杉貫十械というアーティストをご存知ですか?

きっと知らないという方の方が多いのではないでしょうか。「好きなアーティスト誰?」というよくある質問に「椎名林檎」と答えて何かしら察した相手に「そうなんだ〜」と言わせ会話を終わらせる私ですが、人生で1番リピートしているのは実は杉貫十械の「輪の中」という曲なのです。(もちろん椎名林檎は大好き。むしろ東京事変。だけども、私なぞファン名乗るにはまだまだ…の気持ちが勝ってしまう。)

「輪の中」は中2〜3くらいまで私が毎日寝る前を含め最低3回は必ず聴いていた曲です。その当時聴いていたオリジナル版は訳あってもう聴けないのだけど、音質悪めのもの(言ってしまえば無断転載)がYouTubeに残っています。URLは載せないけどちょっと検索して聴いてみて欲しい。私はこれを何百回、下手したら何千回?聴いているから、ボーカルの入るタイミングも、息継ぎも、バックの音も全部頭で再生できます。何層にも重なる音の魅せる万華鏡のような仄暗い世界、かと思えば一転してちらりと覗く明るくジャジーなサビ、歪んだ愛を詩的な表現で描く歌詞、魅惑的なボーカル、その全てが私の心を掴んで離さなかったのです。そんな曲中でも特に印象的なのはラストのサビに入る前に詩の朗読部分だと思います。

君の面前 どうしても手が震えてしまう 確かめたい気持ちとは裏腹に声が出なくなった アクリルの境界を隔てて君の目に映るのは 手を繋ぎ輪を描きながら降りてくる天使たち 違う 小人のように見えるそれが僕を見て赤面したから 施設に向かう送迎バスの中 赤く染まるレースのカーテンと小人達が 椅子の隙間から覗くたくさんの目と一緒になって 僕の声と君を奪った とても大切だったのに

 これを14歳の私は何回も何回も頭の中で流れるBGMに合わせて唱えていました。まさに厨二病。

この他に「蛾か蝶か」「明日はいらない」「青白い灯火」「輪の中V2」(輪の中の再録版。前述の詩の部分が無いなど何点か大幅に変更されている)「人、人」「日暮れさえ」「水面の影」などの楽曲がありますが、というかありましたが、今はなんとこれらも全部聴けません!杉貫十械という人は実に謎めいた人で、素性が分からないどころか今までに2度ほどインターネット上から動画もHPも消し去って行方を眩ませています(前述の楽曲たちはその時に消えてしまって今もそのままなのです…)。そんな掴みどころのなさが魅力の1つだったりもするのですが。

でもご安心を!現在は復活して新曲を投稿されております!

6曲あるのでとりあえず聴いてみてください。気に入った曲があれば教えてください。そしたらお礼に私が持ってる過去曲のMP3データをお礼に送りたいくらい。もうね、そこまでしたいくらい好き。1人でも多くの人に世界観に溺れる心地良さを味わって欲しい。歌い手さんが好きな方ならevo+さんという歌い手に提供している「-雷鳴-」「群像の人」もおすすめなので是非。


【追記】

上記にて「今は聴けない」と記述した楽曲のうちいくつかはリメイク版がアップされました!!!やったね!!!新曲もちらほら!!!!!ありがとう杉貫十械!!!!!


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