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#3 気づき:「試合に出ている子とその親だけが幸せ、でいいのか」

保護者相談想定として

他学年に兄弟がいる保護者や子どもが現時点では成長も早く親目線ではチームでレベルが高いと感じている保護者もいるかもしれない。

だからレギュラーで活躍してほしいし、均等に試合に出すなんてフェアじゃないと思う価値観もあるのかもしれない。
確かに価値観は人それぞれ。
否定せずにコーチ陣の考え方を焦らず知ってもらえるよう努力したい。

子どもたちには可能性しかないから。

年明けから新チームなるため、指導方針のブラッシュアップを行いたい。

以下は、いろいろなことが整理されず、ごちゃ混ぜにされた状態で、自分と子供(親とその子供)のことしか考えずに、ぶつけられた質問を想定している。

まずは、「親自身の昔の体験」と「今のゆとり教育」と「違う競技特性のスポーツ」と「各年代の能力と体力の特性と限界」を一緒に混ぜた上で、今のラグビースクールに当てはめて、見てしまっているのかと。

ラグビーという「競技特性」と「各年代の能力と体力の特性と限界」を、指導者はもとより、保護者の方にも理解してもらう必要があると思う。


<保護者質問:その1>
素朴な疑問を相談です。
「ジュニア世代のチームで、いわゆる一軍二軍的なチーム編成で試合に出るのって一般的に何年生からが良いのですか?」

つまり、私たちオッサン世代の少年時代の部活(ハンドボール経験者)等は、いわゆる練習一生懸命して上手いやつ優先で試合に出て、
まだ下手クソな補欠はさらに一生懸命努力して、上手いやつを抜いてやろう的なスポ根もあって、それはそれで良かったような気もして、
今の◯年生を見てると、どっちが良いのか分からない。

ジュニア世代のチーム編成についての私の迷いについてですが、前提として、
①均等編成
②スキルや経験、成長度合いでチーム編成するいわゆる一軍二軍制

「現時点ではどちらが良い」という主張をしてるというわけではなく、純粋にわからないので教えてください。

現在の小学◯年生は去年まで②(一軍二軍制)、今年は①(均等編成体制)です。

感想としては、それぞれ良し悪しあって、敢えて、時系列的に②について先に述べます。 

昨年のある大会
②は強くて試合に勝ちまくって、拮抗した試合に勝った時はまるでスラムダンクのワンシーンのようにチーム全体が盛り上がり、感動しました。
ちなみにこの試合は、一軍が前半リードし、後半は二軍がほぼ互角に闘い、みんなで勝利をもぎ取った試合で、子供も親も涙を流した六戦全勝となりました。(学年最終試合)
いわゆる感動体験ができました。

逆に、筑紫丘と2強だった香椎に負けた時は、良い意味で泣くほど悔しがり、次は勝とうと練習に燃えていました。

私は最初②の体制に疑問を持っていたのですが、毎週一軍対二軍のアタックディフェンスを通じて、一年通して結果的に二軍のレベルもかなり上がり、全体が強くなった感はありました。

一軍二軍メンバーの入れ替えも行われ、子供たちの練習意欲は(矢印)だったと感じました。
しかしながら、やはり良くも悪くも緊張感があり多少ギスギスしていて、二軍に落とされて精神的に凹んでしまううちの息子の姿もありました。
でも、それを克服し一軍に戻った息子は一皮剥けた感はありました。
②については以上

難しいテーマで、私も結論は①が良いとは思ってるのですが、疑問点解消しないとスッキリ腑に落ちない。

①の心配な点が、練習を一生懸命する子、しない子も、試合は均等に出れちゃうことです。

・一生懸命練習する子のフラストレーションをどう解消、ケアするか、

・一生懸命しない子の上手くなりたい、真剣に練習しなきゃという気持ちをどう呼び起こすか
という点についてはどう思われますか?

一緒に考えちゃいけないんでしょうが、 
なんとなく、
受験戦争はダメ
→ゆとり教育になる
→ゆとり教育はダメみたいな流れや、
社会体制の「競争のない◯◯主義の失敗、△△主義による貧富の二極化等」についての議論等についても思いを巡らしてしまう。


<回答:その1>
Q1「ジュニア世代のチームで、いわゆる一軍二軍的なチーム編成で試合に出るのって一般的に何年生からが良いのですか?」

スポーツ指導者としての視点
①均等編成
②スキルや経験、成長度合いでチーム編成するいわゆる一軍二軍制
【結論】
①②どちらでも良い。

何が正しいかは正直大人になっても分からないことを前提に
「学習は学習者のものである」
 と言われるが
「ラグビーはラグビーをやっている子供たちのものである」
という視点で3年生コーチ陣は指導に関わっている。

