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百物語 第五十一夜~第六十夜

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百物語 第五十一夜から第六十夜までをまとめたマガジンです。
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#民間伝承

百物語 第五十三夜

東北のある町に赴任していた頃の話だ。
その町は由緒ある行事から、馬を神聖な動物としていた。

赴任先での生活に慣れはじめた頃、
数えるほどしかないこの町にあるスナックへと入った。

飛び込みで、しかもひとりで来る客はめずらしいのか、
少々警戒されているようであったが、それでも常連客らしき男が
話しかけてきてくれて、うまく店に馴染むことができた。

いい歳をしてオカルト好きな私は、
常連客の男にずっ

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