『超分かりやすい超水質の極意』~まとめ+kH・RpH・その他~
リバースシリーズで有名なウォーターエンジニアリングの社長で水質のプロフェッショナルの三井さんとYouTubeでも人気のアクアリウムトールマンの店長の山田さんとの対談YouTubeLIVEを文章化しました。
まだLIVEをご覧になっていない方は是非!
(三井社長)
さっきちょっとコメントを見てて、「ミネラルが多いとどうしよう」とか「pHだけで見てるとダメってことですよね」「pH降下剤とか使っている」とかあったんですけど、それなんかはこれで言うと10個ずつと1個ずつは同じ7なのでpHだけではわからない。
そういうときはちゃんとgHを見ます。別に僕は例えばgHが10じゃないといけないとか10になったらいけないとか2のほうが良いとかそう言うつもりはないです。魚が元気か。生体が元気か。これがすべてですから。
所詮、一部を測っているだけっていうことですから。魚や水草が元気だったらその数値でも良いと思います。うまくバランスが取れてるってことなので。例えばpHが下がりすぎて4とか3になるくらいならサンゴ砂を入れてでもpHをある程度戻したほうがいいんです。
ただ、対処的にやってるんだと思っとかないと。サンゴ砂とかを入れた時点でpHの管理は全く意味がないですから。いくらpH測ったってサンゴ砂が調整してくれてるので。サンゴ砂を入れて調整したときにはgH管理をしなきゃいけないってことです。
サンゴ砂とかとリバースが一緒に入っていると、金魚とかでもそうですけど餌が多くて酸化しやすい。リバースだけだとスピード的に追いつかないからサンゴ砂とかを使ってもらって良いんですけど、リバースと使っていると、サンゴ砂で硬度が上がっちゃうけどpHが戻ってきたところでリバースが回収します。なので硬度がほとんど上がらずにサンゴ砂とかと併用できます。
(山田店長)
ぶつからへんっていう感じですね。
(三井社長)
金魚用っていうのもろ過材であるんですけどサンゴ砂をちょっと入れてたりするんです。実は広島生まれなものですから広島の牡蠣殻を入れてます。これは水質が変化しないような適度な調整と汚れを取ったりしてやるんですけど、そういうのをちょっと混ぜとくとpHが下がりすぎないで硬度も上がらないっていう感じになります。
所詮こんなの道具ですから。これ入れたら魔法でなんとかじゃないですから。ドライバーを使うべきところはドライバーを使ってほしい。金槌じゃないよと。これでどうこうっていうよりは道具として使ってもらいたい。
平均的なところを取ってやってますからこれを使って「コケがやっぱり全然収まらない」って言う方は何かやってるってことです。餌が多いとか。
リバースソフトを使うとgHが1になるんです。「1にならないじゃないか」って言う方は何かやってるんです。
(山田店長)
龍王石とか昇竜石とかが入ってるとかですね。
(三井社長)
綺麗だと思って入れてた飾りが実はサンゴの飾りだったとか。そういうのも炙り出されてきます。
(山田店長)
もちろんソイルにさっき言われたように牡蠣殻が含まれているものを使っているとか。
(三井社長)
リバースはなると言ったらなるのがポイントです。僕が作ったとかのレベルではないです。世界的な例えば石油精製だとか医薬品とかいう所でやられているので、ならなかったらなんかあるなと思ってほしいです。
「効かないじゃないか!」じゃないんですよね。これを使ったのにコケが出たりするってことはなんかあるぞという風に思ってもらうとお水作りも楽しく、そんなに難しくないですね。
(山田店長)
リバースだけでカバーできないのであれば、それ以外の見直さないといけないポイントを炙り出していって石を取り出そうとか他のリバースを併用しようとか。あとは僕ら小売店のスタッフの接客でそこをしっかりとお客様から聞き出して僕らがそれをバックアップしていくっていうことができていけばと思います。僕らの技術とか知識レベルも上げていかないといけないですね。
(三井社長)
開発してる時にやってたのは僕の地域だけの話で地域によって違うので。それは地元のお店さんが把握するべきですよね。そうやって販売してほしいなというところです。
(山田店長)
