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カスタマーサクセスBPOの成果を最大化させるための3つのコミュニケーション

企業の課題をカスタマーサクセス起点で滑らかにするSuccess Goal Lab.代表の大竹健斗です。
大企業・ベンチャーでの営業、PM、CS、経営の経験を基に、事業や組織でよくある課題とその解決方法についてnoteで発信しています。


4週にわたり、カスタマーサクセスBPO活用についてさまざまな観点で解説しております。
3回目となる今回は、「カスタマーサクセスBPOの成果を最大化させるための3つのコミュニケーションのポイント」です。

※話し方などの狭義のコミュニケーションではなく、広義でのコミュニケーションを本記事では主に解説していきます。

カスタマーサクセスBPO活用におけるコミュニケーションの重要性

インターネットにより消費者が選択肢を多く持つ現代のビジネス環境において、カスタマーサクセスのプロフェッショナルを抱えるカスタマーサクセスBPOは、企業の成長と顧客満足の両方を実現するための鍵となっています。 顧客中心のサービスを提供するBPOは、顧客体験を高め、ビジネスの拡大に貢献するために重要なパートナーとなります。

しかし、重要なパートナー関係となるには、委託企業とBPOベンダー間のコミュニケーションが大きく関わってきます。つまり、コミュニケーションの齟齬によりマイナスの影響を与える可能性もあるということです。
なぜなら、委託企業が求める成果を出すためには、BPOベンダーとの具体的な要件定義を行うことが必要不可欠であり、要件定義を行うにも両者には業務に関する情報の格差がどうしても存在するため、コミュニケーションによってその格差を埋めなければいけません。

要件を明確化するためのコミュニケーションというのが難しく、うまく行うことができなかった場合、BPOベンダーがスキルセットを十分に有していながらも、成果を上げることができなくなってしまうことがあるのです。

考慮するべき3つのコミュニケーション

委託企業とBPOベンダーとの間でのコミュニケーションで最大限考慮するべきことは以下3つです。

①現状の課題に基づく要件のすり合わせ
②定期的な進捗報告とフィードバック
③業務範囲の拡大提案と柔軟な調整

委託企業とBPOベンダーとのコミュニケーションは委託開始後だけでなく委託開始前から始まっています。

①現状の課題に基づく要件のすり合わせ

委託開始前の段階で、以下の要件をすり合わせる必要があります。

  • 現状の課題

  • 求める成果と業務範囲

  • 求める成果の再現性

  • 成果までのプロセス

この要件のすり合わせのコミュニケーションが最も難しく、委託企業ですら要件に対する解像度が低い場合が多いため、BPOベンダー側も正しく要件を整理できるスキルが求められます。

②定期的な進捗報告とフィードバック

①の要件のすり合わせについては、上述の通り難易度が高く、適切に行えているケースの方が少ないため、委託開始後も、相互に定期的な進捗報告とフィードバックを行うことで、業務範囲やプロセス、期待値の再調整など軌道修正を行うことが必要になります。

まず委託開始時にはキックオフMTGを行い、要件の全体像を相互に再確認する場を設けます。
そして委託が本格的に開始してからは、数か月以上に及ぶ案件であれば月に1回、3か月以内の短期プロジェクトであれば2週間に1回程度の頻度で進捗報告・フィードバックを行うのがよいでしょう。

③業務範囲の拡大提案と柔軟な調整

カスタマーサクセス部門における業務は、委託企業のステージの変化とともに拡大・高度化するものです。
当初は顧客対応業務の補完が主であったものが、次第にナレッジ管理や業務フロー整備といった高付加価値業務へとシフトしていくといったこともあります。

BPOベンダー側がこうした業務の拡大・高度化に対して拡大提案ができ、委託企業側もその提案に対して、柔軟に対応できる体制が望ましいと言えます。

わかってはいてもなかなか難しい

とはいえ、上記に記載した3つのポイントは頭でわかってはいても、ちゃんと実施できているケースは極めて少ないです。

カスタマーサクセスBPOを活用するときというのは往々にしてリソースが不足しているときであり、このリソース不足というCS領域での根源的な問題によって、要件に対しての解像度が低い状態のままで委託開始をしてしまうというケースが非常に多くなっています。
また、BPOベンダー側も委託開始後のフォロー体制が整っておらず、案件の軌道修正がうまくできなかったり、業務の拡大提案に対応できないといったことが多いのです。

過去の失敗事例

要件のすり合わせが解像度が低いまま軌道修正が出来ずに失敗してしまった事例です。

サービス導入後の顧客対応をハイタッチで支援してほしいというSaaS企業からのリクエストがありました。ただ、求める成果が短期間でのエクスパンションでした。

エクスパンションというのは通常はオンボーディングやアダプションが出来たその先の成果であるわけですが、今回の事例の場合は、実はPMF以前のプロダクトを持つ企業への支援であったため、蓋を開けてみたらそもそもオンボーディングもまだ整っていない状態だったのです。
そのような状態で短い期間でのエクスパンションというのは、適切なステップを踏んでいないため実現することが困難かつ再現性が低いため、カスタマーサクセスとして業務フローを固めることができず、なかなか成果には結びつけにくいです。(実際この企業の場合はまだエクスパンションの事例が1件も作れていない状態でした。)

このようなケースでは、まず委託開始前の段階で、委託企業側での現状の課題の整理をすることが大前提必要であり、求める成果に結びつくためのロードマップを作っていく双方のコミュニケーションが必要ではありました。
また委託開始後の軌道修正が出来なかったことも成果に結びつかなかった要因でした。

上記のようなケースはカスタマーサクセスの領域ではよく起こっています。
なぜなら他の領域のBPOと比べると、カスタマーサクセスBPO自体がまだまだ主流ではなく、委託企業もどのようなコミュニケーションを取るべきかがわかっておらず、またBPOベンダーですらもコントロールが出来ていない場合も少なくないからです。

最適なコミュニケーションで、より成果に結びつきやすいBPO活用

弊社ではCS組織の設計に精通したコンサルタントが、企業ごとの要件定義を行い、より成果に結びつきやすいBPO活用のご提案をすることができます。
また、顧客対応メインのカスタマーサクセスBPOだけでなく、複数のプロジェクト型カスタマーサクセスBPOサービスを展開しているので、委託開始後の業務拡大提案にも柔軟に対応することができ、委託企業のCS組織の成長に合わせたサービス提供が可能です。

委託企業とBPOベンダーとの間で最適なコミュニケーションがとられることは、BPO活用の成果に繋げるための第一歩です。
双方での良好なパートナーシップ関係のもと、企業のビジネスの拡大につながるBPO活用を行っていきましょう。

無料のカウンセリングにて要件を一緒に整理したうえで最適なBPOサービスをご提案させていただきますので、お気軽にご相談いただければと思います。
また、Twitterでも最新情報や有益な情報を発信していますので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです。

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