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ポット夫人になる目標

30歳になって、何だかもういよいよ大人だって気がして、これまでと同じ考え方ややり方では幼いのかなって感じはじめた。

少し前の私は、一応大人として社会人になったのに、子どもみたいに「頑張ってるね」と褒められることをどこか目的にしていた。

率先して動くこと、真面目に取り組むことで、「誰かが見ていて認めてくれる」なんて思っていた。
おとぎ話のプリンセスが、ロマンスの前に必ず下働きをしているように。

で、実際にそうで、上司や先輩はそんな私を褒めてくれた。


だけど、周りが本当に求めているのは「私頑張ってるよね?」って認めてほしくて無理している人じゃない。
「お疲れさま」と労ってくれるような人。誰だって、どっちかっていうと相手がプリンセスになるより自分がプリンセスになりたい。


私はもうそろそろ、魔法でドレスを着せてあげるフェアリーゴットマザーや、いい歌でダンスシーンを演出できるポット夫人にならなければいけないなと思う。

これまでの職場で、好きだなと思った先輩たちはみんなそうだったから。
悩んでいたら声をかけてくれたり、デスクにそっとプレゼントを置いてくれたり、帰ってからメールをくれたり。

休むときは休んで自分をしっかりメンテナンスしながら、仕事もするけどお喋りもバランスよくして、周りの空気をぱっと華やかにしてくれる人。フラットに見渡して、みんなに気付かれずに頑張っている人を、照らして安心させてあげられるような人。

そういう人になりたいなぁと思う。私はかなり自分自分っていう気持ちが強い、という自覚がある。だから時間がかかりそうだけど……。
40歳くらいまでになれてたらいいな。
めざせポット夫人。


#エッセイ

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