僕もアクアリウム好きでやってると、視野が狭くなっていく感じが多いですね。店員さんとかでも。どこの店がとかじゃなくて、それを今までご自身の経験でやってきてるKnow-Howだったりとかがあるから「それだからダメなんだよ!」みたいなこういう店員さんも多いと思うんです。そこはやっぱりそうじゃなくてもっと柔軟にお客様の情報をもっと聞きだして合った商品を使ってもらったりしていくということが必要ですね。
(三井社長)
お水はシーソーのイメージを是非持ってほしいです。
水質はとにかく全体を見るものなので体重100キロの人がいてその人のことどう思いますか?と聞くと「そりゃ太ってますね」とかいうんですけど、体重だけでは太ってるかどうか実はわからないです。身長2m20㎝あるって言うと「あれ?なんか太ってはないですね」とか。それを体重だけで判断してるのがpHだけで判断してるのと一緒。で、実はその人ってロシアの人なんですよって言ったらなんか印象が変わりますよね(笑)
(山田店長)
なるほどなるほど(笑)
(三井社長)
実はその人、ロシアの女性なんですって言ったら「あれやっぱり太ってる」ってなってくる(笑)
こうやって情報があればあるほどその形が見えてきます。だから水質検査も情報があればあるほど見えてくるだけです。100項目の中の5項目くらいを調べてるってことなので、例えば酸性があるから悪いって思ってたのが実はこれは何の悪さもしてなくて他の物質が一緒に増えててこれが殺してたということがあるんです。っていうことをイメージしながら水質を見ないと。アクアリウムは硝酸系だけを話してることが多いんです。でも餌の三大栄養素ってリン、窒素、硫黄ですけど、これらが酸化して硝酸塩、リン酸塩、硫酸です。これの硝酸塩だけ話しててどうするってことです。
あとは水道水が例えばgH3という数値だったら水槽のお水も同じ数値にならなきゃいけない。それが6になってるとなると何かやってるんです。1か月で6増えたんであれば、1か月で6増える原因が水槽の中にあるので。数値が出てるから、入ってないって言われようがなんか入ってます。
(山田店長)
水質のことかなり今後熱く話せますし、お客様もこれを知っていただいた上で相談してもらうほうがレベルが高い段階での話ができるので「黒髭ゴケが出てます」「他のコケも出てます」「水草がうまく育たない」「水草の色が揚がらない」「気泡がなかなか出ない」とかいろんなことが水質のことと関係してきてますし、石なのか流木なのかとかソイルは何を使っているのかとか水換えの頻度は?とか餌の種類とか餌の量とか、もう言っててキリがないと思うんですけど。pH降下剤を入れてるんですよとか。どんどん出てくる訳ですね。
(篠藤さん)
コメントで「中身なにしてるかによっても全然違うと思うんですけど、pHとかgHがどれくらい上昇したら水換えしたら良いの?」とか気になってる方多いですね。
(三井社長)
gHは基本変わっちゃいけないです。何を飼ってるかによりますけど、水草水槽だったら2ぐらいが良いですね。
(山田店長)
gH2ぐらいを指標にしながら元水にできるだけ近づけていけるようにってことですね。kHも一緒くらいですか?
(三井社長)
kHはpHが上がりやすいか上がりにくいかだけの話です。kHは炭酸塩硬度って書いてあるんで硬度と勘違いするんですよ。これちょっと長くなるので、山田さんにお話しします(笑)
(山田店長)
僕にお話し聞かさしてもらってまた僕から詳しくお話ししたいと思います。
(三井社長)
話してきたのは淡水も海水も共通するお話なので。海水はkHのこと気にされますよね。
(篠藤さん)
そうですね。
(三井社長)
kHはpHを下げにくくするだけのもので、軟水と硬水とは一切関係ないです。kHはpHを下げなくする成分なんです。汚れが入ってくるとこれと中和をしてくれるのでpHが下がりにくくなります。
(山田店長)
逆にkHが高すぎるとpHが下がりにくくて、目標の数値に持っていきにくいからkHが低ければ低いほど目標とする数値に近づけやすいということですね。
(三井社長)
kHって取るの難しいです。難しいと言っても汚れがあればkHは0になります。だからソイルを使ってればほぼ0です。pH5の水槽があったとするとkHいくつだと思いますか?
