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映画『PERFECT DAYS』

映画館で一度観た『PERFECT DAYS』をWOWOWで観なおした。
日々公衆トイレの清掃の仕事にいそしむ゙、古いアパートで一人暮らしをする初老の男、平山。
毎日、昼食を摂る神社のベンチで境内の木々の木漏れ日をフィルムカメラで撮る、木々の種から芽吹いた苗木を持ち帰り部屋で育てる、寝る前に古本屋で買った文庫本を読む、そんなことをささやかな楽しみに、日々穏やかに暮らしている。
そんな日常に起きる出来事を通して、人生の幸せとは何かを問う作品。
平山を演じる役所広司さんの感情表現が心に沁み、共感を覚える。
同じことの繰り返しのような毎日。でも、本当は、今日は昨日とは違う新しい日。そんな毎日を楽しむことのできる平山の感性と生活感が心に刺さりまくった。
たぶん、自分が初老の一人暮らしになったからなのだと思う。
今年観た中でも印象深い映画の1本。
監督はヴィム・ヴェンダース。『パリ、テキサス』、『ベルリン天使の詩』など、若い頃に観た時は、ただ新鮮な面白さしか覚えなかったが、この歳になってようやく彼の作品をより深く味わえるようになった。

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