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締約国会議5日目(12月1日)

会議最終日の5日目の内容は以下の3点です。

  • TPNWの補完性

  • ジェンダーフォーカルポイント

  • クロージング

ジェンダーに関する本格的な話し合いの時間が設けられました。このセッションでは特に、「ジェンダーの定義」についての議論が盛り上がり、各国が見解を示していました。

チリ
統計データの集計から、核兵器使用による女性や女児への影響が分かるはずだ、と述べ、軍縮における女性や女児の貢献に関しても言及しました。ただ、なぜ女性のほうがその他の人々よりも影響を受けるのかについては厳密には解明されていないとし、仮説として「女性のほうが生殖組織が多く、DNAの損傷を受ける割合が高いから」という説があることを紹介。そして、核兵器が女児に最も大きい影響を与えるということだけは明かだ、と述べました。

コスタリカ
ジェンダーに焦点を当てた核被害者援助について特に言及しました。また、核被害に遭った女性が受ける差別や彼女たちに関する科学的な報告書作成を支持し、TPNWや関連する軍縮の過程において、この科学調査を行うグループ内のジェンダー多様性を高めるよう努力することも求めました。最後に「TPNWは、安全保障の条約であるだけでなく、フェミニストの条約でもある」ことを協調しました。
キューバ
ジェンダー(性別)の定義について、「自然な女性と男性である」と述べました。

エルサルバドル
この議論に関しては科学的な報告が必要であると言及しました。

コンゴ
この問題は男女に限定されており、差別的な表現を含むべきではないと指摘。

ローマ教皇庁
核被害者援助に関する言語表現の曖昧さを指摘し、基本的にジェンダーの議論における性別の定義は、生物学的な女性と男性に分けて考えるべきだとの見解を示しました。また、核被害における女児や成人女性への影響について、ジェンダーフォーカルポイントとして言及する際には(6条7条に関しても同様に)将来的には必要性があると述べました。

オーストリア
ジェンダーに関する議論を活発化することに関して、あくまでも核兵器の廃絶だということを忘れてはいけない、と改めて協調しました。

市民社会
TPNWは社会的に決められた男女二元論の概念に限定して議論されるべきではない。
核兵器の社会的・経済敵側面に注目すべきであり、ただ単に被害者に目を向けるだけでなく、彼らをも含んだ議論の場を持って、協働していくことこそ重要な意義があると協調しました。

クロージング
11月27日~12月1日の約1週間のスケジュールで行われた核兵器禁止条約(TPNW)第2回締約国会議の参加国は、締約国が69か国中56か国、オブザーバー参加が33か国と9つの国際組織、NGOからは122団体が参加しました。この会議の最後には「政治宣言」と「決定書」が採択されました。

以下から、文書をお読みいただけます。

最終文書の採択
https://docs-library.unoda.org/Treaty_on_the_Prohibition_of_Nuclear_Weapons_-SecondMeeting_of_States_Parties_(2023)/TPNW.MSP_.2023.CRP_.4.Rev_.1_revised_draft_dec.pdf

アクションプランの採択
https://docs-library.unoda.org/Treaty_on_the_Prohibition_of_Nuclear_Weapons_-SecondMeeting_of_States_Parties_(2023)/TPNW.MSP_.2023.CRP_.3.Rev_.1_draft_decisions.pdf


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