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投球障害予防のためのカラダづくり

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野球のケガで最も多い<投球障害> 痛みの起こる肩・肘の強化だけをしていても十分に防ぐことはできません! 必要なカラダつくりについてまとめています。
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野球×ウォームアップのまとめ‐柔軟性‐

Community Innovation Baseballの佐藤です。 今回は選手・指導者の方向けに <ウォームアップ>についてまとめていきたいと思います。 ウォームアップとは 《スポーツで競技運動をはじめる前にする準備運動》のことをいいます。 これらの運動は心臓などの循環器系を運動に慣れさせ、身体の各部位の筋肉温度や関節可動域を高めることで、その後に行う競技運動のパフォーマンスにつなげる役割があります ウォームアップは季節によって変わる気温などの変化により、アッ

胸椎回旋トレーニングの質を高める①

「からだの捻りはしっかりできていますか?」 「胸椎回旋トレーニング」と聞くと、 どのような動きをイメージしますか? 投球動作において、 上半身の捻りの土台となる胸椎の動きですが、 実際に行うと意外とできていない選手が多いです。 多くの間違いは胸椎(背中)で捻れず、” 腰で捻っている”ことにあります。 各関節には動きの役割があり、動くためには上下の安定が必要になります。 つまり、胸椎(背中)が動きにくいために、 腰椎(腰)の動きに頼った動作を招きやすくなります。 ス

カフトレーニングの質を高める

「肩のインナーマッスルのトレーニングをしっかりできていますか?」 肩のインナーマッスル(主に腱板筋群:cuff)のトレーニングはゴムバンドなどを活用して行うことが多いと思います。 肩の故障を予防する上で適切なトレーニングであり、私もリハビリテーションの現場などで活用しています。 しかし、普段カフトレーニングをしている選手に実際にやってもらうと、間違っていたり、投球動作に求められる負荷がかけられていないことも多く経験します。 強化する目的の筋肉に適切な負荷がかけられない

野球×ウォームアップのまとめ‐アジリティ‐

今回は野球のウォームアップで取り入れたい<アジリティ>についてまとめていきたいと思います。 アジリティとは「敏捷性」を表しています。 加速・減速や方向転換など速度の変化に対応して身体を動かす能力です。 野球はサッカーやバスケットなどの競技に比べて、アジリティ要素は多くはありません。しかし、野手の打球へのチャージや落下地点までのバック走、走塁など野球に求められるアジリティがさまざまな部分にあることが想像できるかと思います。 今回は野球で取り入れておきたいアジリティメニュ

野球肩を予防する!カラダづくり

前回のnoteでは野球肩を予防するトレーニング方法を解説つきで《10種類》ご紹介させていただきました。 《基礎編》と《応用編》にわけ、 関節を安定させる上で必要な<部分的な筋肉のトレーニング>と<複合的な動きによりトレーニングする方法>を載せてあります。 ぜひ、ご活用いただけたらと思います。 今回のテーマは「カラダづくり」について 野球以外のスポーツにも共通するところですが、パフォーマンスを向上するためのトレーニングを構成する上で、パフォーマンスピラミッドという考えが

野球肩を予防する!トレーニングのまとめ

前回のnoteでは野球肩予防のための16種類のセルフケア方法を解説つきでご紹介させていただきました。 今回のテーマ「予防トレーニング」について 前回のセルフケアとの違いを整理します。 ケアとトレーニングは混同しやすいですが、 ケアは運動によって負担のかかったところを回復させる役割 トレーニングは運動において弱い部分を補強していく役割がある と捉えています。 そのため、<野球肩予防のトレーニング>では ・野球肩に共通してみられる弱くなりやすい部分 ・野球肩を引き起

野球肩を予防する!セルフケアのまとめ

2020年1つ目の記事です! 今年もお読みいただける皆様に 少しでも有益な情報を配信できるように まとめていきたいと思います! 本年もよろしくお願いいたします。 昨年までL-tra.の記事では <野球肘>についての内容を中心に 書かせていただきました。 野球肘予防のための12本の記事を まとめて挙げていただきましたので まだの方はこちらからもチェックしてみてください! 今年の前半は野球肩からスタートしていきます! 投球動作による肩の痛みを 野球肩とイメージされてい

投げるための肩甲骨

今回は、投球動作における「肩甲骨」の役割とそのトレーニングについてお話ししたいと思います。 まず、簡単に「肩甲骨」の動きと役割から確認していきます。 人体模型をイメージしてみましょう。 肩甲骨は腕と鎖骨・肋骨とつながっていますが、 実は「肩甲骨」は浮いています。 そのため、まわりの筋肉や靭帯によってその位置を保っています。 肩甲骨の働きは上肢と体幹のつなぎ役となり、 力を伝えるために重要な仕事をします。 肩甲骨の動きは、上下・横方向・回旋方向の動きを行います。

投げるための「胸郭」

今回は、肩や肘の土台となる「胸郭」についてお話ししたいと思います。 「胸郭」というワードを耳にしたことのある方は多いと思いますが、どの部分を胸郭というのかわかりますか? 胸回り・・・ 肋骨・・・ 体幹・・・ 胸郭のトレーニングをしたい!という声は選手からも聞きますが、 実際に聞くと、その場所や動きは意外とあいまいな答えが返ってくることが多いです。 はじめに 胸郭について簡単に説明したいと思います。 胸郭とは 胸をかたちづくる骨格をいいます。 例えば腕を振る動作を

強いヒジをつくるための「肩」

前回、「強いヒジのつくりかた」について ヒジの内容を中心にお話させていただきました。 強いヒジをつくるためには 「柔軟性」-「筋力」-「協調性」がバランスよく働くことが大切であり、それぞれのチェックポイントとトレーニングについてお伝えしました。 投球動作は全身で動く動作です。 投球動作の定義 運動連鎖に基づく全身運動であり、 地面からの反力を下肢・体幹から上肢 そしてボールに伝える運動である 野球肘は全身運動の中で、肘に負担が過剰にかかってしまうことによって起こりま

野球肘を予防する!強いヒジのつくりかた

先週、高校野球では高野連(高校野球連盟)より <投球数制限>の問題に動きがありました。 これまで投球数過多に対する対応として ルールを決めることに賛否があり、平行線状態でしたが、 少しずつ変わり始める動きとなるのでしょうか。 こういったシステムが検討されたのは、 投げすぎによって、有能な選手が故障をし、 選手生命に関わる大きなケガが後を絶たないことなどが 背景としてあります。 言い換えれば、 連投・投げすぎ=肘がこわれる オーバーユースによる問題です。 オーバーユ