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栄養指導



食品カテゴリーマップについて

食品カテゴリーマップとは

「食品カテゴリーマップ」

食品カテゴリーマップとは一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会が考案した栄養管理を適切かつ効率的におこなうためのコミュニケーションツールです。

食品カテゴリーマップをクライアントと指導者間の「共通言語」とすることで、食品選択力の向上、自己管理能力の向上が可能になります。

このマップでは、食品に含まれる「主成分」の違いによって、食品を7つのカテゴリーに分類しています。

7つのカテゴリーに分類し食事管理することで、栄養学の知識がない方でも食生活の変容が行えるようになります。

カテゴリー1の摂取

概要・目的

カテゴリー1には、主食となる食品が当てはまります。

それらの食品は、体脂肪に変わりにくいデンプンという糖質を多く含んでおり、身体や脳のエネルギー源として使われます。 健康維持や身体作りに必須の栄養素であり、体格・運動量・目的に合わせた摂取量の調節が大切です。

摂取するタイミング

・毎食
・トレーニング後の補食(カテゴリー2と合わせて摂ることをおすすめします)

食品例

・米飯、穀類
・パン
・麺類(パスタ、そば、うどん、中華麺など)
・いも類
・栗
・とうもろこし
・かぼちゃ
・れんこん
・大豆以外の豆類

注意点

一般的な「主食」のイメージよりも範囲が広い
「主食」と聞いて一般的にイメージされるのは、「ごはん」「パン」「麺類」ですが、かぼちゃ、れんこん、大豆以外の豆類(空豆やグリーンピース)など、意外なものもカテゴリー1に該当します。

カテゴリー1の摂取を控えているつもりでも、上記のような食品から気づかずに摂取している可能性がありますので注意してください。

ダイエットの場合は少なめ、筋肉量アップの場合は多め
カテゴリー1は過剰に摂取し過ぎても、少な過ぎても問題ですが、安全な範囲で摂取量を調整することが重要です。

例えば、カテゴリー1の摂取量を適度に抑えると血糖値がやや低くなり、代わりのエネルギー源として体脂肪が燃やされるため、ダイエット効果が期待できます。

また、カテゴリー1の摂取量を適度に増やすと、血糖値がやや高くなり、筋肉に十分な栄養とエネルギーが送られるため、筋量の増加や筋力アップが期待できます。

摂りすぎ・欠食のリスク
「ラーメンとチャーハン」「うどんとおにぎり」などカテゴリー1の「合わせ食い」は過剰摂取になりやすく、肥満の原因となります。

一方、カテゴリー1の欠食が習慣化してしまうと副腎や甲状腺の機能低下を招き、かえって代謝や体脂肪燃焼効率を低下させてしまうため、欠食も望ましくありません。 ダイエットを目的とする際もカテゴリー1の欠食はせず、少量を摂取するよう心がけてください。

主なはたらき

血糖値の維持
カテゴリー1には血糖値を維持し、低血糖による不調や食欲の増大を抑える働きがあります。原則、毎食摂取することをおすすめします。

心の安定
カテゴリー1の摂取により、心を安定させる神経伝達物質「セロトニン」の生成を促進します。

「理由もなく不安になる」「手が震える」「眼がかすむ」「冷や汗をかく」「動悸がする」「眠りが浅い」などの症状を頻繁に経験する場合、カテゴリー1が不足している可能性があります。

体脂肪の燃焼
カテゴリー1は「ダイエットの敵」というイメージを持たれやすいですが、肝グリコーゲンを満たしきらない程度(少量)の摂取量に調節することで、体脂肪燃焼が起こりやすくなります。

ただし、過剰に摂取すると肝臓から溢れた糖質が中性脂肪へと変わるため、肥満に繋がります。適切な摂取量を心がけてください。

カテゴリー2の摂取

概要・目的

カテゴリー2には、主菜となる食品が当てはまります。

主菜とは、「たんぱく質」と「脂質」の両方を含む食品で、肉類、鶏卵、魚介類、大豆食品などが該当します。

特に「たんぱく質」には筋肉や骨など人の身体を作る重要なはたらきがあり、健康な生活を送る上で摂取が欠かせないカテゴリーです。

摂取するタイミング

・毎食
・トレーニング後の補食(カテゴリー1と合わせてがオススメです)