息子さんが3年生まで担当していたコーチ達も子どもたちの指導には真摯に情熱を持っていることには変わりはないと思う。
しかしながら筑紫丘jrの基本方針は①だと認識している。

「①②どちらでも良いが、それがチーム方針や学年毎の指導方針として明確することが必要」と考える。
現3年生は現指導体制では①と説明済。

【現3年生:①の均等編成理由】
筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール指導方針に基づいたコーチングを行っているから。
【3年生は以下のとおり指導目的を設定】
 1. 個人スキルを理解させ、個人スキルの習得を目指す
 2. やや組織的なゲームができる事を目指す
 3. フェアな態度を育てる
 4. ラグビーは相手とのコンタクトが発生するため、子供の安全を最優先する
【練習ポイント抜粋】
※どのようなレベルにおいても、プレーヤーが勝つことを望むのは当然のことである。

 しかし
「勝利を目指すことの価値」 

「勝利のみしか価値がない」
とする考えの違いを十分に理解してもらい、そのうえで課題達成に向かう支援をしたいと考えている。


【筑紫丘RCJSチームスローガン】
1、尊敬と感謝を忘れない  
2、挨拶と返事は大きな声で
3、決まりを守ろう        
4、整理整頓をしよう
5、一つ一つの練習を全力でやろう

【指導に関する共通事項:コーチのきまりごと】
1、交歓会、練習試合は全ての子供を均等に試合に参加させる
2、公式戦でも、出来るだけ多くの子供が参加できるようにする
3、全ての子供にチャンスを与える
4、レフリーに対して尊敬の念を持ち、ジャッジに対して不満を漏らさない
5、コーチ間の間での意見の相違を子供達の前で見せない。またコーチ間で統一する
6、安全を最優先に考える
 ・(逆ヘッドタックル・ヘッドダウン・ハイタックル)をしない、安全な倒れ方の指導を意識する
 ・危険防止のため、ジャッカル・オフロードは指導しない。(スキルとして伝える)
7、体罰の禁止
 ・体罰の定義(文部科学省通達より)
 同じ組織(競技団体、チーム等)で競技活動する物に対して、職務上の地位や人間関係などの組織内の優位性を背景に、指導の適正な範囲を超えて、精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又はその競技活動の環境を悪化させる行為・言動をいう。


現3年生(樋口・中村・松添)は上記を念頭に指導方針を策定し、年間計画・月間計画・毎週の練習計画を行っている。

練習・試合に関しても、上記コーチきまりごと(1,2,3)に基づき全員で均等にグループを分けて実施している。

現4年生が均等になった理由としては、筑紫丘jr指導方針のとおりではないか?

現4年生は、これまでスクール指導方針・学年独自の指導方針・計画などの説明はあったのか?

【個人的な回答】
ジュニア時代(小学生・中学生)に勝利で得られる高揚感も大切。
わたしはジュニアラグビーを経験(6歳~15歳)
小学1年生からラグビースクール通い、小学6年生最後の大会までABCチームのうちCチームにいた。
4年生時のコーチには「おまえは一生Cチームにいろ!」と言われた経験あり。
「どうだ?Cチームの気分は?」と言ってくる当時のAチーム同級生も。

同じような気持ちを息子さんややその仲間に感じてもらいたいですか?
結構残酷ですよ、子どもって。
「ラグビーの技術」や「足の速さ」だけで人格否定しますからね、普段の学校生活を知らないのに。

ジュニア時代の戦績(覚えている情報)

6年生九州大会:長崎ラグビースクール優勝
当時9人制:メンバーは20名程度

小学1年生から活躍していた子供たちが、成長に伴い普通の選手となり、結果として最後の大会にはこれまで活躍する場が少なかった自分のような小学校最後に成長期で身体が大きくなったメンバーで戦い、毎年交歓会をしていた草ケ江ヤングラガーズに圧倒的に勝利。
(草カ江には後の日本代表2名、トップリーガーが数名)

中学3年生九州大会:0-50で草ケ江に完敗

高校3年生:福島国体準決勝で勝利 
その後長崎代表は全国制覇
(ジュニア時代同期6名うち小学生時代のレギュラーは1名)

自分の経験としては、ジュニア時代に活躍していた子の半分くらいはラグビー続けることはなかった。
当時のスクールメンバーで高校最後までラグビーを続けた仲間は数名に。

・計9名
(北陽台4名、長崎北1名、長崎南山3名、長崎南1名)
・大学ラグビー6名
(早稲田2名、明治2名、筑波1名、大阪体育大1名、福大1名)
・高校からラグビーはじめた仲間3名
(筑波1名、青学1名、大阪教育大1名)


