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「強み」が見いだせず「コミュニケーション」も苦手な私が、広報になって大切にしているたった1つのこと

この記事は PX Advent Calendar 2023 Spring の18日目の記事です。

こんにちは。「お店のデジタル、まるっと」の STORES で広報をしているたなかです。このnoteでは、自分の強みが見いだせないことに悩んでいた私が、広報担当になって大切にしていることについて書いてみたいと思います。

それは、「悩んだら、”わけもなく惹かれる人”の近くに行ってみる(※)」です。(※この言葉は、働き方研究家の西村佳哲さんが、あるメディアでお話されていたものです。https://greenz.jp/2014/04/03/nishimura_yoshiaki/

少しでも、同じ悩みを抱えている方のお役に立てれば嬉しいです。

仕事において「強み」がない

広報をされている方には、様々な強みを持った方々がいらっしゃると思います。企画立案、情報発信、文章、コミュニケーション……。
しかし、私自身は、自分が得意とすることが明確ではなく、どの分野においても突出した強みを持っていないことが悩みでした。

おまけに、ストレングスファインダー(※)の結果では「コミュニケーション」が最下位。「やっぱりそうか」とうなずきながら、「この結果は、社内外の多くの方と関わる広報として大丈夫なのか……」とちょっとへこみました。(※)米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツール

一方で、ストレングスファインダーで強みとして出たのは「慎重さ」「未来志向」「共感性」「適応性」「収集心」。
気になることをとことん調べるのが好きで、同僚や友人にも「どうやって見つけたの?」と聞かれることもあったので、「収集心は自分の強みになるかもしれないな......!」と思い、これを機に「収集心」を活かした広報を目指してみることにしました。

ライタースクールで学んだ心得

「収集心を活かすぞ!」と書いておきながら、一方で「STORES のサービスを利用してくれているオーナーさん(※)への解像度が低い」ことも課題でした。それは、自分自身でつかんだ「一次情報」が圧倒的に少なかったからです。(※STORES では、サービスの利用事業者さまを「オーナーさん」と呼んでいます)

STORES はオーナーさんの「商い」を支えるサービスを提供しているからこそ、たくさんの方にオーナーさんのことを伝え、そしてオーナーさんのことを知ってもらうことが大事だと私は考えています。
それなのに、社内外の方との会話で、素敵なオーナーさんのことを紹介しようとしても、少し踏み込んだことや肝心なところについて、伝えきれない。どんな場所で、どんな人が働いていて、どんな風に商品が作られているのか、しっかり理解できていない。そんな自分に悔しさを感じることもありました。

少し話がそれますが、ちょうど同じ頃に、文章力を上げたいと思い「ライタースクール」に通っていました。たくさん学んだことはあったのですが、一番記憶に残っているのが「できるだけ現地へ行きなさい」「自分の経験の密度をあげなさい」という言葉。

それからしばらく経ったころに、ふと思ったのです。
誰かに聞いたり、インターネットで調べたりしても情報はたくさん集められるけれど、やっぱり限界がある。今の私に必要なのは、「現地へ行くこと、オーナーさんに会いに行くことだ……!」

いざ、オーナーさんの元へ

気づいたらオーナーさんである熊本県南関町の「ヤマチク」さんの本社に到着していました。
ヤマチクさんは熊本県のお箸のメーカーで、国産の天然竹を用いて「竹のお箸」を作り続けられています。私自身もヤマチクさんのお箸を使っていることもあり、いつか訪ねてみたいなと思っていました。

お伺いした日は、ヤマチクさんの工場での「ファクトリーイベント」開催日。最寄駅から車で20分ほど離れた場所ですが、来場者は3日間でなんと約1300名!県内外からのお客さんで賑わっていました。

そして私が一番楽しみにしていたのが「ファクトリーツアー(工場見学)」です。

ここで、ファクトリーツアーの一部をご紹介!

お箸の原型である青竹。この竹がお箸に変わっていきます!
竹を割って、棒状にして…
お箸になってきた!
乾燥させたり……
選別したり……
丁寧に削ったり……
お箸に色を塗って……
天面にも塗って……
色合いの近い2本のお箸をセットにして完成!

