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投資信託の分配金

最近「予想分配金提示型」と呼ばれる投資信託ファンドが人気で、他の資産運用商品やファンドから資金が流入しているようです。

分配金は預貯金の利息と違い、投資信託の運用の結果得られた収益を口数に応じて決算ごとに投資家に分配するお金のことです。
分配金の支払い頻度は「毎月分配型」とか「年一回分配型」などファンドによって様々です。その額も、決算の内容や分配方針によって変化します。

従来の分配型の投資信託は定期的に分配金を受け取れる一方、基準価格が下落してマイナス運用の時でも元本を切り崩して分配金を支払うというデメリットがありました。
また商品販売時にその事を購入者に説明していないケースもあり、金融庁など関係省庁が以前から問題視していました。

「予想分配金提示型」は端的に言えば、分配金の額をあらかじめ購入者に提示して、マイナス運用の場合は分配金を出さないという商品になります。基本的にプラス運用の時だけ分配金を出すので投資元本が傷つきません(ケースにより例外もあります)。
ちょうどコロナ後の株価上昇の流れにも乗ってしっかりと分配金が出ているので、分配金を楽しみながら投資をしたい人にはうってつけとなり資金が流入しているようです。

その一方で従来型の分配金支払型の投資信託は、基準価格下落時の元本切り崩しのデメリットが購入者の間でも浸透してきたようで、最近では資産残高を減らしています。
そしてその受け皿となっているのが予想分配金提示型とも言われていて、こちらは資産残高が増える傾向が続いています。

予想分配金提示型は投資信託の分配金支払時のデメリットを解決したファンドという感もあります。もし目的があって定期的に分配金を受け取る必要があるのならこちらでも良いと思います。

しかし長期的な運用を目指すのであれば、やはり分配金をなるべく支払わないファンドを選ぶことをお勧めします。
分配金を受け取れるのは嬉しいかもしれませんが、一度受け取ってしまった分配金は当然ながら再運用されません。
同じファンドであってもなるべく分配金支払いの頻度が少ないか、ないものを選ぶのが長期運用の基本的な考え方になることに変わりはありません。

参考:毎月決算型で異彩放つ「予想分配金提示型」、資金流入ペース加速、既存ファンドで追加の動き/モーニングスター
https://www.morningstar.co.jp/market/2021/0423/fund_01256.html



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