20/02/10

面談当日。
現職の合間を縫って、彼は再度自分の想いの棚卸しと
質問事項をまとめた。

面談自体は30分間行われ、
希望する職種のリーダーが面接官として彼を応対した。

彼のこの日の目的は「仕事の解像度を上げる」こと。
実際の業務内容や現場の想いや方向性など、
面接担当者がオープンに話してくれたおかげで
彼自身の企業に対する志望度は一層上がった。

面談の最後に彼は
「ぶっちゃけ自分、どうでした?」と訊いた。
(この質問は、『転職と副業のかけ算』でオススメの質問として上がっていたものだ。)
面接官からの返答は
「正直、未経験という部分は相当厳しい。厳しいので、求めている能力をきちんとアピールすることを意識してほしい。職種自体は薦める。」
というものだった。

正式な面談ではなく、時間も短かったため、この言葉自体が合否を決定づけるものではないと彼も理解しているが、
・自分は業界と職種をきちんと調べている
・自分はこの職種を希望している
・自分はこの職種が向いている
と「受かるものだ」というスタンスになりつつあった彼にとって、
面接官の言葉は自身を現実に引き戻すのに十分な重さを持っていた。

「いかに自分の能力をアピールするか」
「いかにその能力が企業が求めているものか」
改めて言語化する作業が必要だと、彼は考えている。

(彼はあわよくば
調べこんできたことをアピールすることで
多少なりとも良い印象を与えたい、と考えていたが
すぐさまその浅はかな考えを反省した。
志望する業界の志望する職種について
徹底的に研究することは当然であり、
その行為自体はなんのプラスポイントにもなりえない、
と考えを改めた。)