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ワンピース・黒ひげの「あいつら」発言の考察と結論

週刊少年ジャンプにて連載中の人気マンガ・ONE PIECE(ワンピース)の中でも最重要キャラクターとして、未だ数々の謎を秘めている「黒ひげ」ことマーシャル・D・ティーチ。

・なぜグラグラの実を奪えた?
・体の構造が異形?
・一度も眠ったことがない
・ケルベロス説

などなど、コアファンの間で考察が絶えないキャラクターですが、その中でも今回はジャヤ編での「あいつらだ」について、私なりに結論が出たので書き留めようと思います。

「あいつらだ」発言とは?

「あいつらだ」発言は、ONE PIECEの第225話 "人の夢"にて登場しました。まずは前話までの簡単なあらすじを振り返ります。

空島への情報を集めるためにジャヤへと移動した麦わらの一味たち。そこでルフィ、ゾロ、ナミはベラミーにケンカを売られあわや戦闘の流れに。

ここで問題を起こせば空島への情報は得られにくいと考えていたナミは咄嗟に「空島へ行きたい。何か情報は?」と話します。

するとベラミーに空島を否定されるどころか、「ワンピース」の存在すらも馬鹿にされます。

ルフィはゾロに「このケンカは絶対買うな」と諭します。

ここからが第225話です。
このあとベラミーの一味から集団リンチにあうルフィとゾロ。ナミがボコボコにされた二人を連れて酒場を出た先で、黒ひげことティーチがナミに声をかけます。

"空島"はあるぜ…
何をくやしがるんだねーちゃん…
今の戦いはそいつらの勝ちだぜ

そのまま何も言わずに立ち去るルフィに対し、ナミが「あいつ空島について何か知ってたのかも」と話すとルフィとゾロは、

「あいつ」じゃねぇ
「あいつら」だ

と意味深なコメントを残します。

あいつらだ発言が考察される理由

では、なぜファンの間でこの発言が考察されるのか。理由は冒頭でも述べた黒ひげ・ティーチの数々の謎にあります。

ティーチはこの後にルフィの兄であるポートガス・D・エースとの決闘を制し、頂上戦争のきっかけを作りました。そして、その頂上戦争にて白ひげことエドワード・ニューゲートを殺害し、白ひげが持っていた悪魔の実の能力であるグラグラの力を奪います。

なぜグラグラの力を奪えたのか?もそうですが、なぜ悪魔の実の能力を2つも宿すことができるのか?もかなり注目されています。

なぜなら、悪魔の実の能力者が2つ目を悪魔の実を食べると、体の中の悪魔が喧嘩をして体の中から爆発し死亡するからと言われています。

コアファンの間で様々な考察がされるなか、有力な説として浮上したのがケルベロス説です。

ティーチは以前に四皇の1人赤髪のシャンクスと交戦しキズを負わせました。その傷跡が獣に引っ掻かれた痕のようなものであったこと。

黒ひげ海賊団の海賊旗のドクロが3つあり、まるで3人いるかのように描かれていること。

また、頂上戦争にて白ひげのグラグラの能力を奪った際に、白ひげの1番隊隊長マルコから「体の構造が異形」という発言があったこと。

このことから、体の構造がケルベロスと同じで3つあり、それぞれの体に悪魔を宿しているため、複数の能力を得られたとの見解です。

そして、その説が浮上した際に、ルフィとゾロの「あいつらだ」発言も再注目されました。

・ルフィとゾロはそれを知っていた?
・だから「あいつらだ」と発言?
・もしケルベロスだったとしてもなぜわかった?

これが「あいつらだ」発言が考察される最大の理由と考えています。

あいつら発言の考察と結論

さて、前置きが長くなりましたが、ここからは私なりの考察と結論を話したいと思います。

まず結論から先に言うと、
ルフィとゾロはティーチの構造(ティーチはケルベロスで3人いる)に気付いてないと考えます。完全なミスリードと捉えてます。

ONE PIECE(ワンピース)を読んでいる方なら共感してもらえるかと思いますが、ワンピースが面白い理由に以下があると思っています。

① 壮大なストーリーに隠された伏線の回収がワクワクする!
② そこに生きる人々の"心意気"なエピソードに感動し涙する!

私は今回の「あいつら」発言は②を強調した熱い演出だと考えています。

ルフィ目線であいつだ発言までのエピソードの流れを整理すると、

ベラミーにケンカを売られる
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空島やワンピースの存在を否定される
↓↓↓↓↓↓
ケンカを買うなとゾロに諭す
↓↓↓↓↓↓
ティーチにケンカは自分の勝ちと言われる
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なぜかシャンクス、エースの発言を回想する
↓↓↓↓↓↓
無言で立ち去る
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「あいつじゃねぇ(あいつらだ)」と発言する

となります。
ここで注目すべきは「ケンカを買わない理由」「シャンクスとエースの発言を回想した」「"あいつら"という言葉が2度出てくる」ことにあります。

ルフィがケンカを買わなかった理由

ルフィは海賊王になるためなら、その為に戦って死んでもいいと、覚悟を持って生きています。

また、同じくワンピースを狙い冒険をしているその他の海賊たちに対し敬意を示してるような発言もしています。

そんなルフィからすれば、ベラミーの発言は自分の信念に反する言葉になります。そのケンカを買うことになれば、それを認めることになる、そのレイヤーでしか生きられない海賊であると。

ルフィが目指すのは"海賊の高み"

ルフィが目指すのは海賊の高みであり、そのためにベラミーのケンカを買わなかった。だからこそ、酒場から出てティーチに「今の戦いはそいつらの勝ち」と言われたときに、シャンクスやエースを回想したと思われます。そして、ティーチもその側(海賊の高み)の人間だと気付いたのでしょう。

"あいつら"発言の比較がされている

それを強調するかのように、このシーンには比較された「あいつら」という発言が2回登場します。

最初はティーチの「アイツらの言う"新時代"ってのはクソだ」という発言。

そして、ルフィとゾロの「あいつらだ」の発言です。

アイツら=ベラミーのような新時代を期待する海賊
あいつら=シャンクスやエースの待つ海賊の高み

このように、あえて分かりやすく、カタカナとひらがなで比較対象として表現しているのです。

あいつらとは海賊の高みのこと

以上のことから、ルフィとゾロはティーチが海賊の高みにいることを感じ取り、「そこ側の人間たち=あいつら」と発言したのだと考えます。

ワンピースは読み返すことで、その発言の「深み」「心意気」に気付くことが多々あり、とても胸が熱くなります。

ティーチはルフィの最大の敵として今後出てきそうですが、そのルフィとティーチの最初の出会いがこのシーンということで、もし今後そのような戦いが描かれれば感慨深いものになりそうです。

画像引用:ONE PIECE (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

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