【映画感想】パシフィック・リム

「ジェットコースター・ムービー」という言葉があります。これは別にジェットコースターにカメラ持ち込んで撮影した映画を指すものではありません。
「まるでジェットコースターに乗っているような興奮と緊張で胸が張り裂けんばかりでしたが、今日はこのような大勢の皆様の前で最後の御挨拶ができるということは、本当に熱い思いで言葉になりません」というような心持ちになる、端的に言えばハラハラドキドキする類の映画を指します。

「パシフィック・リム」はそういった、「ジェットコース―ター・ムービー」というカテゴリで語られる作品の一つだと思います。ただ他と違うのは、このジェットコースターにはロケットエンジンが積んであるという事です。殺す気か。

映画のテーマは、テーマは……なんでしょう。観終わってから帰宅し床に就き、深い眠りにつくまで、この映画のテーマについて考える事はありませんでした。

「ろぼっと が かいじゅう を たおした」

それ以外に何を考える事があるのでしょうか。

「鼻血にはコンタック600が効く」。違う気がします。

「核爆発が起こった直後の海面にノーヘルでプカプカ浮いてても問題ない」。そんな野暮な突っ込みはよしましょう。

だって、これはある情報筋曰く、「ただのロボット映画ではない!」のですから……。

という訳で個人的な感想とか。

まず何といってもロシアのイェーガー、「チェルノ・アルファ」に登場する女性パイロット、サーシャ・カイダノフスキーさんのシャワーシーンが何故ないのか、という事をギレルモ監督には答えていただく必要があると思います。壁際に追い詰めて、納得いく回答が出るまで延々と詰問します。逃がしはしません、そんな機会がたとえ無くとも。

怪獣の襲撃によって壊されたシャワールーム。しかも男性用だけ。恥ずかしいなんて言ってる場合じゃない、今後は男女共用とすべし、なおいかなる状況においても混浴とする、という風な事をあの黒人のおっさんがみんなに演説します。みんなはオーッ!と雄叫びを挙げて賛同するでしょう。私もその場にいたら大声を出すと思います。これがトップダウンの良さです。確かにサーシャさんには旦那さんがいる。だけどこっちはそんな、いやらしい気持で一緒にシャワーを浴びる訳じゃないんだ、世界が滅亡しかかっている、だから最後に女人の裸体を拝みたい、そんな低俗な性根で自分の部屋のドア越しにサーシャさんが風呂桶片手にシャワールームに行くタイミングを見計らっている訳ではないんですよ。

だけどたぶん、体は正直なんだろうなぁ、心は平静を保とうと必死なのに、わたしのイェーガーはリフトアップする訳です、たぶん。そりゃあご主人のアレクシスさんはあんないい体格をされてますから、さぞかしそちらの方も立派な能力をお持ちなのでしょう、だけどね、イェーガーより怪獣の方がデカいという理由で出撃しないバカがどこにいますか! わたしのチェーン・ソードよ! 普段はしなやかな鞭のようであり、ここぞという時は鉄をも貫く剣になるチェーン・ソードよ! あぁ!

シャワーを浴びているふりをして、ほとばしりを洗い流すことでしょう。

なぜわたしがこのような妄想に至ったのか。その原因はコミックとなった前日譚である、” Tales From Year Zero”にあります。こっちにはカイダノフスキーさんではないものの、シャワーシーンが出てくるんですよ! 話が違うじゃないですか! 本編には怪獣も、イェーガーも、パイロットも出てくるのに、なんでシャワーシーンはオミットされているんですか!

「パシフィック・リム」確かに大変素晴らしい映画でございました。出来る事であれば続編も作っていただきたい。

しかしわたしが今それ以上に待ち望んでいるのは、パシフィック・リムのパロディポルノ版なのです。それさえ手に入れば、わたしのサーシャさんに対する想いが昇華できるのです。アベンジャーズやスターウォーズに比べたら、実現するには遙かに高いハードルだと思います。だけど私は期待している。そう、自由の国アメリカのフロンティア・スピリッツと……クリエイティブ魂に。

おわり

p.s.
そういう訳でコンマビジョンさんは見つけ次第国内販売の目途を立てるように。

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