっとこ』やのうて『わいとこ』や」という主張がありましたが、「わいとこ兵庫」では勢いがありすぎるので今回は見送りとなりました。

うっとこ兵庫」。しつこいぐらい記してきましたが、少し親しみがわいてきませんか。そして、私たちが目指すことについて伝わったでしょうか。

タイトルを考える際、ひと目見て、ちょっと耳にしただけで内容が伝わるようなネーミングを目指しましたが、これだけ長い説明がいるようでは、狙い通りになったとはいえませんね。

私たちDX推進部です


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だいぶ申し遅れましたが、「うっとこ兵庫」は神戸新聞DX推進部のメンバーが進めています。本屋のビジネス書コーナーなどでよく見かけるようになった「デジタル・トランスフォーメーション」を略した「DX」です。
〝うっとこ〟の推進部は昨年秋に誕生し、今春から活動を本格化しています。編集や広告、販売の各部門のメンバーでつくるチームで、ざっくり言うと、デジタルを通じて読者やユーザーにこれまで以上の体験を提供することを目指しています。

新聞製作の現場では「読者」を強く意識してきました。編集フロアでは「中学生が読んで分かる漢字を使え」とか、「こんなカタカナばっかりの文章が年寄りに伝わるんか」などという会話を聞きます。難しい漢字にはルビ(読み仮名)を振ったり、広く知られていないカタカナ語は言い換えたりしています。
一方で、「読者ってだれのこと?」と尋ねられると、たちまち答えに窮してしまいます。なぜでしょうか。本社に届く投書などをみると、小学生から90代の高齢の方まで幅広い層の読者がいることが分かります。特定の年齢層を対象にせず、どんな年代にも届く紙面を目指してきたため、具体的な読者を思い描くことはあまり得意ではありません。

デジタルの力を借りれば、読者の顔が少し鮮明に見えるようです。どんなジャンルの記事が読まれるのか。どれぐらいの時間見られたのか。私たちの課題の一つは、記事を掲載した後でした。配達を販売店に任せ、毎日締め切りを迎えていることも影響しているのでしょうが、悪く言えば「書きっぱなし」でした。
「うっとこ兵庫」ではnoteの力を借りながら、読者・ユーザーの「表情」を見ることを目指します。「スキ」の数や、投稿がどこまで読まれたかなどを把握するようにし、紙の新聞づくりにも生かせられたらと考えています。神戸新聞のツイッターやメールマガジンなどのリンクを張って、私たちの取り組みについてもお伝えしていきます。

音声、メルマガ、まとめ記事

【NEXT_SP】710_135(修正済み)


少し宣伝っぽくなりますが、DX推進部では、この「うっとこ」に先行して音声コンテンツとメールマガジンを始めました。
音声番組「めっちゃ兵庫」は、記者らが記事を読み上げたり、取材した記者との掛け合いなどを配信します。
メールマガジンは「ええやん兵庫」と題し、最近のニュースからお薦めの記事数本を週1回のペースでお届けします。
3つ合わせて「めっちゃ」「ええやん」「うっとこ」兵庫―
結果的に全部関西弁になってますが、3つともよろしくお願いします。

「???→!!!」


ブレスト2

昨年秋、DX推進部が発足した直後でした。私たちが目指すものを言葉にしてみようと議論しました。ああでもない、こうでもないと意見を交わし、ときに険悪な雰囲気になる中で、あるメンバーが出したアイデアが「???→!!!」でした。
あえて説明するなら「疑問や不思議を、驚きや納得に変える」でしょうか。
「分かるようで分からん」と、そのときは(個人的に)思いましたが、「うっとこ兵庫」の目指すところにぴったり当てはまるような気がします。

熱い思いを抑えながら書いてきたつもりですが、神戸新聞の紙面に換算すればほぼ400行の長尺原稿となってしましました。厳しいデスクから「なんぼほど書くんや」とあきれられ、「結局何が言いたいんや」と詰められそうなので、一言にまとめます。

デジタルを通じて皆さんの好奇心(???)に応え、ついだれかに話してみたくなるような「!!!」をお届けする―。

「うっとこ兵庫」、始めます。

#神戸新聞 #うっとこ #めっちゃ #ええやん #自己紹介 #DX推進部



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