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FOMC パウエル議長会見の要約(2023年6月)

2023年6月14日のFOMCでは、利上げが見送られ、政策金利は5.00%~5.25%で据え置かれました。
このnoteでは、政策金利発表後に行われた、パウエル議長の記者会見の内容をまとめています。

冒頭スピーチ

目標と課題
雇用の最大化と物価安定という二つの任務に焦点を当てている。高インフレがもたらす困難を理解し、インフレを2%の目標に戻すことに強くコミットする。特に物価の安定がなければ、強い労働市場を持続させることはできない。

金融政策の調整
昨年初めから、金融引き締めを続けてきた。政策金利を5%引き上げ、証券保有を大幅に減らし続けた。しかしその完全な影響はまだ感じられていない。

経済状況の概観
米国経済は昨年大幅に減速したが、消費者支出の成長が加速し、住宅市場は引き続き弱い。金利の上昇による業績の低迷も、企業の設備投資を圧迫しているようにみられる。

労働市場の動向
労働市場は非常に引き締まっており、過去3ヶ月間で月平均28万3000件の雇用が増加した。失業率は僅かに上昇したが、依然として低いレベルである。

インフレーション
インフレは、2%の目標を大幅に上回っている。しかし、一方で長期のインフレ期待は安定している。

金融政策の現状と将来的な方針
金融政策が経済に及ぼす影響、信用締め付けからの潜在的な逆風を考慮し、今回は政策金利を据え置くことを決定した。ただし、ほとんど全ての参加者は、今後も金利の変更が必要と考えている。

総括
高インフレの困難を理解し、雇用の最大化と物価安定の目標を達成するために必要なすべてを行う。

質疑応答

質問
政策金利の引き上げを待つことが逆効果にならないと確信する根拠は何ですか?不動産は一部地域で回復が見られ、金融コンディションも緩和しています。
回答
我々は政策金利を引き上げ始めたとき、引き上げる速度、到達すべきレート、そして期間という3つの課題に対処する必要があることを明確にしました。まず私たちは、速いペースで金利を大幅に引き上げ、その後引き上げのペースを緩めました。今、我々が重視しているのは、2%のインフレ目標を達成するために必要な追加政策の強化の範囲を決定することです。つまり、引き上げペースと最終的な到達レベルは別問題です。 金利を緩やかなペースで引き上げることは理にかなっているかもしれません。なお、この会合では金利を維持することを選択しましたが、それは現時点における結論であり、次回の会合についての決定は行っていません。

質問
7月の会合についての議論は追加で行われましたか?
回答
7月についての決定はまだ行っていません。会議中には何度か話題に上がりましたが、今回の会合で何をすべきかに焦点を当てていました。

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