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朗読・二葉亭四迷『浮雲』④第一編 第ニ回 恋の初峰入 上-2

ほぼ週一ペースで日本の著作権切れの作品を朗読しています。

今回は『浮雲』4回目。
作中では第一編第二回の、長いのでこれを2つに分けた後半です。

【これまでの『浮雲』】

③の第一編第二回では痩せて背の高い男、内海文三と彼を囲む周囲の人物紹介がありました。

この第二回はこれまでのところ人物紹介に終始しています。
どうやらもう一人重要人物がいるようで。。

【朗読】

第一編 第二回 -2(長いので2回に分けました)
風変わりな恋の初峰入はつみねいり上の後半です

BGM: MusMusさん
活字で全部読んでみたい方は青空文庫さんや本屋さんでどうぞ!

【語彙】

寒暄かんけんの挨拶: 暄は暖かいの意。時候のあいさつ
いけ年をつかまつっても: いい年しても
軽躁者おいそれもの: 軽率な者
なまよみの甲斐:
「なまよみ」は甲斐の枕詞
虚有縹緲きょうひょうびょう:
ぼうっとしてる様子
束髪そくはつ:
 日本髪に対しての洋風の髪形 (色々ある)
太平楽たいへいらく好き勝手な言動
瓊葩綉葉けいはいしゅうよう: 美しい花と葉
和気香風かきこうふう: 穏やかな天気で良い香りがする
臥榻がとう: 寝床
卯の花くだし: 旧暦4月(卯月)に卯の花を腐らせるような長雨
意馬いば: 走る馬のように心の動きが激しいこと

【あとがき】

今回は第二回の後半。
第二回はほぼ人物紹介でしたが、最後の方で文三のおせいに対する恋心が描かれていましたね。

少し登場人物を整理しましょう。
背の高い痩せた男は内海うつみ文三ぶんぞう
どうやらこのお話の主人公のようです。
勉強は出来るが幼い頃に父を亡くし、苦労してきたことが描かれていました。

文三が大きくなり、東京の叔父園田孫兵衛まごべえの元に厄介になります。
叔父の家は叔母のまさ、娘のせい、息子のいさみの四人家族。
勇は学校の宿舎に居て一緒には暮らしていないとか。

一つ屋根の下。
若い男女が毎日顔を合わせて暮らせば、当然といえば当然か。
お勢に対して「沿いたいのじゃ」という妄想の蛇に憑りつかれ苦しむ多感なお年頃の文三。
ひとり悶々としてのたうち回るシャイボーイ。

甘酸っぱい!
こっちまで恥ずかしくなる!

というところで続きはまた来週。
良かったらまたお付き合いください。


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