ウシク対フューリー【感想】

おはようございます。 
 アマチュアボクシング全国大会二冠、プロボクシングで日本二階級制覇の実績と日本トップで戦い抜いた20年のボクシング知識をより多くの人に知ってもらうメンバーシップと基本を重視しながら戦略面も含めバランスの良いボクシングを伝えるボクシングレッスンを行っている小原佳太です。

 現在このNOTEには僕のボクシング競技歴20年間で勝つために試行錯誤したボクシング理論や経験を投稿していて、更に詳しい小原佳太の拳闘理論はメンバーシップ限定にて公開しています。

 今回の記事はヘビー級4団体統一戦、オレクサンドル・ウシク対タイソン・フューリーを見た感想です。
 私自身ウシク選手のファンなので偏りがある日記になる事ご了承ください。

 勝者はオレクサンドル・ウシク。
僕が思うボクシングの理想形、素晴らしい試合内容でした。

プロフィール

 はじめに両者のプロフィール。
 オレクサンドル・ウシク(37歳ウクライナ出身)
21勝(14KO)
現WBA&IBF&WBO統一ヘビー級王者
元クルーザー級4団体王者
ロンドンオリンピック金メダリスト

 タイソン・フューリー
34勝(24KO)1分
WBCヘビー級王者

 両者無敗同士による史上初めてのヘビー級4団体王者決定戦になり、サウジアラビアにて行われる2人のファイトマネー総額は224億3000万になると言われるメガマッチでした。

結果

 結果はダウンを奪い試合をコントロールしたオレクサンドル・ウシクの判定勝ち。

感想

 ここからは元プロボクサー小原佳太の感想です。
私は元々ウシク選手のファン。
自分には無いモノを求める憧れの選手としては天下一品のスピードスター、ザブジュダーや破壊力のワイルダーですが、パワーに頼らずに距離間や戦術を組み立てられるバランスの良さでオレクサンドル・ウシクやディミトリ―・ビボルを参考にしていました。
 ウシクは試合前はサイズ問題(身長差約15cm、リーチ差約18cm、公開計量時体重差約13kg)から、劣勢と言われていましたが柔よく剛を制すの通りに距離や立ち位置の調整から打ち終わりの攻防まで素晴らしかった。
試合前は体格に利のあるフューリーが攻勢をかけると思いましたが試合はウシクがプレッシャーをかけてフューリーが下がる流れ。
ただ、元々フューリーはボクサーとしてフットワークを用い戦うのでこれだけで勝敗が決したわけではなくて自分と相手の距離感、攻撃範囲を理解しているウシクが距離間や立ち位置、パンチの角度を変えて勝利に徹底した完勝でした。素晴らしい

 言葉で語るには簡単な偉業も100kgを超えるヘビー級選手が12R,36分間フットワークと攻防を続けることがどれほど身体に負担があることか、それを続ける為に鍛え抜かれた身体と精神力、戦略に脱帽です。
現に私が2019.3.30.IBFウェルター級挑戦者決定戦で敗れた際には12R必死にフットワークを使い試合後は足裏の皮はズルムケていました。

 試合内容もウシクは5.6Rにボディのダメージか失速してから反撃して9Rにはフューリーがフラフラになるまでダメージを負わせるという見ていて心揺さぶる素晴らしい試合でした。

再戦

 内容も素晴らしかった今回の試合には再戦の条件も入っているという噂。
今回の勝者オレクサンドル・ウシク選手も敗者タイソン・フューリーの次戦のコンディションや戦術で今回通りに勝利できるかはわからない。
前戦の状況だけが勝敗を分けない、技術だけでも力だけでも勝てないボクシングは面白い。

僕の知識がボクシングが好きな人に届きますように。