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アル・グリーン「レッツ・ステイ・トゥギャザー」(1972)

サザン・ソウルの伝説ですね。スーパー・ダイナマイト・ソウルがジェームス・ブラウンなら、スーパー・スウィート・ソウルがアル・グリーン。この人の曲以上に甘い曲ってありますか!?マイクを持ったチョコレート・ファウンテンみたいな人です。

スタックス!!メンフィス!!好きな人には、この二語で十分ですよね。

60年代くらいからスタックスというレーベルがメンフィスにあり、そこからサザン・ソウル、メンフィス・ソウルのミュージシャンが沢山出てきました。ドッグ・オブ・ザ・ベイのオーティス・レディングもスタックス。サム&デイブもスタックスでした。

当時デトロイトを拠点とするモータウン(ジャクソン5やスティービー・ワンダーなど)のライバル的な感じだったようです。吉本興業と渡辺プロダクション(ナベプロ)みたいなもんでしょうか。

メンフィス・ソウルではアル・グリーンの先輩みたいなО・V・ライトもよく聴きました。どちらも一時期ハイというレーベルからレコードを出しています。それから、スタックスにはドナルド・ダック・ダンという名ベーシストもいました。レッツ・ステイ・トゥギャザーでも弾いてるんですかね?

このアルバムに入っているアル・グリーンの曲は、単純なのに何度聞いても飽きないですね~。ヴォーカルを活かすために余計なことは一切しない、っていう分を弁えまくった演奏が逆に演奏のソリッドさを引き立てている気がします。これはセッション・ミュージシャン的な巧さではなく、煮込んだ感じのオーガニックなハーモニーを感じます。

ソウル・シンガーというと、マーヴィン・ゲイかアル・グリーンか、っていう感じが私の若いときはありました。ちなみにマーヴィンはモータウンだったので、格好の比較対象ですね。私は、マーヴィン・ゲイのワッツ・ゴーイング・オンは声質もあまり好きではなく、リズムもチャカポコチャカポコ軽くてあまり入り込めなかったです。でも、アル・グリーンはハマりました。

レッツ・ステイ・トゥギャザーは、タランティーノのパルプ・フィクションでも使われていましたが、ゲイ・カップルの部屋のBGMだったのが印象的でした。

元々ゴスペルで育ったアル・グリーンは、80年代には牧師になってゴスペル・シンガーになり、こういう流行歌を歌うことは少なくなりました。

自分にとってアル・グリーンは、B.B.キングと共にアフリカン・アメリカンの音楽の豊かさを象徴するアーティストです。

頂けるなら音楽ストリーミングサービスの費用に充てたいと思います。