ファクトリーツアーで驚いたのが工場内の「香り」。ヤマチクさんの工場では、竹がお箸へと変わっていく様子を「嗅覚」でも感じられたのです。最初は「青竹」のみずみずしい香り、加工が進むと香ばしい香り……。ファクトリーツアーに参加したからこそ「ものづくりの中には“香り”がある」と知ることができました。

そして、ヤマチクさんを訪ねて、何よりも印象的だったのが、働いていらっしゃる皆さんが、とても魅力的だったこと。

繊細な加工作業をニコニコとものすごいスピードでされているベテランの方、お箸づくりの工程を、一つひとつを丁寧に案内してくださる方、お箸のためだけに作られた作業道具を「このカラクリがおもしろいでしょ〜!」と教えてくださった方。

お話させていただいた方の言葉からは、お箸づくりへの誇りや愛情を感じ、声や表情からは、仕事を楽しんでいらっしゃることを強く感じたのでした。

そんな皆さんを前にすると、「自分がこれまでやってきた仕事はどうだったか?」と、一つひとつを振り返らずにはいられなくなりました。

「全国どこへでも、オーナーさんに会いに行く」

これが今「広報」という仕事をする中で、大切にしていることです。
今はまだ、強みと呼べるものはないし、日々うまくいかずに悩むこともたくさんあります。けれど、最近は「どこへでも会いに行く」を大切にする広報がいたって良いんじゃないかと思うようになりました。

もちろん現地へ行かずとも、オンラインでお話を聞いたり、お電話でお話を聞いたりすることもできます。しかし、その場に身を置くことで、間違いなく「知る」密度は高くなります。

例えば、工場での「香り」については、きっと現地に行かないと気づけなかったし、どんな方が、どんな風に働いていらっしゃるかも、インターネット上で全てを知ることはできません。帰りのタクシーで運転手さんから聞いた「南関町が高齢化が進んでいることや、乗合タクシーが交通手段」となっていることなども、ヤマチクさんの本社に行かないと知らないままだったかもしれないなと思います。

ただ会いに行くことで、オーナーさんのお困りごとをその場で解決できたり、何かがすぐに良くなったりするわけではない。けれど、現地へ行くことで生まれた「新たな気づきや発見」を、「広報」という仕事を通して、もっと広く届けていくことができたら。もっともっと、オーナーさんのことをたくさんの人に知ってもらうことができたら。

そんなことを思いながら、これからもオーナーさんの元へと足を運び続けたい。そして、たくさんの気づきや学びをくださったオーナーさんへ、少しずつお返ししていけたらと思っています。

なんと…ヤマチクさんに STORES のノベルティお箸を製作いただきました!

STORES の5周年を記念して、STORES のコーポレートカラーをまとったお箸を製作いただきました!

ヤマチクの専務 山﨑さんからは、「この色を出すのは難しく、担当の方が手で1本1本漆を塗り、少し磨いてから、また漆を塗り重ねて、ようやく実現できた」とお聞きしました。

そんなヤマチクのみなさんのお知恵と技術がぎゅっとつまったお箸は、STORES にご入社された方へプレゼントしております!


(打ち合わせの際には、山﨑さんが直々に STORES オフィスまでお越しくださり、今回のプロジェクトを担当した STORES のメンバーへ、どんな加工から形状の違いが生まれるのか、色の違いはどうやって生まれるのか、塗装でどんな表現ができるかなど、ひとつ一つ丁寧に教えてくださいました!山﨑さん、本当にありがとうございました!)

そして、ヤマチクさんは2023年で創業60年。11月11日(箸の日!)には新たにファクトリーショップ「拝啓」も開業予定とのこと。お箸づくりの背景や、ヤマチクさんについてもっと知りたいという方は、ぜひ熊本県南関町へ訪れてみてくださいね。

ヤマチクさんについてのインタビュー記事はこちら

ヤマチクさんのネットショップはこちら 

STORES のオーナーさんについては「ひとつまみ」から!

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