呼び起こされる

2年前までお付き合いしていた人から連絡がきた。

（同じ会社なので）仕事の連絡ではあったけれど、わざわざ彼が連絡くれるような内容でもないし不思議に思った。

彼はわたしのことを付き合っていた時と同じように、ちゃん付けで呼んだ。メッセージもタメ口のままで、あぁ『なかったこと』になってないんだと静かに安堵しているわたしがいた。

お互いの近況なんかを話してるうちに思い出話が自然と出てきて

まだ運転できないの？笑　前に一緒に練習したよ？
こむぎちゃんはハンドル握ると気が小さくなるからね～普通逆なのにね

と言われたりして。
あぁどうしよう、なんかもう、
わたしまだちっともこの人のことを過去にできなさそう、
って思ってしまった。

いま仕事で彼の部門とのやりとりが結構あるのだけれど『何かあったらいつでも言ってね』と彼は言った。社交辞令かもしれない、けど。

別れたいとわたしが彼に言ったとき
今思えば余計な一言もたくさん吐いたし、彼もかなり傷ついただろうと思う。

友達にはならない。
職場の、顔見知りの、先輩と後輩になろう。
とわたしは言った。
もう会えないの？今日で最後？と、
彼ははらはら泣いた。

この2年、最初こそ多少やりとりはあったもののそれを振り切って、距離をとって、前を向こうとしてきた。そして彼はきっと別の人と楽しく生きているんだろうと考えたり考えないようにしたりしながら。

なのにいま彼がこうして連絡をよこすのはどうして？気まぐれ？からかい？
悶々としている。

こうだったらいいのにっていう自身の願望をわたしは明確に自覚しているけれど、それをここに書くだけの勇気はまだない。
自分がこの先どうしたいのかもわからない。

いまは色んな気持ちを、ぐっと押しとどめている。