(山田店長)
分からないですけど、流れ的に0ですか?
(三井社長)
そういうことです。要は消費されたからpHが下がってるんです。pHを上げようとする成分なので。それが中和されて消費されるんです。kHが0になったから下がってきたんです。だからpH低かったらkH低い、pH高かったらkHも高いんだねという程度のレベルで思っとかないとややこしくなります。この水槽はpH下がりにくいんだねとか。そんな悪さする訳ではないです。それがシーソーの端っこに座ってる成分なんです。
これを取らないとpH下がらないんで。多分やられてる方はpHダウンの薬を使って下がったと思って何時間か後に見たらまた上がってるんです。だからそれで入れ続けてものすごい酸性分になったときにやっと下がってるんです。今度はコケ出るのが早いですよ(笑)シーソーの端っこに座ってる成分を取るために生まれたのがソフト6.8です。
あと水道水のpHが「うちは7です」とかいう人は結構多いんですけど、本当に7ではないですよというのも知っとかないといけないです。RpHというのがあるんです。これが本当のpHです。出たての水道水は水道局で基本7ぐらいになるようにしてるので大体7なんです。水の中に二酸化炭素が入っていてその酸でpHも下がってるんです。
(山田店長)
そうか!時間が経てば変わってくるんですね!?
(三井社長)
そのときはエアレーションをするんです。きれいな空気のエアレーションをして二酸化炭素を飛ばします。それがRpHといって本当のpHです。だから「曝気をした後のお水はpHどうですか?」と聞きます。
そうじゃないと地域によって同じでも「うちは7です」「だけど水槽に入れたら8になるんです」それはきっと元がpH8の水道水なんです。
(篠藤さん)
なるほど。じゃあお客さんが家で測って持ってきてくださいって言ったら持ってきてる間にもしかしたら変わってるってことですね。
(山田店長)
確かにたまにあるんですよ。うちのpH計壊れてるのかなとか。「校正したけど何で違うんやろ?」「うちもちゃんと校正したけどね」
っていうことが確かにあります。
(篠藤さん)
「リバースの交換頻度について触れてほしいです。」というコメントが。
(三井社長)
新潟の人だったりすると凄く長いんです。地域によっても全然変わってきます。TDSメーターで見るとすると、リバースを使ってると数値が変わらないんです。切れてくると数値が上がってくるとか。
(山田店長)
TDSメーターである程度リバースの交換頻度を見ていくって感じですね。大体TDSでいうと、指標になる数値はいくつぐらいですか?
(三井社長)
飼うものによって違いますけど、例えば普通の魚を飼っていると20くらい増えたら水換えの目安です。水草水槽だとそこまでなかなかいかないので、10くらいで換えたほうが良いかなとかですね。これもあくまで指標です。
(山田店長)
例えば水道水が80ぐらいだったら100くらいまででカバーできているのが一番ベストっていう意味ですね。
(三井社長)
それも自分の水槽はこのくらいのペースで換えれば良いんだなとか見てもらったりすれば良いかなと。電気を通す物質も通さない物質もあるので、お砂糖なんかいくら溶かしても通さないので数値変わらないんです。だからTDSはこの数値って言ってるのもちょっとおかしいですね。
(山田店長)
そうなんや!砂糖100g入れててもその人はこれだ!!って言ってる訳ですね(笑)
(篠藤さん)
あくまで目安なんですね。
(山田店長)
多分お客さんからしたら明確な数値が欲しいんやと思います。今も三井さんにそういうところも言ってほしかった。でもそうじゃないんやなっていうのが改めて今わかったし、言ってしまったらあかんのやなぐらいの感じで思っちゃいましたね。
これからもいろんなメーカーさん巻き込んでこのトールマン山田、アクアリウムをもっと大いに盛り上げれるように頑張ります。
(三井社長)
お手伝いさせていただければと思います。
(山田店長)
お願いいたします。本当に三井さんありがとうございました。
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