ナレッジワークにおけるQAエンジニア向けのスキル面接とオンボーディングについて
2023年5月にQAエンジニアとしてナレッジワークにジョインしたtettan(@TetsuayaKouno)です。
現在のQA グループはQAマネージャ1名、QAエンジニア3名の体制になっており、私は4人目のQAメンバーとしてジョインしました。
入社して間もないということもあるので、この記事では、以下の2点をお伝えいたします。
ナレッジワークの選考におけるQAエンジニアのスキル面接について
入社後、1ヶ月半の間にナレッジワークで取り組んだこと
前者のスキル面接ですが、ソフトウェアエンジニアの場合、コーディング形式のスキル面接が一般的で当社も同様の面接(参考記事)を実施しています。
一方でナレッジワークのQAエンジニアの選考では、主にテスト設計スキルをチェックするための面接を実施しています。そのあたりの背景や意図を解説することでスキル面接の解像度が高くなり、当社の選考に興味を持っていただいたり、スキル面接の準備に役立ったりしたら嬉しいです。さらに他社のQA組織で、QAエンジニア向けのスキル面接を検討されている方にも少しは参考になるかもしれません。
後者のナレッジワークでの取り組みでは、QAエンジニアとして入社いただいた後のイメージを伝えられたらと思い紹介をしています。
スキル面接を受けた経験談
スキル面接の流れ
では、本題に移りたいと思います。私の選考の中で実施されたスキル面接について解説していきます。なお、現在はスキル面接の形式が変更されていますので、変更後の詳細は次節で紹介します。
1.スキル面接用の事前課題が送られてくる
応募をしたら、人事の方から仕様書(minispec)と一緒に課題が書かれた資料が共有されます。課題は大きく3つに分かれます。このminispecは当社のプロダクト「ナレッジワーク」の一機能の仕様が書かれたものになります。
自然言語で書かれた仕様からある画面に表示される要素を整理して書き出す→仕様分析のスキルチェック
minispecに対してテスト設計を行う→テスト設計のスキルチェック
テストするときに気をつける点を記述する→テスト全般のスキルチェック
2.課題をこなして提出する
3つの課題を一週間以内にこなし、資料を作成し提出します。提出する資料の形式は問われませんでした。
3.課題と提出した資料をベースに60分のスキル面接が実施される
面接官はある程度、提出した資料を読み込んだ上で、応募者と技術的なディスカッションを行います。例えば、テスト設計するにあたってなぜそのような形式を選んだのか?、普段の業務はどのような形式でテスト設計を行っているのか?、仕様に対してのツッコミどころや疑問点などのトピックで議論を行います。テスト設計書を同僚と一緒にレビューしているのをイメージするとわかりやすいかもしれません。
ちなみに、現在所属している4人のQAメンバーはこちらのスキル面接を受けています。
経験談と感想
まず始めに、事前課題を見て、「えー」と悲鳴を上げた記憶があります。それは、minispec がA4で4枚、結構なボリュームがあったことで悲鳴が上がりました。正直、面倒くさいなーとネガティブに捉えた反面、きちんとスキルをチェックするような選考をしているのだなとポジティブに考えを改めました。
そして、せっかくの機会なので、仕様をしっかり読み込んだ上で、がっつりテスト設計をやろうと思って休日を一日潰して、課題をこなした記憶があります。その頃は業務でもそれほどテスト設計をやる機会がなかったので久しぶりにテスト設計脳を使い、意外と楽しみながら課題をこなしていきました。
次に、スキル面接では、自分の設計したテスト設計の成果物に対して、第三者からコメントをもらえたり、ディスカッションができたりと、たくさんの気づきがある良い体験になりました。今までの転職で課題を提出したことはいくつかありますが、それに対して詳しい評価をもらったり、ディスカッションしたりしたことがなかったため、この面接は良い仕組みだと感じたのは記憶に残っています。
現在のスキル面接
スキル面接の形式を変えた背景
私の経験談でも述べたように、以前のスキル面接の事前課題のボリュームが大きく、それなりの時間と労力が必要でした。また、応募される方は、通常業務を抱えたまま転職活動を進められており、かつ他社も同時並行で応募されているとなると、一週間という期間はあるもののかなりの負荷になることは容易に想像できると思います。
実際に、事前課題を提示した段階で選考を辞退されるケースも何件かあったようで、もう少し負荷を軽減するような形式に変更することになったようです。
