見出し画像

マダム

ある日のスーパーでの出来事。
私のよく行くスーパーのレジシステムは、
商品はお店の方がレジにとおしてくれて、
すぐ横にある精算機で支払いをするようになっている。

私の前の方(60代くらいの女性。マダムと呼ばせていただく)が、
精算機に移動して、
私が商品をレジに通してもらっていた。

隣の精算機の音声が聞こえる。

精算機:
お支払いは現金ですか?クレジットですか?

マダム:
現金です!

と、お元気に答えてる。
私は心の中で、いや、画面をプッシュですよ、声はいりませんよ。
と、お節介をつぶやいていた。
レジの方もチラッとみたが、
ちゃんと画面をプッシュしてるのでそのまま作業に戻った。

精算機:
現金を投入口にお入れください

マダム:
ここ?ここに入れればいいんですか?

でかい、声がやたらデカイ(笑)
レジの方がとっさに、
はい、そこで大丈夫です。
と、マダムの方を見て伝えたが、
当のマダムの目線は精算機にある。
あ…って感じで目線を戻したレジの方は、
確実に目があった私と無言の意気投合を感じあい、
二人とも口元がゆるみそうになるのを必死で堪えていた。

マダムの支払いは終わっていない。

精算機:
お釣りとレシートをお受け取りください。

マダム:
そんなにいっぺんにはできません。
ちょっと待ってください!

レジの方はすみませんと下を向いたままちっさい声で呟いていた。
口元はもちろん笑いを堪えてピクピクしている。
私は目のやり場を失い斜め上を見上げた。
もちろん口元は笑いを堪えてピクピクしている。

いろんな人がいるもんだなあと思いながら、
私のレジが終わり、
レジの方と通常のありがとうございますを言いながらの会釈も、
今日は、このあと一杯いかがですか?
と誘いたくなるぐらい熱い何かを感じあっていた。
と思っている(笑)

マダムがまだサッカー台で荷物をエコバッグに入れている。
私が斜め前で袋に入れていると、
マダムはエコバッグを肩にかけ、歩き出す前に一言、

ああ、面白かった〜

確信犯。
あの大きな声もわざとだった。
まんまとマダムのおもしろ劇場にのせられていた。

確かに、面白かった😆
笑いをありがとう、マダム💐

お読みいただきありがとうございました😊