食品例と特徴

カテゴリー2は、脂質含量の違いによって「カテゴリー2A〜2E」にさらに分類されます。 脂質の量は少ない順に「A<B<C<D<E」となります。

カテゴリー2A:大豆製品
・豆腐
・納豆
・豆乳
・枝豆

カテゴリー2Aは植物性たんぱく質のためビタミンB12を含みません。 ビタミンB12は神経細胞や赤血球の正常な成長に関与する重要な栄養素の一つで、不足が慢性化すると貧血を引き起こす可能性があります。

ダイエットの際に「脂質が少ない」という理由でカテゴリー2A(大豆)に偏ってタンパク質を摂取することは上記のようなリスクを伴うため、カテゴリー2B〜2Eも含めバランスよく摂取してください。

カテゴリー2B:貝類など
・イカ
・タコ
・エビ
・カニ
・貝類
・魚卵
・魚の内臓

カテゴリー2Bにはコレステロールとプリン体が多く含まれているため、「高コレステロール血症」や「痛風」を抱えている場合は摂取を控えた方がいい食品です。 また、高コレステロール血症や痛風の場合は、カテゴリー6,7(お菓子、お酒類)の過剰摂取にも合わせて注意しましょう。

カテゴリー2C:魚類・練り製品
・魚類
・その加工品(かまぼこやちくわなどの練り製品)

カテゴリー2Cの練り製品には、少量ですが糖質が含まれるものがありますので、糖質の量を制限したい場合には注意が必要です。

カテゴリー2D:鶏・卵
・鶏肉
・鶏卵
・鴨など鳥類の肉全般

カテゴリー2Dは比較的脂質が少なく、食事の中に取り入れやすい食品です。

カテゴリー2E:牛・豚など
・牛肉
・豚肉
・その他4本足の動物(鹿、馬、羊など)
・それらの肉加工品(ソーセージ、ハムなど)

カテゴリー2Eは脂質を多く含みます。 特に飽和脂肪酸が多く含まれ、過剰になると生活習慣病のリスクにもなり得ます。

また、肉類の中でも特に脂質の多い「ベーコン」「バラ肉」はカテゴリー2Eではなくカテゴリー5(多脂性食品)として扱うので注意が必要です。カテゴリー3の摂取

注意点

欠食のリスク
カテゴリー2には「たんぱく質」「ビタミンB12」など重要な栄養素が含まれており、不足が慢性化すると「貧血」「浮腫みやすい」など様々な不調を引き起こします。

過剰摂取のリスク
カテゴリー2は健康維持に必要不可欠な食品ですが、「脂質」「コレステロール」「プリン体」などが多く含まれる食品もあり、過剰摂取は生活習慣病の原因となります。

2A〜2Eのバランスの良い摂取が必要
カテゴリー2A〜Eのいずれかのみではなく、バランスよく摂取することで、ビタミンやミネラル不足を予防しながら、高脂肪食を避けることができます。

また、食品をバランスよく選択しても、「油で揚げる」「ソースをかける」などの調理加工が多くなり過ぎると、栄養バランスが崩れてしまうことがあるため注意が必要です。

カテゴリー3の摂取

概要・目的

カテゴリー3は、副菜のカテゴリーです。

副菜とは、食物繊維、ビタミン、ミネラルを含む食品です。 主に野菜、きのこ、海藻、こんにゃくなどがこのカテゴリーに分類されます。

他のカテゴリーに比べてカロリーが非常に低いカロリーが非常に低く、量を気にせず食べることができます。 また、食物繊維が多く含まれているカテゴリーのため、腸内環境を良好に保つはたらきがあります。

摂取するタイミング

・毎食

食品例

・緑黄色野菜
・淡色野菜
・ブロッコリー
・トマト
・たまねぎ
・オクラ
・もやし
・きのこ類
・海藻類
・ひじき
・こんにゃく

注意点

調味料のかけすぎに注意
カテゴリー3を摂取する際によく用いられる「ドレッシング」「マヨネーズ」はカテゴリー5(摂取を控えるカテゴリーの食品)になるため、かけ過ぎに注意しましょう。ノンオイルドレッシングを選ぶことで低カロリー化しやすくなります。

