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はじまり

なんでブログなんか書くんだろうね。

どういった文脈だったかは覚えていない。当時学生だった私はおそらく小馬鹿にしたようなニュアンスを含めて言ったのだと思う。

自分を俯瞰したいからじゃないすか。

と、2学年後輩の彼はさらりと答えた。
映画が好きで自主制作で作品をつくったりもしているような人だった。
好きな女優がいっしょで話をするようになったんだったか…。あまり覚えていないが、ブログを書くことについて、あまりにも当然のように、自明のことのように答えたのは覚えている。
そっか。なるほど。
私もその答えにただそう思い、それ以上でもそれ以下でもなく、ただ納得した。

あらためて思い返すとあれから15年くらいは経っている。

当時のブログに対する印象は、生活を見栄え良く切り売りして他人から良いように見られたいとか、アフィリエイトで収入を得たいとかいった目的でやっているんだろうなと思っていた。中にはおもしろい文章を書く人もいるのだろうけど、私はそんなブログには出会わなかった。というかじっくり読むということをしていない。
もちろんそれから私がブログを書いたりしたかというとそんなことはなく、日記も文章も書いていない。

ただ毎日何かを経験して積み重ねているはずなのに、かたちに残していないと無かったことと同じ気がして少々悔しいとも思っていた。それは今の生活を有意義であると肯定したいというちょっとした見栄が私の中にあるからでもある。いったい誰に見栄を張るというのか。そして後から見返して自分の足場を確かめたいような。つまり俯瞰したいのだ。

なにかと言い訳がましいが、そんなわけでnoteを始めてみようと思う。
言葉にして残すというのは少し怖さもあるけれど、どうせ私の生活や呟きなど他人から見れば所詮はフィクションと同じだろう。

先述の彼は今はどこで何をやっているのか知らない。深夜までだらだらと飲みながら持論を聞かされるのは大変面倒くさいと思ったが、そんなふうに思いや考えを伝えてもらえるというのはありがたいことだと、今となっては思う。

きのうよりももう少しだけ毎日を言葉で彩る練習を。はじまりはじまり。

#自己紹介 #あの会話をきっかけに

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