<回答:その2>
Q2、「練習を一生懸命する子、しない子も、試合は均等に出れちゃう件」
・一生懸命練習する子のフラストレーションをどう解消、ケアするか
・一生懸命しない子の上手くなりたい、真剣に練習しなきゃという気持ちをどう呼び起こすか
A2
大人でゴルフをされる方は何で道具揃えて、早く起きて練習するのかな?で良いかなあと。
楽しいからではないのでしょうか? 
「試合に出るために練習するのではなく、試合で出来ないことを練習すること。」
これがスポーツの楽しみ方とわたし達は考えている。

コーチやサポートする保護者がプレーする訳ではないので、大人の価値観がそのまま子どもに行かないように長い目で見守りましょう。

少なくとも私はそのやる気を引き出す、導くことのやり方としては高校くらいからで良いと思う。

小学生や中学生で上手い子が、後に身体能力が高く、成長度合いが大きい子に努力で勝てないこともある。

大学ラグビーのセレクターをしている私の考え方は、
「自立している生徒」
「自分の人生に責任持てるような生徒」
を求めている。


子どもたちに対して、やる気がないとわたしは感じることがないので、正直分からないが、そこを上手く導くことがコーチや保護者の役目なのかもしれない。

わたしは貴重な日曜日の午前中に練習に来ただけで凄いねえ!と全員を褒めたい。

<回答:その3>
Q3,
「7人制学年において、生徒がちょうど28人居たとします。」
ある交歓会で4試合あり、A〜Dの4チームに分けて全員公平に1人1試合出場させるとします。
つまり全員同じ時間出場することが大前提。

この場合に、
①A〜Dの力が拮抗するように、各々スキルや経験のレベルが違う子同士を混ぜたチームを編成。
②A〜Dの4段階にスキルや経験レベルで子供達をチーム分けして編成。

出場時間は全員公平ですが、それでもやはり①が望ましいのでしょうか?
小学4年生では行ってないです。
例えば学習塾等では学習進度等に応じてクラス分けしてるイメージがあり、それはある程度合理的な気がする。

ラグビーやスポーツの世界では、あくまで①(均等出場)にこだわったほうが良いとしたら、その理由がまだうまく説明できないので、
教えてほしい。
(誰に説明するのかは聞いてません笑)

A3
松添個人の感覚:筑紫丘ジュニア中学三年生まで見てもレベルの違いを感じない。
多少のレベルがあれど、わたしの感覚であれば評価するレベルにはないと。
それはしょうがないこと。

ジュニアラグビーの時点で、コーチや保護者が評価するステージにはまだ誰もいないと思う。

理由は、彼らは伸びしろしかないから。

もしかしたら今の4年生がそのように保護者が仮に評価しているのであれば、
先ずは保護者のマインドセットが必要。

「試合に出ている子とその親だけが幸せ、でいいのか
https://www.sakaiku.jp/series/ikegami_column/2019/014189.amp_2.html」


ラグビーの上手い下手を評価の対象にするのは高校・大学からで十分。

ジュニアラグビーの世界で、ラグビーが上手い下手で評価をする指導者がいるならば、学ぶ機会を作る必要があると思う。

日本のジュニアラグビー選手は約20,000人。
ジュニアサッカーだと260,000人。

その子たち全員が日本代表、Jリーガーになりたい訳ではないですが、チャレンジ機会は大人が作らないと誰が作るのでしょう?

<Q3:あくまで①なんですね?>
つまり、①じゃないと、チャレンジ機会は失われてしまう可能性も高いというふうに捉えたらよろしいでしょうか?
ちなみに、ラグビー界やスポーツ界でのこの考え方は最近からですか?
それとも、今代表等で活躍している選手たちも①で育ってるんですか?

回答A3追加
「ラグビー界やスポーツ界でのこの考え方は最近からですか?
それとも、今代表等で活躍している選手たちも①で育ってるんですか?」
まずは彼らの経歴をご自身で確認してみよう。
田村も中村も高校からラグビーはじめてる。
https://www.rugby-japan.jp/japan/member/

保護者が日本代表を目指しているのではなく、目指すのは選手本人ではないでしょうか?



※以下は回答保留
 それでも②が良いと思うようであれば、、。
②「②A〜Dの4段階にスキルや経験レベルで子供達をチーム分けして編成」
小学生の大会でどうしても勝ちたいようであれば、そう思う指導者と保護者で移籍するか新たにチームを作り、そこで目指すことをお勧めします。
また息子さんが将来下のチームになった際にはご納得されると。
小学生時点での成長でそのスポーツから離れることもやむ得ないと。

【その他情報】
親がどこまで口を出すべきか ~スポーツと親子関係~
「学習は学習者のものである」
元日本代表 小野澤
https://shizuoka.jr-athlete.jp/?p=12617
https://the-ans.jp/stayhome/112209/

池上正さんの考え方
「勝利にこだわったメンバー分けに保護者からクレームについて」
https://jr-soccer.jp/2013/12/17/post18462/

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