ティッシュからはじまったエピテーゼとの出会い

皆さんエピテーゼって知っていますか？

指を失った方がつけるのは
指のエピテーゼ
本物のような見た目でシリコンで作られたもの
それがエピテーゼです。

エピテーゼを求められる方は
日常での不便、不安、コンプレックスがあって
エピテーゼをつけることによって
それが改善されます。

僕も男性に当たり前にあるものがない人です。
そんな中で、なぜエピテーゼを始めたのか
エピテーゼとは当事者にとってなんなのか
当事者でも、そうでない方でも
改めてエピテーゼが誰かにとって
どう影響するのか、考えられるきっかけになれば嬉しいです。
興味のある方は見ていただけたらと思います。

ティッシュから理想のエピテーゼへの葛藤

子どもの頃、男性の象徴である物がなかった自分へ
ティッシュを形にし、それをパンツに忍ばせ
ズボンの上から少しもっこりとしているその存在に
とても嬉しく思っていました。
その時の気分はまるで、新しい服を着たときや
髪型を変えたときと同じような感覚です。
新しい自分の姿を楽しんでいました。

大人になってティッシュでは無くなりましたが
あの頃と変わらず、喜びを求めて探しました。
しかし自分の理想とする物に出会えず
ホームセンターや100均で材料を集め、自分で作ったこともありました。

手術をした後は、カミングアウトをする必要がなくなると同時に
バレないために必要なエピテーゼへとなりました。
隠しながら暮らすことは大変でしたが
海外のものや、日本製のものまで色んな物を試しながら
温泉に入れたあの瞬間は最高でした。
今でもあの感動とエピテーゼへの感謝は
忘れられません。

きっかけは

海外に行く事になり
LGBTQIAの先進国オーストラリアでは
ゲイの人達が街中で、手を繋いで歩いていたり
世界最大級のLGBTパレード、マルディグラを見たりして
同じ当事者でも堂々とした姿、輝いている姿を見て
こんなに違った世界があるのかと驚き、感動しました。

そんな中で、周りにも恵まれ
カミングアウトを決断。
結果自分にとってはベストな決断であったと思っています。

そこからLGBTについて考えるようになり
誰もがカミングアウトすることがベストな選択ではないと考え
同じ当事者の人達のために
自分は何が出来るだろうと思うようになりました。

巡り巡って、自分の理想のエピテーゼを
作っている方と出会い、それを日本にも届けたいと思いました。
そして、小さい頃からずっと欲しかったものは
きっと他の日本人当事者の方も求めていると思い
どんどんと製品化していっています。

エピテーゼとは

エピテーゼを使って
多くの方が、安心して暮らせるための商品になることを願っています。
出来なかった事が出来るようになる幸せ
当たり前を手に入れ、新しい世界を
見つけていって欲しいと思っています。

私自身にとってのエピテーゼとは
あるとより楽しい時間になる、自分の姿を見たくなるものです。
毎日見てはニヤリとしております。

ある方にとっての眼鏡やコンタクトのようなものなのかもしれません。
つけた瞬間に広がる世界と普段と違う自分というのも同じかもしれません。

僕が伝えたかったことは
エピテーゼとは、自分の人生を彩ってくれる
パートナーのような存在であり
もっと身近に、皆さんの生活に寄り添えるものであると
伝えていけたら良いなと思っていること
これからも当事者として
出来ることをしていきたいなと思っています。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。