『超分かりやすい超水質の極意』~pHについて~
リバースシリーズで有名なウォーターエンジニアリングの社長で水質のプロフェッショナルの三井さんとYouTubeでも人気のアクアリウムトールマンの店長の山田さんとの対談YouTubeLIVEを文章化しました。
まだLIVEをご覧になっていない方は是非!
(山田店長)
「新潟の水が良いのかとか淀川水系はgH2.1ぐらいか」とかコメントがありますね。
(三井社長)
地域によるけど、大体3前後ですかね。だからそんなに悪くないです。ただ、それも1つの項目っていう感覚が必要ですね。
(山田店長)
そうですね。
(三井社長)
もっと言うと、水道局では、水質検査を100項目以上調べてます。水道局のデータベースを見るとブワァーっと出てくるんですよ。ですが、僕らは何項目ですか??その感覚なんです。100項目以上も項目があると言う事は、調べなきゃいけないから調べてるんです。僕らが調べてるのはその一部なんです。一部しか調べてないという感覚がまず必要なんです。例えば、亜硝酸が出てるから、「亜硝酸があるからこの魚がうまくいかなかったんだな」と。本当か?と。冤罪の可能性が非常に高い(笑)
(山田店長)
なるほど。色々聞きたいです。
(三井社長)
これはいろんな全国の熱帯魚屋さんでお話をする水質の話なので、リバースの話をいつも忘れてしまうことがあるんですけど、最後になんとかねじ込めればなと(笑)水質のことが分かると、どうリバースを使っていくかとかその他の商品もここ組み合わせていこうとか、ここではリバースじゃなくて別のでいいんじゃないかとか。そういうこともわかるかと思います。
(山田店長)
なるほど。
(三井社長)
皆さんが一番項目の中で知ってるのは多分pHですよね。だからpHからお話ししようと思います。まずpHって何だと思います?
(山田店長)
いわゆる、酸性とかアルカリ性とかのバランスですか?
(三井社長)
そうなんです。でもそういう風に言われる方なかなか少ないので。実はそうなんです。量のバランスがpHなんです。量のバランスという感覚がないので変なことになるんです。例えばpH6が良いとかって言うじゃないですか。そしたら6に無理やり合わせようとするんです。それでいいのかっていう話なんですけど。まずpHは量のバランスなので、pHの中性って山本さんいくつかわかりますか?
(山本さん)
6です。
(三井社長、山田店長、篠遠さん)
え、、(笑)
(山田店長)
これ、皆さん多分ボケです(笑)
(山本さん)
8?9?10?4?……いや7!
(三井社長、山田店長、篠藤さん)
……(笑)
(山本さん)
いや、分かってましたから!
(三井社長)
いや、でもそんな感覚の方結構多いと思います。「pHいくつがいいんだよな」とか言ってるんだけど、中性っていくつだろうって言うと、実は知らないていう人が僕ら勉強会やっててもほとんどです。いい感じで答えてくださったね(笑)
(山田店長)
YouTuberの鑑!
(篠藤さん)
多分、見てる皆さんのために、恥ずかしくないんやという感じをね(笑)
(三井社長)
量のバランスと言う事はシーソーがあって、左が酸性分、右がアルカリ成分とするじゃないですか。酸性分1個、アルカリ性分1個でバランスがとれた状態。これがpH7なんです。また山本さんに質問しちゃおうかな?最高にアルカリっていくつだと思いますか?
(山本さん)
12!
(三井社長、山田店長、篠藤さん)
あーー(笑)
(三井社長)
これはボケですか?(笑)
真ん中が7なので14です。0から14まであるんです。逆に言うと、pH20とかpH30って無いってことです。シーソーがガタンと右に傾いたら14だし、左に傾いたら0ってことです。これがpH7です。
ちょっと難しい質問をします。左に酸性分が6個、右にアルカリ性分が6個になったらpHはどう変わったと思うでしょう?!
(山本さん)
これは僕いけます。ボケじゃないですよ?(笑)7!
(三井社長)
これがもっといって100個ずつだったらどうですか?
(山本さん)
7!
(三井社長)
1個でもpH7で100個でもpH7です。これを料理で例えると、コップに中にお砂糖一杯と、お塩一杯入れたお水。100杯ずつ入れたお水があります。そして、溶けて見た目は透明になります。飲んでみてくださいって言われた場合、どちらを飲みたいですか?
