【映画感想】ウォンテッド

脳天をぶち抜く映画!

脳天をぶち抜く映画を観たい人には、迷わずこの「ウォンテッド」をお勧めする。ただし、それ以上を求めてはいけない。

DVDジャケットではアンジーことアンジェリーナ・ジョリーが主演と思われても仕方ないほどに推されている本作だが、実際の主人公はしがない営業マンの男性で、演じるのはその後X-メン前日譚シリーズでプロフェッサーXとなるジェームス・マカヴォイだ。

「ストレスだらけの日常生活を送っているダメ人間の主人公は、実は選ばれし人間なのでした」

というストーリー展開は「マトリックス」だし、ストレスの原因となる会社なんて辞めちまえ!ってアジテートは「ファイトクラブ」だ。さらにに殺そうとした相手は死んだはずの父親だったり特訓するのに吊るされた牛肉の塊が出てきたりと、どこかの映画で観たようなエレメントがあちこちにバラ巻かれている。

「面白い映画の面白い部分だけパクって来て、それを一本にまとめたら滅茶苦茶面白い映画になるんではなかろうか」

という、小学生でも考えないようなストレートなアイデァを実行した本作は、案の定「そうなるとは限らない」という答えを検証したに過ぎなかった。だからといってその詰め込まれた要素から「まるでいつ自爆してもおかしくない、狂気に満ちた改造パーツが限界を超えて搭載されているモンスター・カーのようなマキシマム感」を感じるかといえば、それも無い。「マクドナルドのビッグブレックファストセットのような大味・胸焼け感」がせいぜいだ。

だがそんな嫌味を言ってなお、「(文字通り)脳天をぶち抜く描写」がてんこ盛りの本作を、私は嫌いになれない。

しかも本作では、アンジーのケツ、しかも湯上りタマゴケツを(横パイ付きで)拝見することが出来るのだ。そういえばこの映画ではアンジーのタトゥー、他の映画ではコンシーラーやCGIで消されることが多いそれを、ほぼ全部といっていいくらい確認できる。残念ながら主人公とのチョメチョメには至らないのだが、マカヴォイくんは冒頭から彼女とバックで激しくチョメチョメしているし、マカヴォイくんの同僚もまたマカヴォイくんの彼女をバックで激しくチョメチョメしているので、その点の不満に関しては幾分和らげることが出来た。

「アンジーのセックスシーンがあると思ったのに!」

という人には、別件となるが彼女とアントニオ・バンデラスが共演している「ポワゾン」を観ると良い。こちらはしっかりチョメチョメ(作品は全体的に気品ある造りなので「おチョメチョメ」と表現した方が適切か?)しているし、乳首ならびに乳輪を含めたおっぱい全体を確認することが出来る(その他の部分はマドンナの「ボディ」に似たおまけ具合なので、寝落ちしてもよい)。

「脳天がぶち抜かれる映像が撮れるなら、その企画を通すためなら、どんなヒット作だってパクってやる!!」

製作陣のそんな咆哮が聞こえてきそうな脳天ぶち抜き映画だ。バカの一つ覚えみたいに脳天脳天と繰り返し推しているのは、他にどこを褒めたらいいか見当もつかないからだ。さらば。

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