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長縄とわたし

本日も「辞めます」と言い出せずに淡々とパートを終えて帰宅。
頭の中では辞める時期も理由もばっちり出来上がっていて、引き止められた時の断り方だって用意しているのにな。それでも、言ったら本当になってしまうと思うと踏ん切りがつかない。
周りは「まだ若いからね~」と言うけど、言うてアラフォーなのでね。平均年齢が高い職場なのでそんなわたしでもピチピチの部類に入るのかなと思ったり。

悩み所だな。
フルパートに切り替えてから、家でもやらなきゃいけないことが増えたり、息子のことだったりと、タイミング悪くないー?って感じで続いていて正直キャパオーバー。
わたしには週三ぐらいがちょうど良かった。自分の力量を完璧に見誤ったねこりゃ。

まぁいいさ。そのうちちゃんと言うさ。
言う、言える……絶対、いや、たぶん。


さて、息子は長縄を学校で跳ぶらしくわたしに「横二列で跳ぶのと、縦一列で跳ぶのどっちがいいと思う?」と。
長縄ね、長縄。うん、長縄。
「お母さんさ、跳んだことないんだ」
「え、昔はやらなかったの?」
「いや、おまえは入るなって言われていつも見学してた」
「……」

懐かしや、長縄。
先生とクラスで一番背が高い子が回して、一人一人飛び込んでいくあれ。
運動ど音痴なわたしはタイミングがつかめなくて、いつも縄を引っかけては止めてしまう子だったな。
男子からは大ブーイング、女子からは慰めとそこはかとなく漂う「またおまえかよ」の空気。
誰が言ったのかは顔も名前ももう思い出せないけど
「こいつ邪魔!」の一言で、お腹が痛いと嘘をついて見学するようになったんだっけな。

わたしが抜けたあとは誰も引っかからずに目標の回数まで跳べて、喜ぶみんなに拍手しながら「そこに自分が居ないのが正解なんだ」と、あれから数十年経っても色々なシーンでそう思うんだけど、最初にそう思ったのはあの長縄だ。
と、思いがけずに出た母親の暗い思い出に息子は
「俺だったら邪魔って言った奴ぶち殴る!!」
の武力行使発言。何とも頼もしい。

みんなで目標回数を達成できるように、試行錯誤しながら長縄の研究をする息子がちょっと羨ましくもあり、楽しそうで嬉しくもある。
いいなぁ長縄。
わたしもやりたくなってきた。


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