(山本さん)
薄いほうがいいです。
(三井社長)
どうしてですか?アクアリウム的には同じお水です。
(山本さん)
味に主張がなさそう(笑)
(三井社長)
そうなんです。実はそれぞれが同じお水だと言っている本とかが多いんです。pHだけを目指してるっていうのはこの感じです。だけど、お塩とお砂糖が100杯ずつ入ったお水ですよ!糖尿病にも肥満の原因にもなるし、塩分も多すぎて心臓の負荷にもなったりするじゃないですか。
これは、水槽の中でも同じような感じです。水槽の中にこんなものがたくさん入ってくると何が起こってくるか。これを何とかしようと自然の力が働いてきます。
基本的に、『存在するのに無意味なものってこの世に存在しない』っていう大暫定で。ちょっと哲学的ですけど。そうやって見ていかないとおかしくなってくるんです。
塩や砂糖のようなものがたくさんあるとさっきみたいに気持ち悪くなったりおかしいなと思うじゃないですか。これをなんとかするためにこれを消費してくれるものが生まれてきます。例えばコケです。コケはこのようなものを栄養分としてとってこれを少なくしてくれる。だから水草がいっぱいある水槽とかはこれが少なくなってくるんです。
そうやって地球もできてくる訳です。そういう感覚が必要です。そういう感覚がちゃんとあると、このコケを殺すという薬を使った場合何が起こるかなんです。
コケは人間が見た目で汚いと言っているだけです。だけどコケが生まれてくるためのもと(塩や砂糖のようなもの)は無くなってないじゃないですか。でも自然の力は何とかしようとするので、今度は違う種類のコケが出てきます。とかいうので、みんなドツボにハマっていく訳です。
(山田店長)
コケ自身も僕らの見た目では嫌だから排除したいけど、むしろ助けてくれてるくらいの話ですよね。
(三井社長)
そういう感覚がないと。だから嫌な奴とか、そんな奴はいないんです。コケを何とかしようとするとどうしてます?山本さん?
(山本さん)
なるほど。リバースを入れます。
(三井社長)
そんな話はいいです(笑)でも、普通はどうですか?
(山本さん)
水換えします。
(三井社長)
そう。水換えは何のためにするかというと、この溜まった塩や砂糖のようなものを取り出すためにするんです。これが水換えです。
水槽と川とか海とかの大きな違いは、川とかは流れていってるんです。ところが水槽の中は、餌を1粒いれたら食べようが何しようがこの1粒分は水槽の中にあるんです。だからどんどん溜まっていく。だから餌を魚が食べて、残ったエサもコリドラスさんが食べてくれたからOKじゃないんです。フンが消えて「バクテリアすごいなぁ」「分解してくれてフンが消えたよ」って消えたと言う事はお水に溶け込んだと言う事です。という感覚が必要です。それが溜まっていくのが水槽なので、それをなんとかするために水換えで取り除かなきゃいけない。水換え不要とかいろんなものがあるけど、pHがOKだから水換え不要だとかいろいろなことがやられてきたけど、結局水換えしないといけないんだよって言うのはこういう事です。取り出さなきゃいけない。だから塩や砂糖のようなものが減ってくると、またちょっとコケが出にくくなるっていう事です。
そういう意味で、実はみんな昔からやってた『取っていかないといけないんだよ』というところで、リバースが誕生したわけです。
(山田店長)
さっきの水換えで言っても、その地域によっても違うからっていう話ですね。
(三井社長)
pHが高い地域、例えば千葉の人とかもそうでしょう。pHが高いってどういうことかって言うと、酸性分よりアルカリ性分のほうが多いと言うことです。pHを中性にしたいと思った場合、今までだとどうしてます?
(山田店長)
いい感じのフリしていいですか?この酸が足りへんから酸を足します!
(三井社長)
その通りです。でもこれ今までやってませんでしたか?例えば、pHダウンとかいろいろありますよね。6が良かったらもっと足せば良い訳ですよね。こんな感じで足していきます。
「あー下がった下がった」ってなりますよね。今度はろ過をすると言うこと。餌をあげて、魚が食べて、フンをします。フンはイメージ的には生肉です。生肉をここに置いといて、明日になって山本さん食べてくださいと言われたときに、食べますか?
(山本さん)
嫌です。
(三井社長)
どうして嫌ですか?
