娘 ごめんなさいする という判断

その日、娘は朝からぐずついていた。
なんだか機嫌が悪い。
最近そんな日が増えてきたように思う。
これも成長なんだろうけど、ちょっと大変。

晩御飯。
あれやこれや文句を言ってなかなか食べない。
こんな日は、僕は注意をする役、妻はとりなす役になる。
ちょっと食べてはタオルを畳んでみたり、
フォークをカタカタしてみたり、
ちょっと噛んではおしゃべりしたり、
時間をかけて食べる。
そんな中、これを食べて、食べないで、「お母さんと遊ばなーい」と娘、
保育園の帰りは「お父さんと遊ばなーい」だった。
さすがに妻もイライラし始めている。

その後シャワーに。
服を脱ぐ、脱がないで娘が妻ともめる。
娘は動こうとしない、脱衣所で寝転ぶ。
服を脱ぐから立って、と繰り返しても無視。
妻がちょっと怒りながら脱がせる。
脱ぎ終わって、それが嫌だったと娘が言い出す。
服を着なおして自分で脱ぐ。

今日はてんやわんやだ。

シャワーからは僕が対応。
頭からシャワーをかけていると、娘の空気感が少し変わる。
そこで、
「娘はお母さんにお願いを聞いてほしいよね」
「お願いを聞いてくれる優しいお母さんがいいよね」
「お母さんも同じで、娘にお願いを聞いてほしいと思っているんだよ」
と話す。
返事はしないけど聞いていることは分かる。
そのあと体をふいて、ドライヤーをして、保湿して、
シャツを着る時になったら、
「自分で着るんだよー」と娘。
保湿でぺたぺただから普段は手伝うところ、今日は頑張る。
なんかわかったのかしら。

これにて一件落着。

となるわけもなく。

寝る前の歯磨きでまたもめる。
娘が素直に準備せず、持っていた柄付のフロスをわざと遠くに投げた。
さすがに妻が怒って、「とってきなさい」
娘はわざと無視して遊ぶ。
そんなこんな。

もめにもめる中、娘は「トイレ」と。
普段ならお母さんと行くか自分で行くのに、
この時は「お父さんと行くー」。
お父さんとは遊ばないんじゃないんかい、とは言わず。

トイレの前で娘に話してみる。
父「お願いを聞いてくれる優しいお母さんがいいんだよね」
娘「お願い聞かなくていいもーん」
父「じゃあお父さんも聞かない、1人でトイレして」
娘ちょっと考える。
娘「お願い聞いてほいしい」
父「わかった、いいよ」
父「それで娘はお母さんのお願いを聞いてあげないの?」

聞いた娘、一瞬考えて。

「お母さんに ごめんなさいしてくる」と言った。

正直驚いた。
いいこと、悪いこと、そういったことはだいぶ分かるようになったけど、
自分の行動を振り返って、謝るべきだと判断できた。
子供って本当に急に成長する。

娘は元気よくお母さんのところに行って「ごめんなさい」
妻も「きつく言っちゃったね、ごめんなさい」
「お互い謝ったね、二人は仲良しだね」と僕。

その後は寝かしつけまでみんな仲良くスムーズでした。

めでたしめでたし。
それからは家族仲良く暮らしましたとさ。


とはならない。


その後、
もちろん色々もめてます。
同じように話しかけても同じように解決することはありません。

あの時の解決はあの時の話。

子育ては毎日がオートクチュール。

ただ願わくば、
ご要望をもう少しはっきりお伝えいただきたい。
それが叶わぬとも、
せめて無視はしないでいただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?