電話相手と揉めるお兄さんの口調がどことなくラップだった話
同僚と飲んだ帰り道。終電間際の遅い時間のこと。
駅のホームで電車を待っていると、壁に寄り掛かって電話する男性が視界に入った。悲しいとも、怒っているともとれる表情をしている。
そこそこの声量で、こんな言葉が聞こえてきた。
「それ説明するのはそっちの責任じゃん。」
「それ説明するのはそっちの責任じゃん。」
「それ説明するのはそっちの責任じゃん。」
このリリックを何度も何度も繰り返していた。むしろそれしか言ってない。彼なりのパンチラインである。
鎮座DOPENESSの「MODE」がよぎった。
どことなく似ているのである。口調というか、リズム感というか。
おそらく電話の相手と揉めている。パートナーだろうか。
何したんや一体。気になって仕方なかったが、電車が来たのでそこで彼のフリースタイルラップを聞くのを切り上げざるを得なかった。
車内から目をやると、彼はまだホームにいた。
電話相手は、説明責任を果たせたのだろうか。
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