野口悠紀雄リターンズ
野口悠紀雄は、好きな経済学者の一人だ。
なんでも1987年に、他の人に先駆け、初めて当時の好景気を「バブル」と形容した人らしい。
「1940年体制」という言葉もこの人が言い始めたこと。
野口は、
高度経済成長は、戦時体制によって実現された。戦時体制は、敗戦後も生き残り、高度経済成長を実現する上で、本質的な役割を果たした。
日本経済の特徴とされる要素は、戦時経済の要請によって導入されたものであり、日本の歴史の中では比較的新しいものである。
としており、「戦時体制からの脱却(構造改革)」を主張している。
岩田規久男は黒田総裁と仲良しな、著名なリフレ論者。黒田氏と同様、野口悠紀雄なんか当てにならない、と言ったわけ。
野口悠紀雄は、かつて「超整理法」がベストセラーになったことも中年世代なら知っているはず。それ以降「超勉強法」、「超旅行法」、「超文章法」などといった本も多数上梓しており、「チョー」が大好きなチョー優秀な経済学者。つまり、ファンキーダイナマイトなジャパニーズ・エコノミストなのだ。多分スーパーマン大好きなんだろう。イグノーベル経済学賞ならマジ取れるだろう。(貶してないよ。)
そういう学者が今の円安について、短い考察を書いた。
(ここからは私の主張です。)
ところで、GDP比に対して大きく膨らむ日本国債が暴落しないのは、ひとえに我々日本人の身柄を取っているから。
人が誰かに影響力を行使するときには、恐らく2つの方法しかない。カネか物理的な力だ。刑法や検察を考えてみれば分かる。警察は容疑者の身柄を拘束する。さもなければ、保釈条件としてカネを要求する。判決を待たずに逃亡したとしても、被害分を補填するに十分な額を預けるということ。
遡れば、戦国時代や江戸時代には重税を課せられた土地から逃げ出す「欠落(かけおち)逃散(ちょうさん)、出奔(しゅっぽん)」という現象もあった。これらが現代に蘇らない保証はない。
国債の暴落はないと唱えてきた人々は、日本人の多くは国外でなんか暮らせやしないから、なんだかんだ言って将来負債を払っていくだろう、と高を括っている。(しかもこういう主張をする日本人学者には海外留学経験者も多い、という矛盾がすごい。)
しかし、外貨資産が見過ごせないほどに増えてくれば、日本に生活の本拠を構える理由が徐々に薄れてくる。殊に金持ちは計算が早い。積み上がった外貨資産を、一々手数料を払って円に戻して日本で使うのを段々厭うようになるだろう。
そうなると、日本国債も普通にデフォルトする「普通の」国債に仲間入りだ。その時に、貧乏くじを引く覚悟もしないといけない時期に来たかもしれない。
うちも子供がいて可哀想だけど、他の国はずっと向き合ってきたわけだから仕方ないのだろう。夏休みの最終日に、積み上がった宿題をやらされるようなものだ。
せめて構造改革で身を削って、負債を次世代になるべく残さないようにするしかないんだろう。ピンピンコロリが一番で、保険を使った無意味な延命治療とか事前に「しないでくれ」と言っておかなきゃダメだな。
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