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ビジネス書「解像度を上げる」より

最近、ビジネス書を読むときの心構えが変わってきた。

インプットをしようという心構えから、言語化のサポートとしてビジネス書を読むようになった。
今回は、最近頭の中にある「こうあるべき」「こうするべき」を、【解像度を上げる】という本に助けを借りながら言語化してみた。

この本の概要を簡単に。

「解像度を上げる」
解像度を上げるためには、深さ・広さ・構造・時間の4つを捉える。この4ポイントには思考をするための型がある。この本では、明日からでも行動ができるような型をいくつも紹介している。

構造化した上で、型の紹介をしているので、非常にすっきりと読みやすい。一方で、型が多すぎて分散してしまった感があるので、私なりに抽出と収束をさせて5つのポイントにまとめた。

自分の言葉にすること、組織全員が共通言語として使えるような言葉の開発を意識してポイントの言語化をした。

事業を作ること、仕事をすることにおいて大切にしたいポイントです。


1:文章にする

解像度を上げるというと、視覚的にまとめるために世の中にあるフォーマットに飛びつきたくなる。が、ちゃんと解像度が高い状態であれば、少し長めの文章だけでやりたいことや課題を伝えられる。

事業開発であれば、プレスリリースを書いてみる・将来与件について文章にするをしてみる。(これが出来ない=解像度低い)
プレスリリースを書く、将来与件を文章にすると一言で言っても、この背景には市場の動向を理解していること、サービスの価値の拡張性を把握できていることなど、多数の要素が揃っていないと文章が書けないのだ。

実際、Amazonでは新機能や新規事業を立ち上げる際はプレスリリースを書いてみることが必須だったらしい。

文章にする以外にも、対話をする・教えるなど、口頭でも言葉にする機会を持ち、自分なりの言葉で、人に伝わる内容を作る習慣をもつ。

この「文章にする」というポイントは、自分のアウトプットもそうだが、相手のアウトプットに対しても適応可能だ。
例えば、仕事の指示が一言で飛んでくる。その指示に対して、言葉尻だけを捉えたアウトプットだと、1の指示に対して対して1しか返せないが、1の指示を紐解き、文章にすることで、指示の本質・背景がわかり、10の仕事で返すことができる。

2:Think timeを持つ

マイクロソフト創業者、ビルゲイツがThink timeを実践しているということはご存じだろうか。一週間、山小屋に籠り読書、論文を読み耽り、思考のアウトプットをするという時間だ。

↓ビルゲイツについては以前のnoteに記しているのでよかったらぜひ

解像度が高いというのは、正しい概念と知識を持ち、適切な言葉で話せる状態だ。つまり、その領域に対しての知識量と解像度は比例するのである。
当然、論文を100本読んだ人よりも、1000本読んだ人の方が知識量はあるし、解像度も高い。
最初こそ、このリサーチを重要視するが、一定その業界に長くいるとリサーチを軽視してしまいがち。だからこそ他を圧倒するリサーチを継続することで、結果を出しやすくなる。当たり前のことを、当たり前以上にする。
気をつけたいのは、ネットのリサーチで満足しないこと。情報にアクセスしやすい分、それを持っていることは”当たり前”という認識でいよう。
本や論文、専門家との会話から情報をもらい自分にしかできないリサーチをすることに時間をかけたい。

また、歴史から学ぶことと、将来世代に立脚して未来を考えることも、このThink timeで実施したい。

アナロジー(類推)できる量を増やすためには、歴史や事例の深層理解をしている件数を増やすしかない。新たな事象を理解するときに、アナロジーは威力を発揮するので、是非とも頭の中にアナロジー可能なストックを増やしたい。成功企業の歴史を紐解くとか、バズった事象の背景について考える。そういう時間を週に数時間は確保する。

将来世代に立脚して未来を考えることは、新たなビジネスチャンスを考える種となる。イーロンマスクは、どんな事業が稼げるかという視点ではなく、「人類の未来に最も影響を与えると思われるものは何か」という視点でテスラやスペースXを生み出した。
シリコンバレーのアクセラレータープログラム「Y Combinator」でも、未来に生きて、そこに欠けているものを作るという教えがある。

Think timeを確保し実施したいことは三つ。
①言葉、概念、知識を増やすこと(当たり前のことを当たり前以上に)
②アナロジーのストックを増やすこと
③将来世代に立脚して未来を考えること

3:百聞百見は一験にしかず

この本では”行動の重要性”について説いている場面が多い。
体験する方法は二つあり、「作ること」と「現場に没入すること」だ。

①作ること
アイデアが出たら、練り切ってから作るのではなく、作りながらアイデアを練る。プロトタイプ(スケールしない程度の)を作って、実際に自分が使ったり、人に使ってもらったりしながらPDCAを爆速で回す。
100人にヒアリングしてから作るよりも、一回作って当事者に使ってもらった方がよっぽど価値ある意見が聞ける。一回作る中でのトラブルもたくさんあるので、適切な打ち手を考えられる。
デザイン思考ではなく、デザイン行動をしよう

②現場に没入すること
例えば建設業界のDXを実現するSaaSサービスの開発をするなら、建設業界で働いてみる。その業界の方と同じ現場で、同じ仕事をしてやっと見えることがある。体験することで、サービスのアイデア・サービスの価値の拡張性に気づける。
椅子に座ってパソコンの前にいても、得られない情報はこの世に山ほどある。神は細部に宿るのだ。深いところにある課題は、やはり当事者と同じ体験をしないと見えない。頭でっかちな戦略だけ描いても、仕方がない。

4:肝を抑える

2:8の法則があるように、2割の要素が結果の8割を決める。
要素同士の関係性、もう一段思考を広げてシステム思考で物事を考える。

要素を切り分けるときは、MECEにツリー分解したり、バリューチェーンにそって洗い出していく。
その中で”省略”する部分を見出す。
人は足し算が得意で、引き算が苦手なので、この”省略”は相当解像度が高い状態でないと適切に行えない。
「なぜその要素を省略したのか」文章で解答できるレベルになれば省略をしていき、肝を見つけ出す。

5:外部資源を獲得する

自分1人、あるいは今のチームで可能な範囲の目標設計や行動設計をしない。
コントロール可能な資源を超えて機会を追求することを忘れないでいたい。アントレプレナーシップ(起業家精神)の一つだが、今できないことは外部の力を借りて実施する、第三者を巻き込むという視点を常に持つ。

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの墓跡はこう書かれてある

己より優れたものを周りに集めたもの、ここに眠る

アンドリュー・カーネギー

1人で何かを成そうだなんて、傲慢である。
いかに外部の力を借り、大きな成功を収めるかにその人の真価が問われる。



以上5つのポイントは、自分の中で何度も唱えて、仕事に取り組む上での拠り所となる言葉にしたい。
あくまで暫定的な言葉であり、これから日々使用・運用する中で多少変わっていくとは思います。


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