好かれるよりも嫌われない

嫌なことをしない接客術!「好かれる」ためには「嫌われない」ことが重要な科学的理由!

「お探しのものがあれば、サイズ出しますからね!」

・・・ああ、またか。

「良いものがないかなー、と見に来ただけなので、大丈夫です」
少しうんざりしながら、返事を返す。

なぜ静かに買い物をさせてくれないのだろう?
なぜお客様は説明を求めていると思っているのだろうう?
なぜ声をかけることが正しい接客だと思っているのだろう?

疑問は尽きない。

僕は非常に内気な人間なので、この「声がけ」が嫌だからお店に寄らない事が多々あります。

そして、冷静に考えてみたら、これは大きな損失ですよね。売り上げのためを思ってやっていることが真逆の成果を生んでいる。なかなかに残念な事態です。

そして、こんな経験はあなたにもあるんじゃないでしょうか。

求めてもいないのに、やたら声を掛けてくる店員。
フランクでいいのに、過剰にへりくだった言葉遣い。
聞いてもいないのに、他店の悪口を吹き込んでくるスタッフ。

一つくらいは思い当たる節があるでしょう。
もしあなたが店員だとして、こんな接客の始め方をしてしまったら、後々挽回するのは至難の技です。

そこで今回は、こういった印象を与えないための技術を紹介します。

動画版も見てね!

▶最初に嫌われてしまうと話を聞いてもらえない◀

初頭効果とバイアス

こんにちは。こばとーんです!

接客術を勉強しようとすると、まず、疲れるための方法とか、上手に話すテクニック、説得の技法、こういったものを勉強しがちです。

つまり、今よりも印象を良くするための技術

ところが、本当に効果が高い方法は『嫌われないこと』なんですよ。

この事実を知らないと、プラスに働くと思っているテクニックが裏目に出ることすらあるんです。是非、押さえておきましょう。

たとえば、人には初頭効果というものがあります。

言ってみれば、第1印象のようなものです。そして、その後の印象はどうしても第1印象の影響を受けるもの。

つまり、最初の一瞬で嫌われてしまうと後でどれだけ頑張ってもなかなか認めてもらえないというわけです。

ぜひ、今回の内容を理解して第一印象で損をする事態を避けましょう!

▶突かれる理由よりも、嫌われる理由の方が多い◀

嫌われる時はいつも理不尽

あなたの嫌いな人を1人思い浮かべてください。そして、その人の嫌いな部分を一つ挙げてみましょう。

嫌いな人がいなければ、ネット見かけた悪口でもいいです。思い浮かべてみましょう。

どうですか?
おそらく、かなり理不尽な内容になったのではないでしょうか。

喋り方が気に食わない
目付きが悪い
口が曲がっている

色々な理由で人を嫌っているはずです。

今度は反対に気に入ってる人を思い浮かべて、その特徴を挙げてみましょう。

優しい
親切
腰が低い

大体こんなところに落ち着くはず。

そう。実は人を好む理由に対して人を嫌う理由はくらべものにならないぐらい種類が多いんです。

ですが、反対を言えば、嫌われる原因さえ防ぐことができればかなり多くの人に好かれるきっかけを作ることができます。

▶嫌いな理由はほとんど間違い◀

人間はこじつけで理由を作っている

じゃあ、嫌われる理由を一つずつ潰していけばいいのか?

それは大きな間違いです。

実はほとんどの人は正しく「他人を嫌いな理由」が把握できていません。

嫌いのきっかけは、違和感不快感、です。

なんだか気に食わない
話し方が何か引っかかる
スムーズに対応できない

こんな違和感から不快感を覚えているわけです。

そして、その感情に理由を付けるために原因をこじつけている。

このイラつきの原因は何だろう? よく見てみると、目付きが悪いな。そうか、私はこいつの目つきが嫌いなんだ。

といった感じで、本当の原因とは違う部分でこじつけをして、嫌いな理由を作っているんです。

この現象を、心理学的には認知的不協和の解消と言います。

つまり、嫌われる理由とはそこまで多くなく、違和感や不快感といったものさえとり払えればほとんどの理由が消滅するんです。

そこを心理学的にわかっている範囲で調整しようというわけ。

嫌われるリスクさえ取り払ってしまえば、好かれるためのテクニックを十分に利用することが可能になります。

だからこそ、好かれようとするよりも先に、嫌われないようにすることの方が大切というわけです。

では、次に嫌われる具体的な原因を見ていきましょう。

▶好かれようとするほど人に嫌われる不思議◀

裏目に出てしまっていますよ、そりゃ

ユトレヒト大学の研究では、嫌われる理由をいくつかに分類してくれています。

Impression mismanagement: People as inept self‐presenters

しかし、その裏にはある共通した一点が存在するんです。

それは「好かれるために自分を盛る行為」

なんとも残酷な事実ですが、気に入られようとしてやっていることが評価を下げている現実が存在するんです。

この事実に気付かないと大変。好かれようとどんどん繰り返す行為が相手の敵を積み重ねてしまうことになります。誰しもが、これは避けたいところですよね。

一つ分かりやすい例を挙げましょう。

▶自慢話のパラドックス◀

スネ夫は嫌われる

分かりやすい例えが自慢話。

相手が欲しがってもいないのに突然自分の自慢話を始める。そりゃ嫌われますよね。

でも、意外なほどに、営業の場面では自慢話をしてしまっているんです。

たとえば、

「この商品の特徴は〜〜〜〜」

って聞かれてもいないのに話していませんか?

相手が望んでもいないのに、商品の長所を押し付ける。これは1種の自慢です。

聞いている相手には

だから何だって言うんだよ。
あーあー、すごいですねー。

そんな印象しか与えません。

思い出してみてください。
冒頭で紹介した店員も僕が求めていないのに突然「サイズ出しますよ」と言っていませんか?

そうです。商品の良さも分かっていないのに、当然のように「試着する前提」でおすすめしてくる。これは「うちの商品すごいでしょう」っていう自慢話と同じなんです。

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コラム:みんなに好かれるなんて不可能
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どれだけ心理学的にすごい技術を持っていたとしても万人から好かれることはできません。

歴史を振り返ってみても、キリストやブッタやガンジーという聖人ですらアンチがいるんです。なので、ある意味当然と言えますよね。嫌われないことはほぼ不可能です。

ただし、嫌われる人数を少なくすることはできます。

2対6対2の法則をご存じですか?

ざっくり説明すると「この世の物事は2対6対2の割合に収まるよねー」といった法則です。

対人関係なら、こういう感じ。

10人聴衆がいれば2人はあなたのことを無条件で気に入ってくれます。
しかし2人はあなたのことを何をやっても嫌いになってしまうでしょう。
そして、残りの6割はあなたのことを何とも思っていない人です。

何となく分かりましたか?

ただし、これは普通に立ち振る舞った場合の例。

効果的な対人技術を用いた場合には、比率が変わってくるんです。

どちらでもないと答えていた人にある程度好かれるために、そして嫌ってくる人の半分位にも嫌われないために使う技術が対人技術というわけです。

身につけた技術が最大限発揮されれば、9割ぐらいの人から好かれることが可能になるでしょう。

そうなればもはや勝ったも同然。会社の同僚を抜き去り、上司にも大きな顔ができること間違いなしです。

・・・ただ、そうしたいかどうかは別ですが(笑)
くれぐれも自慢にはご注意を。。。

-------予告------

次回はもう少し具体的に嫌われる行為を掘り下げていきます! 乞うご期待!

LINE@で質問など受け付けております。

お気軽にどうぞ!

ではまた次回!バイバイ!

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