このあたりの形式をどうするかという点には、メリット・デメリットがあるため、事業フェーズや採用の緊急度などを加味して、スキル面接を設計していくことが重要ではないかと思っています。
現在の形式
以上の背景があり、スキル面接に見直しがかかり、以下の現在の形式に変更されたようです。どちらかというとコーディング面接に近いかもしれません。
具体的には次のような流れになります。
1.スキル面接の中でテスト設計を行う
変更後のスキル面接は90分で実施されます。まず最初にプロダクト「ナレッジワーク」の一機能を取り上げ、それをテスト対象とし、その仕様の説明を行います。
次に、応募者のお好みのテキストエディターやスプレッドシート(ツールは自由に使用可能)を開き、画面共有した上でリアルにテスト設計を行ってもらいます。テスト設計を行う上では、面接官に質問することも可能ですし、ネットで検索しても良いです。基本的に普段の業務と同じ感じで進めてもらうようにしています。
一通りテスト設計を終えたら、どのような思考でテスト設計を行っているのかを確認したり、テスト設計成果物をベースにディスカッションを行います。
2.事前課題はないが事前準備が必要
事前課題はなくなりましたが、スキル面接でいきなり仕様の説明をしても「ナレッジワーク」はBtoBのプロダクトなので、応募者に仕様をすぐに理解してもらうことが難しいと想定されます。そのため、テスト用のアカウントを発行し、「ナレッジワーク」に触れる環境を提供しています。加えて、スキル面接でどのあたりの機能を取り上げるのかをお伝えし、事前に予習ができるような工夫をしています。
以上のように、重めの形式から軽めの形式に移行しましたが、移行後の選考数がそれほど積み上がったわけではないので、今後も試行錯誤を続けていくことになりそうです。
入社後に取り組んだこと
では、話を変えて、私が入社後に行ったオンボーディングについて紹介します。
導入オンボーディング
まず、入社してすぐに全社共通のオンボーディングに取り掛かりました。そのオンボーディングが終わり次第、次に、QAグループのオンボーディングに移りました。
このオンボーディングは、開発や環境で使うアカウンの発行や確認、それから自分がテストで使用するためのテスト環境の構築などを行いました。
全社・QAグループともにタスクリストが用意されていて、それを消化するような感じで見通しよく進められました。
QA業務オンボーディング
Sprint 内のQA業務
導入オンボーディングを大体2週間くらいで完了し、それからQA業務オンボーディングに移りました。まずは、Sprint内で開発を進めた小さな機能に対してテスト分析・テスト設計・テスト実行を担当しました。既存の機能や仕様がわかっていないところも多かったので、メンターのQAエンジニアのサポートを受けつつ進めました。
この業務を通して、スクラム開発の中での一連のQA業務の流れが理解できました。
テスト自動化
その次は、一つのテストケースに対して自動テストを実装して、プルリクエストの作成、レビューとマージまでを、他のQAエンジニアの支援を受けながら進めました。
この業務を通して、一連の自動テストの流れが理解できました。
ちなみに、当社では、自動テストは Playwright を使って書いています。
QA グループ内の取り組み
テスト自動化を進めつつ、QA グループ内の以下の2つの取り組みにも着手しました。
複数プロダクトの開発に向けたテストのプロセスの整理
QAメンバー向けのスキルマップの作成
これらの取り組みは現在進行形で進めていますので、まとまり次第、ブログなどでレポートしたいと思っています。
おわりに
本記事では、まず私が選考を進めたときのスキル面接を説明し、それから現在のスキル面接を解説しました。この解説によって、当社のスキル面接がより具体的にイメージができ、選考に興味を持って頂ければ嬉しいです。
次に、私が一ヶ月半でナレッジワークで取り組んだことを概説しました。QAエンジニアとして割りとバランスよくバリエーションのある業務がこなせて、成長できる環境が整っているように感じています。また、ソフトウェアエンジニアとのコミュニケーションもスムーズなので、そのような点でもQAエンジニアとして良い環境で業務にフォーカスできるように思います。
最後に、QAグループは「あらゆる人に高い品質でイネーブルメントの体験を届ける」というミッションのもと、現在は4人で活動しています。
ナレッジワークのQAのことをもっと知りたい方は、こちらの2つの記事を見てもらえれば、より解像度が上がると思います。
ナレッジワークでは、QAエンジニアを含む様々なエンジニアポジションで採用募集を行っています。ナレッジワークに少しでも興味がある方、カジュアルにお話しましょう!