【おひとりさま】ついに見つけた、理想の曲げわっぱ
お弁当箱。日本文化が海外に輸出されたなかでも独自コンテンツといえばお弁当文化でしょう。もちろん海外の文化でも外出先でのランチなど携帯することはありますが、サンドイッチやリンゴなどを紙袋にいれて持っていくのが主流。
今でこそ海外でもジップロックコンテナーでランチを外出先に持って行く人が増えていますが、食べ物を詰める専用の「お弁当箱」文化の日本の影響が大きいのではと思います。
ところで、みなさん、お弁当箱って持ってます?
幼稚園時代から成長に合わせた自分専用のお弁当箱は今までに持っていた人の方が多いのでは。まさに日本人の生活にはお弁当箱はなくてはならないもの。
私も御多分に洩れず、子供の頃はアルミのお弁当箱でしたが、最近までパッキン入りのプラスチック製のお弁当を使っていました。
でも、最近ふとしたことから「曲げわっぱ弁当箱がほしー!」と思ったのです。
最近の脱プラスチックのSDGsを考えて・・ってこともあるんでしょうけれど、何よりホラ、木製の曲げわっぱって・・そそるでしょう?おいしそうでしょう?
欲しいよなあ・・と思っていたそんな時にSNSで見つけてこの本を買ってしまった日には、ズキューンと心が打ち抜かれてしまって。
こちらのお弁当写真のおいしそうなこと。「やっぱり、お弁当といったら曲げわっぱだよな」って。なっちゃったんですよね。
でも、曲げわっぱは天然の木材を利用した自然素材。蓋だって木だからビタっと閉まらない。それによくカビたなんてこわい話も聞きます。美味しそうなお弁当になるなら曲げわっぱは欲しいけれど、パッキン入りのプラスチック製お弁当箱に慣れ親しんできたわたしに扱えるものなのだろうか。。
テーブルコーディネーターとしての知識として、曲げわっぱを使うメリットはこちら。
木(主に曲げやすい杉材)の香りがお弁当気分を盛り上げる(ただしウレタン塗装の場合はほとんど香らない)
軽い
なんといってもビジュアル的に何を詰めても「美味しそう」に見える
日本の作家さんや漆器店で購入した場合、修理対応してもらえる
デメリットとしては
天然製品のため扱いが難しい(カビる、割れる、欠ける、熱いまま蓋すると蓋が反る)
特に無塗装の場合は扱いの難易度が格段に上がる
蓋が密着しない(汁物はキケン!)
電子レンジ使用不可(木なのでレンチンすると発火したり焦げるので絶対NG)
曲げわっぱ弁当自体は全国各地で作られていても、最近は職人が減少していること。そして何より原材料の木材は中国が産地で漆や成形を日本で行われているものが主流、と聞き、これはいかんなと思ったのです。
どうせ手に入れるのであれば、日本の曲げわっぱ業界を応援する意味でも、国産材の杉か檜、そして日本の職人さんの手による曲げわっぱを手に入れたい・・!と考えるに至ったのです。
ところで、曲げわっぱ弁当箱を語る上で大事なこと、それは仕上げの塗装。
仕上げには大きく
・無塗装(何も塗らない、白木のまま)
・ウレタン塗装(クリア塗装とも呼ばれ白木のままの見栄えで水や油をはじくが、木が呼吸できないため木の香りがしない)
・漆(日本に古くから伝わる伝統的な仕上げ塗装で、漆を塗るとこげ茶色になる。ウレタン塗装と同じく水や油をはじく)
などがあります。
曲げわっぱ初心者には無塗装はキケンすぎます。わたしには白木の美しい曲げわっぱをカビさせる自信しかない。
ウレタン塗装は木本来の良さを消してしまう(きれいな見た目だけどね)。
・・・となると、漆か。でも、漆も技法によってはウレタン塗装と同じく、木が呼吸しないので、漆の中でも「拭き漆」という軽めに漆を拭く仕上げがいいという結論に達しました。拭き漆であれば、そこまで漆を厚く塗らないため、木が呼吸しているけどある程度水や油をはじいてくれるというまさにハイブリッド型のタイプになるのです。
さて、どんな曲げわっぱがいいかな・・・ とさまざまなサイトを見て発見したのが、こちら。福岡県糸島市の杉の工房、杉の木クラフトさんのお弁当箱です。
ついに見つけたー!と大喜びでポチ。わたしが杉の木クラフトさんで購入した理由は以下です。
地産地消をモットーに、国産の杉材で作られている製品であること(職人さん、応援してます!)
拭き漆という技法を使って、杉の特徴を活かしつつ水や油に強いハイブリッド型であること
無骨だけど洗練されたレクタングルデザイン(曲げわっぱ業界では唯一無二のデザイン!)
工房の作家さんの一点ものなのに、お値段も比較的リーズナブルで手を出しやすい価格帯であること
購入した翌日から、お弁当を作るのが楽しみになりましたよ。今のところ蓋をしてから念の為に輪ゴムで留めているせいか汁漏れもなく、快適。また、ご飯の余熱が下がってから蓋をすれば反ることもありません。
お昼時にお弁当の蓋をあけてふんわりと香る、杉の香りとご飯の香りのハーモニー。命ある木を大切に、動物や植物の命をわけていただいて生きていることを忘れずに、丁寧に生きていきたいものです。
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