(山本さん)
腐ってそう。
(三井社長)
そうなんです。腐るって何かというと、肉を食べる微生物がここにくっ付いてくる訳です。水槽では空気中から入ってきますね。で有機物が分解されていって、アンモニアになります。アンモニアがどんどん増えていくと、このアンモニアを何とかしなきゃいけないぞという問題が出てきます。そうすると、アンモニアを分解するバクテリアがまた生まれてきます。なので分解されたものが増えてアンモニアが減ってきます。分解されたものは亜硝酸というやつですね。今度は亜硝酸が増えてこれを何とかしなきゃいけないので、亜硝酸を分解するバクテリアが生まれてきます。これが分解されて、硝酸塩になります。これが水槽の中では取りにくいので溜まっていきます。これが酸性分に溜まっていきます。これは酸化しているんです。
と言う事は、餌をやってろ過でバクテリアが分解すると、酸性分が溜まると言う事です。ろ過がちゃんとしていると絶対溜まるんです。
そうなってくると今度はpHダウンで悩みだします。
例えば酸性分が6個、アルカリ性分が2個なんで、pHが5とかに下がってきます。これを元に戻そうとした場合、どうしたらいいでしょう?
(山田店長)
はい!アルカリ性分を足したらいいと思います!サンゴ砂入れます!
(三井社長)
山田君大正解!(笑)サンゴ砂とか牡蠣殻とかもそうですけど、足せばいいんです。そうするとpH戻ってきます。
ちなみに牡蠣殻とかの固形物がアルカリ性分に来ると言う事は、酸性分で牡蠣殻が溶けるんです。石灰質のpHを自動で調整するとかっていうんですけど、それは酸があるから溶けるんです。溶けて、アルカリが出てきて中性になってくると、溶ける力がなくなるので留まると言う事です。昇竜石だとかもそうです。CO2とかを足してその酸で昇竜石の成分が溶けてアルカリ性分が出てくるという事です。
餌をあげてろ過をして調整する。これを繰り返すとどうですか?嫌な感じがしませんか?pHだけを見ていると7ぐらいで問題ないなとなるんです。
ろ過がおかしいのか?となってろ過のアンモニアや亜硝酸を見てみます。
これは上手く分解されていったのでアンモニアも亜硝酸も出ない。となってくると「水はいいね」「じゃあ水が合わなかったのかな」とか必殺の逃げ言葉が出てくる訳です(笑)
(山田店長)
pH、アンモニア、亜硝酸を見て、水質悪くないけど……のパターンですね。
(三井社長)
だけど、もうちょっと踏み込んで見てみると、こんなことになってるんです。この水になると、アルカリ性分もいっぱいあるので皮膚もやられてきますし、内臓もやられてきます。餌食いが悪くなったり、そういうことも起こってきます。
(山田店長)
どんどん濃くなっていく訳ですね。酸が増えたらアルカリを増やしたらいいし、アルカリが増えたら酸を増やしたらいいし、って中性にしようと思えば思うほど大変なことになりますね。
(三井社長)
じゃあどうしましょうという話です。アルカリが多くてpHが高かったという場合、酸を足すとさっきみたいなことになってきます。じゃあ正解を山本さんに言ってもらいましょうか。
(篠藤さん)
山本君あれやな。シーソーの三角をちょっとずらしたら良いんやな(笑)
(山本さん)
もしくは、四角にするか(笑)
(三井社長)
さすがだなぁ山本さん(笑)
(山田店長)
わかってますね(笑)
(篠藤さん)
アルカリ性分を1個取りましょう!
(三井社長)
そうですね。1個酸を足して調整しようとすると、4つの物質になります。4つ分の水の汚れ方になります。
1個足すんじゃなくて1個取るというやり方。そうすると2つの物質になりますね。コケも出にくくなります。
今度、餌をやって分解していくと酸が溜まります。これも足すんじゃなくて酸を取りましょう。そうすると、水質も中性で維持できるし、コケの要因も少ないです。リバースでコケを抑制とか書いてあるんですけど、コケを殺すものは一切入ってないので、水草を育てている方たちも使ってくださるんです。もとを減らしたというだけです。
リバースの説明をしておくと、強い酸から強いアルカリまである訳です。
餌をあげると酸が増えてくるので、酸を取るっていう酸化っていう問題は防ぎたいです。酸を取るというのをベースにすると、pHはアルカリになります。これがマリンっていうやつです。
マリンは塩が入っているわけでもアルカリのものが入っているわけでもなくて、酸性分を取ると言う事をしただけです。酸性分を取るとバランスがアルカリになるっていうだけだけです。
今度は、水草や一般の魚やろうとすると、そこまでアルカリになると大変です。酸も取ってアルカリも取る。中性付近を残します。ていうのがフレッシュです。
地域によっては、アルカリの端にめんどくさいアルカリがあったりします。例えばナトリウムとか。ほんとは物質は少ないんだけどアルカリにだけ傾くっていう。
シーソーの端に子供が座っちゃっている感じです。それが悪いわけではないんですけど、pHだけは高くなる。そしたら、それを取らなきゃっていうので、ソフト6.8っていうのが生まれたんです。商品がこうやって生まれていきました。
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