「自分らしさ」を追求し続けた18年間。これからも”導かれた道“を信じて
大反対だった母が、「あやかを認めているからね」と言った
━━大田さんが、美容師を目指したきっかけを教えてください。
大田:中高生の頃から、だいすきな”ものづくり”に携わりたいという想いがありました。
美大に行ってデザイナーを目指すのも考えましたが、技術を習得し、職人として目指せるのは、なんとなく「美容師」だなと思ったんです。
わたしは、父が医師、母が看護師、兄が薬剤師という家系で育ちました。美容師を志すことを父は応援してくれましたが、母にはものすごく反対されて……。
でも、自分の夢を諦めたくはなかったので、事後報告で母に告げたんです。
━━そんな過去があったのですね。離職率が高い美容業界ですが、太田さんも「辞めたい」と思った瞬間はありましたか?
大田:反対を押し切って美容師になったので、なかなか弱音を吐けない苦しさはありました。ただ「途中で諦めてたまるもんか……!」と原動力になれたので、結果的にはよかったのかなと。
いまでは、母はわたしのことを、心の底から応援してくれています。
母が反対していた背景には、先入観があったんです。誤解を恐れずにいうと、”美容師は勉強を諦めた人がなる職業”と思い込んでいたみたいで……。
自分の実力を試したかったので、何度もコンテストに挑戦し、コンテスターにも選ばれるようになりました。
もちろん、挑戦してきた過程のなかで、挫折を味わったこともあります。
そんなわたしに、母は「思うような結果は出なかったかもしれない。でも、お母さんはあやかを認めているからね」と声をかけてくれて。思わずじんと来ましたね……。
挑戦する娘の姿をみて、母の先入観が溶けていったのだと思います。
もし、美容師になることを反対されたとしても、決して諦めないでほしいです。誇りを持って仕事をすることで、わかってくれる日が、きっとくるはずです。
18年間、淡々と技術を磨いた先で”みえた世界”
━━これまでの美容師人生を教えてください。
大田:専門学校を卒業し、すぐに上京しています。大阪から夜行バスに乗り、約20店舗のサロン見学をしました。
心の底から”働きたい”と思える環境で、技術を磨きたくて。幸い、ビビッときたサロンに出会い、面接。無事に内定をいただき、18年間お世話になりました。
”教育”に力を注いでいる恵まれた環境でした。技術から言葉遣いや身だしなみまで、包括的に学べたのがいちばんの財産です。
撮影・セミナー・ヘアショーなど、色んな経験をさせていただき、念願だったトップスタイリストに。
同時に、店舗の”教育責任者”にも任命していただき、トップスタイリストとマネジメントの両方を学ばせてもらえました。
幅広く成長できる機会をいただき、ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。
━━順風満帆そうに思えますが、フリーランスに転身したきっかけを教えてください。
大田:「技術者として、もっと一人前になりたい、強くなりたい」と思ったんです。やっぱりわたしは、職人気質なんですよね。
そして、約6年前から”海外で働きたい”という夢がありました。いろんな想いが重なり、いまの選択に至ったのだと思います。
以前のサロンでは、カット専門のスタイリストをしていました。だけど、カラーもやりたかったんです。
”やりたいこと”や”こだわり”をもっと広範囲で手がけていくためには、「フリーランス」がわたしにとって最適解な気がして。
そんな想いから、思いきって独立しました。
嘘をつかずに、誠実に
大田:拠点はシェアサロン『サロンビレッジ』にきめました。”個室専有”と聞いて、即決でしたね。
”表現”がすきなわたしには、最高の空間なんです。
こだわりのアイテムを置くことで、空間から演出でき、より”わたしらしく”働けるようになりました。
━━よろこんでいただけて嬉しいです。施術でのこだわりを教えていただけますか?
大田:「再現性」と「その人らしさ」を、何よりも大切にしています。
お客さまの骨格・髪質を瞬時に判断し、雰囲気や顔立ちにフィットする、最適なヘアデザインを提案しています。
私自身……とってもズボラなんです。美容師なのに、髪を乾かさずに寝たりすることもあるので(笑)。
わたしみたいなズボラな人でも、簡単にキマってしっくり来るヘアスタイルって、とても魅力だと思うんですよね。
━━なるほど。接客で心がけていることはありますか?
大田:お客さまが大好きなので、真心を持って接客してます。
わたしは”パワースポット“のような美容師でありたいと思っています。わたしの施術や会話で元気になってもらえたら、これ以上うれしいことはありません。
また、誠実であること、嘘をつかないことも徹底していますね。
時には、失敗することもあります。
そんな時こそ、お客さまの理想通りにいかなかった理由をしっかり説明し、その後の対応もあわせてお伝えしています。
「もしよろしければ、再度お直しをさせていただけませんか?」とお願いすることもありました。
……自分が描くイメージに、妥協したくないんです。
プロとして当然のことだと思うので、これからも”嘘をつかないこと”を守りつづけたいです。
━━すごくかっこいいです。最後に、大田さんの夢を教えていただけますか?
大田:”旅”と”美容師”をあわせた働き方を実現したいです。
先述したように、むかしから旅がだいすきで、ずっと「海外で働きたい」という夢を持ちつづけています。
台湾で拠点を構えようと思っていましたが、コロナで中止になってしまって。いまでは、行けなくなったのも”ご縁”だと考えていますが。
いつか、海外を行き来しながら、仕事ができると楽しそうだなって思ってます。
わたしは好きなことしかできません。
好きだからこそ、継続できる。継続するなかで、実力が付く。実力が付くと、お客さまが喜んでくれる━━これを「幸せサイクル」と呼んでいて、ずっと忘れずにいたいです。
これまでのわたしは、酸いも甘いもたくさん経験しました。
コンテストでは挫折と達成を味わい、苦手な経営にも挑戦。1日15人以上のお客さまと共にするなかで、お叱りの言葉をいただくこともありました。
それでも日々、愚直に向き合ったからこそ、後悔は微塵もないんです。
いまはフリーランスという、自由と責任が伴う、刺激的な環境にいます。より幅広くチャレンジしていき、もっと成長していきたいです。
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取材・文/ヌイ(@nui_nounai)
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