主なはたらき

血糖値・中性脂肪の上昇抑制
食事の最初にカテゴリー3を食べることで、食後の血糖値・中性脂肪の上昇を緩やかにする働きがあります。

食物繊維による便通・腸内環境の改善
カテゴリー3には食物繊維が多く含まれ、腸内環境と便秘の改善にも大きく関係しています。 食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。

不溶性食物繊維
不溶性食物繊維はおもにきのこ類に多く含まれます。 不溶性食物繊維は便を形作るはたらきがあるため、下痢の改善には不溶性食物繊維が豊富な食品を選びましょう。

水溶性食物繊維
水溶性食物繊維はおもにたまねぎ、海藻類などに多く含まれます。 水溶性食物繊維は便を柔らかくするはたらきがあるため、便秘の改善には水溶性食物繊維が豊富な食品を選びましょう。 また、水溶性食物繊維には腸内環境を改善し、免疫を正常化して花粉症などを改善する効果もあります。

摂取を控えるカテゴリー

概要・目的


AZCARE TRACKSの栄養プログラムにおいては、 「カテゴリー1,2,3をバランスよく摂ることで、必要な栄養素を十分摂ることができる」

という考えのもと、カテゴリー4,5,6,7は基本的に摂取しないことが望ましい食品として扱います。

カテゴリー1,2,3を食生活の中心とし、カテゴリー4,5,6,7は調味料程度の少量に抑えることで肥満や不調を予防することにつながります。

食品例

カテゴリー4:乳製品
・牛乳
・ヨーグルト
・チーズ
・その他乳製品全般

カテゴリー5:多脂性食品油
・バター
・マーガリン
・ナッツ、アーモンド
・アボカド
・マヨネーズ
・ドレッシング
・ベーコン
・バラ肉
など

※肉類でも特に脂質の多い「ベーコン」「バラ肉」はカテゴリー5として取り扱うので注意が必要です。

カテゴリー6:嗜好食品
・清涼飲料水(ジュース、乳酸菌飲料など)
・お菓子、アイス
・果物

カテゴリー7:アルコール
酒類、アルコールを含む飲料

カテゴリー4(乳製品)について

乳製品は体によいイメージをもたれることも多いですが、「乳糖」「乳脂質」「乳たんぱく」を多く含むため、成人が一般的な生活を送る上では、摂取するとカロリーが過剰になりやすい食品です。

例外として、乳幼児やアスリートなど「身体作り」のために多くの栄養を摂る必要がある場合は、摂取することで効率的な成長に繋がることがあります。

また、乳製品を摂るとお腹を壊しやすい方は「乳糖不耐症」の可能性があり、カテゴリー4の摂取が消化吸収の妨げになることもあります。

カテゴリー5(多脂性食品)について

カテゴリー5は脂質を多く含む多脂性食品が当てはまり、高カロリーになりやすい食品です。 アボカドやナッツ類は「体によい油やビタミンが含まれる」イメージがありますが脂質であり、過剰摂取は肥満に繋がります。

また、消化能力が弱い方はカテゴリー5を摂るとお腹を壊す可能性があり、カテゴリー5の摂取が消化吸収の妨げになることもあります。

カテゴリー6(嗜好食品)について

カテゴリー6は果糖を含む食品があてはまります。 果糖は肝臓で脂肪に変化されやすく、摂り過ぎは肥満や脂肪肝のリスクを増加させるため気をつけた方がよい糖です。

カテゴリー6の中でも特に清涼飲料水や菓子類に果糖が多く含まれるため、これらは意識的に減らすようにしましょう。

カテゴリー7(アルコール)について

アルコールは栄養素的な価値がなく「エンプティカロリー」と呼ばれます。 カテゴリー7はアルコールを含む飲料であり、栄養素が乏しいだけではなく、肝機能を低下させて糖質と脂質の代謝をストップさせてダイエットの進行を妨げる食品です。

またアルコール代謝に亜鉛が無駄使いされてしまうため、過剰摂取により「肌荒れ」「髪が傷みやすい」「風邪をひきやすい」など亜鉛不足症状の原因にもなります。

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