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#SaveTheCinema 映画リレー 第3回『夢』

地元の映画館・長野相生座ロキシーの支配人、田上真里さんからバトンを託された7日間映画リレーチャレンジ。3日目です。好きな映画を挙げていきます。

黒澤明監督の『夢』(1990)。黒澤映画が傑作揃いなのは言うまでもないですが、あえてこれを挙げます。テレビで偶然観たのが最初のきっかけでしたが、当時あまりに衝撃を受けて、観賞後、何かに憑かれたようにノートにあらすじを全て書き出したのを覚えています。中二病をこじらせた中学生の頃のことです。映像や色彩の凄み、すなわち画の力によって圧倒されることを初めて実感した映画。

8本のオムニバスですが、これでトラウマになった要素がいくつもあります。「日照り雨」の狐の嫁入りで、狐が一斉に振り返る瞬間の沈黙、家に帰ると母親が「これで腹を切って謝れ」と待っている不条理。「鬼哭」で、放射能汚染の影響で鬼になった男(いかりや長介)が、「お前も鬼になりたいか」と追いかけてくる恐怖、など。当時、劇場の大画面で鑑賞していたら発狂していたかも。一方で最終章「水車のある村」ののどかさ。撮影されたのは、長野県安曇野の大王わさび農場です。

ちなみに、この映画リレーチャレンジの7本のセレクション、アニメ・特撮・アメコミ系の映画をあえて外して選んでいます。それらが映画ではない、などというつもりはなく、それらも含めると7本に絞るのは到底不可能だからです。

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*脚本担当作、東映まんがまつり『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』公開待機中!

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