ショートストーリー ゴボウサラダ

木の枝を食べてる。
そんな感覚が嫌いじゃない。
だって美味しいし。

ゴボウが好きだと言うと、変な目で見られる。
ゴボウが苦手な人からは、木の枝とまで表現されて、思わず納得してしまったこともある。
それでも、美味しいと思う。
特に、マヨネーズに絡まったゴボウサラダは格別。
畑の野生的な匂いがマヨネーズに包まれて、下手くそなオシャレをしたような可愛げが好き。
その可愛げは、俺の彼女にも通ずる。

逆美女と野獣と評される俺達カップルは、つまりそういうこと。
美形な俺と芋臭い彼女。
誰もが釣り合わないと言うけど、そうは思わない。
研究室に籠もってラットの世話をする彼女が、苦手なオシャレをしてデートに付き合ってくれるのは可愛すぎるし。
俺がプレゼントしたネックレスとか付けてくるとか、ピュアすぎて悶える。
俺も彼女の大学での研究を半分くらいは理解しようと、理系の本を読んでいるところだ。
(まずは化学式を覚え直すところからだけど)
まだまだ、彼女が何言ってるか分からない時もあるし、彼女が首を傾げてる時もある。
でも、互いの興味を擦り合わせるのは楽しい。

野生的なゴボウとチャラいマヨネーズが歩み寄ったんだから、俺達だって大丈夫。
彼女が何言ってるかは、半分も分かんないけど。

沢山の記事の中から読んで頂いて光栄に思います! 資金は作家活動のための勉強(本など資料集め)の源とさせて頂きます。