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苔の中にクマムシを見つける

私は中学のころ、科学部でクマムシの観察ばかりしていた。

最強生物として知られているクマムシ。
最強すぎて、科学者たちが何とかして殺したい生き物なのかもしれない。

体内の水分を減らして乾眠状態になると、マイナス273℃、100℃、真空、75,000気圧など、とにかく色々耐えることが出来る。100℃まで耐えられるので、あったかいんだからぁ~どころではない。

最強生物と聞くと、どんな厳ついデザインをしているのかと思ってしまうが、クマムシはなにかふわふわしていて、とてもかわいい。
そんなクマムシに私は惹かれたのかもしれない。

そして、そのクマムシが住宅街などの苔に住んでいるのだから、これまた面白いのだ。

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至ってごく普通の苔。こういう苔にクマムシは住んでいる。
この苔を採取し、シャーレに水を入れて苔をつけておく。

数時間後に苔を取り除き、残った水をピペットで吸い出し、プレパラートを作る。これを顕微鏡で観察するとクマムシを見ることが出来る。

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条件が良いと、たくさんのクマムシが観察できる。この写真には4匹ほど写っている。

見た目からはあまり想像できないが、とても速く動く。
「クマムシ」と調べると、「ずんぐりとした脚でゆっくり歩く姿から緩歩動物と呼ばれている」なんて書いてあるが、ゆっくりは動いてくれない。

器用にプレパラートを動かしていないとすぐにフレームアウトしてしまうこともある。ずんぐりとした脚で動いていることは確かで、それがとても愛らしい。

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これはとてもうまく撮影ができた写真。眼点が確認できる。比較的よく観察できるクマムシ。シロクマムシとも呼ばれる。なにかポケモンのような可愛さがある。


トゲクマムシ目

こちらはトゲクマムシの一種。
個人的にはシロクマムシと比べて、レアポケモンというイメージ。

クマムシにもたくさん種類がある。
中には、深海、南極、温泉などに住んでいる奴もいるらしい。正気かよ。と言いたくなる。


そして、最強生物として注目されているのは、写真のように、のこのこと動いている状態のクマムシではなく、乾眠している状態のクマムシなのだ。

体内の水分を極限まで減らしている仮死状態。クリプトビオシスとも呼ばれる。これを医療やバイオテクノロジーなどに活かすことはできないか、という研究が進められているようだ。

とても身近な苔にいる、とてもかわいいクマムシが、社会の手助けをする。
そんなあったかい未来がくるといいなと密かに思っている。

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