不完全とか未完成とか
歳を重ねるにつれて、不完全なものを愛でるようになってきました。
汚れ、経年変化、いびつさ。それはネガティブなものではなく、大らかさを与えてくれるもの。
今住んでいる家は中古の築30年。
新築の今っぽさや綺麗さはなく、古民家というほど古くもない。
その中途半端さが今の私にはちょうど良いのです。
自分が中途半端な人間だとずっと思ってきたけれど、この家はそんな私を丸ごと肯定してくれる器の広さがあります。
これは下駄箱横の棚を整理したときの写真。
トタンや紙箱や木箱やかご。家にあるものでどうにかこうにかしています。
私は統一感やバランスを想定して収納を買い足すことが苦手で、その都度手ごろなものですませようとするため、ごちゃついてしまう。
統一感のある家ではなく、古さと新しさが変な具合に混雑しているけれど、なんだか私らしくてお似合いな気がします。
なんてったって、掃除や整理整頓は好きだけれど、まめではない私。
気合いが入ったときでないときちんとしません。
でもこの家はもともとどこかが汚れたり壊れたりしていて、多少のキズや汚れなんてへっちゃらなのです。
子どもが暴れ回っても、まあいいか、で落ち着けることが何より嬉しい。
築浅のマンションに住んでいたときはいちいち気にして、張りつめていたから。
この花瓶はワイナリーの売店で一目惚れしたもの。茨城農芸学院の方が信楽土で作った一点ものです。
いびつさがあるけれど、そのいびつさが気に入って即購入。
どこを正面にするかで形がまったく変わるので、いろんな表情を楽しめます。
お気に入りの真鍮の表札も、メルカリで購入した中古のもの。「小林」というメジャーな苗字のおかげで良い買い物ができました。
雨風に揉まれていい具合になってきたので、この先の変化も楽しみ。
今の家が大好きです。持ち家ではないのであと何年共にあれるかわからないけれど、この家のように大らかに、少しずつ暮らしを良くしていけたらと思っています。
お読みいただきありがとうございました。 あなたすべてのアクションが私の血となり肉となります。大感謝!