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【イベントルポ】パルシステム神奈川「ハートカフェ」にて『外交官になろう!』ワークショップを行いました。(2024年2月3日)

(文責:KNTメンバー 山口雪乃)

2月3日(土)に、パルシステム神奈川さん主催で、平和・国際フェスタが開催され、その一環でKNOW NUKES TOKYOは展示・ワークショップをさせていただきました。(イベントページはこちら

午前中は、団体紹介や昨年の核兵器禁止条約第2回締約国会議で収録した現地インタビュー動画などを上映するなど、皆さんに展示をご覧いただきました。

核兵器禁止条約の締約国会議への渡航報告など、活動を紹介するポスターを展示しました。

午後からは、組合員のご家庭の中高生を中心に8名の皆さんが、『外交官になろう!ワークショップ』に参加くださいました。

各地の学校やイベントで展開を続けてきたプログラム。参加者はそれぞれ、任命された国の外交官になりきって、渡された各国の資料をもとに他国の外交官役の参加者と、「最終文書」の合意形成に向けて議論を行います。

まずはロールプレイングに入る前に、核兵器やそれらを取り巻く世界の現状について、
中村涼香が講師となってインプットを行いました。

「そういえば最近よく核兵器に関するニュースを聞くな…。」
「いま世界に核兵器はいくつあるだろう?」
「もし今ここで核兵器が使われたら…」

ここで少しおさらいしてみましょう。
📍核兵器禁止条約って?
核兵器の「いかなる使用」も禁止する国際的な取り決め。条約の前文には、「Hibakusha-被爆者」の言葉が使われ、核の被害者の声を重要視している。

署名国93ヵ国、批准国69ヵ国と、世界の過半数が参加していることになります。(2024.02.03時点)

(条約に関してもう少し詳しい解説はこちらから!)
🔍KNOW NUKES TOKYOのインフォグラフィックスでもっと学んでみる。


今回の外交官たちの議論の中身について、一部をご紹介します!参加国は以下の5か国。
  • カザフスタン:核兵器禁止条約 推進国

  • メキシコ:核兵器禁止条約 推進国

  • アメリカ:核保有国

  • 日本:アメリカの核の傘に入る(日米同盟)

  • オーストリア:核兵器禁止条約 推進国

最終合意文書案に定められた項目は以下の3つ。

  1. 核兵器は非人道的な兵器である。

  2. 核兵器のない世界を目指す。

  3. いかなる核兵器の使用も禁止。

これらの案をもとに、各国の「立場」と「ミッション」に照らして議論しながら調整を試みます。

実際の会議に則って、前回締約国会議の議長国である
メキシコが今回のファシリテーターを務めました。

メキシコ(議長国):それでは請求したい項目がある国は述べてください。
(日本代表が挙手)

日本:項目3の「いかなる」という文言を削除したい。日米安全保障を前提に考えると、段階的かつ現実的なアプローチが必要。

アメリカ:たしかに、核兵器を使わなくても「持ってるだけ」で効果がある(核抑止)んだから、厳しく制限しすぎないでもいいはず。

カザフスタン:核兵器を「持っている」というアピールで、核不保持の国が核使用の恐怖に襲われるのは明白。絶対に「いかなる」核兵器も禁止すべき!

オーストリア:もし武力制裁があったとしても、それが「核兵器」であってはならないのは重要だ。「人類のための核廃絶」を提唱する。

メキシコ:それではこの文言の削除について、追加の主張がある国は挙手でお知らせください、、(続く。。)

私たちKNOW NUKES TOKYOメンバーも各国のアシスタント役で議論の輪に参加しましたが、出る幕がないくらいに活発な話し合いが展開され、私たち自身も非常に刺激を受けました。

参加してくださった皆さんの声:
「自分がきちんと担当国の役になりきれているのか不安だった」
「1時間もあったのに、話し合いの時間が全然足りない!」
「実際の国際的な議論の場での意思決定の難しさを想像できた」

制限時間が延長されるも、なかなか合意に至らず…。

今回は中高生向けのワークショップでしたが、今後は対象や規模を調整しながら、皆さんに楽しんでいただけるものを製作していきたいと思っています。

お住いの地域や学校などのコミュニティーでのワークショップをご検討いただける方は、ぜひお問い合わせください。

KNOW NUKES TOKYO:info@know-nukes-tokyo.jp

最後までお読みいただきありがとうございました!
(この記事は山口雪乃が担当しました<(_ _)>)


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