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宮古島に行ってきた(3日目、終)

3日目、俺の旅

朝8時、ホテルにてとりあえず起床したが酒が抜けた感じはしない。
「起きてますか?これから海に行くんですけど…」
連絡があったが、今日はそういえば雨だった気がするし、昨日徹底して泳ぎまくったから今日はやめておいた。
そもそもチェックアウトせねばならんのに酒が抜けてないのだ。

しょうがないのでさんぴん茶を飲みつつ、初日の夜に買ったにもかかわらず辛さがあとを引いてなかなか減らなかった島柿種を食べ暫く横になる。

結局9時半ごろにのそのそ宿を出て、荷物を友人に預かってもらい、雨が降ったり止んだりの中のそのそと街に出ていく。
今日の目的は多良川の酒造所見学なのだが、如何せん移動の脚がない。
GoogleMapで調べてもバスは1時間半先までないし、見学ツアーの時間と致命的に噛み合っていない。
仕方ないのでタクシーを呼んで移動することにした。

…ていうか、宮古島ってDiDiは使えるんだ…
まあ自分用のお土産Tシャツを諦めればぼちぼち良いであろう。

流石にタクシーは早かったです

ということで、宮古島の逆側にある多良川酒造へ。
昨日さんざん飲んだ多良川の産地である。
一人客なので(≒運転手と認知されている)お酒は出なかったが、原料としている水を飲みながら、商品を見たり説明ビデオなどを見て過ごす。
黒霧島で使われてる黒麹って沖縄由来なんだ…

ここが源流となった水

多良川とはいうが、実際のところ川は「井戸」の意の方言に対する当て字であるそうだ。
およそお酒と水は切っても切れない間柄で、水がきれいな場所には必ず酒がある。

子供のヤシガニ。見かけるのは珍しいそうだ

野道を歩いて向かうのは、古酒を保管している洞窟である。
多少手は加えているが、もともとこの地にあった天然の洞窟をそのまま利用しているのだそうだ。


無数の古酒が保管してある

かつて宮古島はオリックスのキャンプ地だった縁で、ここには縁の古酒かめも保管されていた。

仰木監督が遺したかめ
こちらは谷、左は清原らしい

仰木監督は西武ファンにとって基本敵将ではあったが、(西鉄は出身でコーチもしている)
パ・リーグのファンとしては名将と呼んで異論はないところだと思う。
最後に指揮を取ったのが西武戦であり、ベンチから出るのに使う階段を登るのも既に苦しい体調だったので、外野の中央口から出て車で帰っていったと言われる。
その年の冬に監督はなくなった。
死後、奥様がこのかめを酒造所に寄付したというが、開けられる日は来るのだろうか。
(ちなみに、ベンチ裏の階段は近年中エスカレーターに改装された)

多良川の建物

この洞窟には大小さまざまな古酒が置かれており、
我々でも数万程度で入れられるものだ。
例えば子供の成人祝用に、予め買っておいておいたり、自らの結婚祝いのために奥様のためにおいておいたりする南キャンの山ちゃんがいたりするらしい。
中には震災やコロナ禍で学校へ通えなかった子どもたちのために、社長自ら企画を立ち上げて成人まで古酒を眠らせておいたものもある。
飲む側の我々は古酒となるといつも過去を見てしまうものだが、作る側はいつも未来を見ているのだ。
こうして広く見学を募っているあたりを含めても、泡盛を通して地元を支えている誇りを強く感じさせられるツアーだった。

これはうまい、泡盛ベースのミルクとコーヒーのリキュール


お土産代わりに買った多良川

ところで帰り道、バスがまるで無いことに気づいた。
いや、Google Mapはバスがあると言っていたのだ。
だがそれは嘘だったのだ。
月曜から土曜は走っていないバスを表示していたのだ。
思えばタクシーの運転手さんも「帰りは大丈夫ですか?」と確認してくれている。
間が悪いことに、時刻表で暇な時間の間に多良川のある砂川エリアから大分北に歩いてきてしまっていた。
Google MapのDiDiは「3分で来ます!」というが3分経っても予約すら通らないじゃねえか。

結果、
時に背よりも頭ひとつ高いサトウキビの側を、
時にビタビタと叩きつける雨の中を、
時に整備されていない泥だらけの歩道を、
時に照りつける太陽の中を、
2時間ほど歩いて初日に寄ったドンキまで戻ってきた。
ハッキリ言って非効率だが、こういう力技を通して初めて、誰かとの旅でなく俺の旅になったと言えるのかもしれない。

A&Wから帰途へつく

ドンキ前からバスでA&W前に戻って来た。
ちなみにバス停の名前は本当に「ドンキホーテ前」「A&W前」である。

いよいよエンダーにやって来た

ちょうど初日のスーパーで念のためチャージしたEdyが1000円分余っていたので、これでハンバーガーとポテトと飲み物を買った。
飲み物はもちろんルートビアだ。


ジョッキでルートビアだ!!!


エンダーのキャラ「グレートルートベア」


ティーンバーガー
ポテトはカリッとしている

もう思い残すことはない。
しかし、この旅でまさか1杯しかルートビアを飲めないとは…

ひとしきり満足したところで、荷物を引き上げ宮古空港へ向かう。
空港ではお土産を買ったが、とかく推されまくっているのが宮古島まもる君一族だ。

彼は宮古島みつおくんである

たしかにこの旅の間でも何度となくシリーズを見かけている。
活動は飲酒運転や特殊詐欺の防止啓発など、様々あるようだ。
雪塩、ハイビスカス、イモ、泡盛をぶっちぎってあらゆるところに顔を出す彼ら…
まあ宮古島ならではといえばそうなんだが。

ちなみにミキも宮古島で生産している


最後はやはり宮古そばとコーレーグースー

帰りはANA便でたっぷりコンテンツも用意されていたのだが、結局疲れ切って寝てしまった。
全身日焼けするほど強い日差しを受けていた宮古島から、既に冬の香りが漂う東京歌舞伎町へ。

そして結局いつものバーで飲む

数時間前には宮古島の雨に打たれていたと思うと、
不思議な気持ちになる。
だがこの街に帰ってきてホッとしたのも事実だ。

そして今日、買い物に行って思ったが、
やっぱり旅先のコンビニやスーパーは何くれとなく面白い、家の周りは面白みがない、と。
これはやはり遠からず、またフーテンの寅のように旅に出るのだろう、と何となく思った。

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