ショートストーリー　大豆サラダ

少量のマヨネーズが、大豆のコクとマイルドに合わさる。
キュウリと人参は、歯応えと香りを添えて、私を満足させてくれた。

綺麗になりたいなら大豆製品を食べると良い。
ファッション雑誌に書いてあった見出しに惹かれて、豆乳や納豆、豆腐とあらゆる大豆製品を試す。
それもこれも来たる夏のため。
半袖もノースリーブもワンピースも可愛く、綺麗に着たいがため。

誰のためでもないけれど、可愛い夏のお嬢さんに憧れるくらいは許して欲しい。
日課のランニングから帰ったあとの夕飯は、格別に美味しい。
ビールはずっとお預けだけど、一日一日細胞が美しく変わっていっていることを想像して食べるご飯は良いものだ。

いただきます。
と手を合わせると、二の腕が揺れる。
この揺れも3ヶ月後には、姿を消していると思えば儚くて可愛らしくみえる。
大豆サラダを味わいながら、二の腕の肉を摘んだ。