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Voicy に開設しているチャンネル「【教育の明日をよむ】knockout の10分キャッチアップ」(https://voicy.jp/channel/4219)で配信したコンテ… もっと読む
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記事一覧

探究活動、小中高での深め方

子どもたちの様子を見ていると、2学期に入ってすぐの時期は、体育祭があったり文化祭があったりしてどこかバタバタしていたんですけれど、11月になると比較的落ち着いた学校生活を送れているのかなと感じます。 学校行事が一段落する「静」の時期は、ゆっくりと腰を据えて勉学に励むことができます。 同時に、最近耳にすることの多い探究活動も、こうした時期に集中的に取り組むと、ゆっくりじっくり考えることができてよさそうです。 というわけで今回は、探求活動について、考えてることをお伝えできれば

出生数減少が止まらない

今回は、11月7日に発表されました人口動態統計を見ていきます。 世の中には、いろんな未来予測があります。占いのようなものまで含めたら、それこそ星の数ほどありますね。そのなかでも人口動態はかなり確度高く未来を映し出す数字であると考えられています。 生まれてきた赤ちゃんの数が決まってしまえば、 将来的にそこから人口が大きく上振れするということは考えづらいです。ありうるとしたら、移民政策が大きく変わって、外国人がたくさん日本に住むようになる等の例外的なケースになるでしょうか。

総額2000万円⁉︎ ハロウ安比の新奨学金制度

先日、YouTube でとあるチャンネルを見ていたんです。 「インターナショナルスクール ch」というチャンネルだったのですが、そこで国際教育ジャーナリストの村田学さんが、ご自身で作られた「近年開校したスクール一覧」という業界マップを公開されてました。 これを見て、ここ数年でインターナショナルスクールや国際系の学校が増えたなと改めて感じました。世はコロナ明けムード。もしかしたらここからペースが上がって、さらに増えるのかもしれません。 そうした最近誕生した学校のひとつに「

都営住宅への学生入居によるコミュニティ再設計の可能性

前回は下北沢にレジデンシャルカレッジ「SHIMOKITA COLLEGE」を運営されている HLAB の家賃補助の新奨学金制度をご紹介しました。 工夫をこらした奨学金制度がカレッジという共同生活の場に一層の多様性をもたらし、コミュニティを強くすると同時に、地方に住む高校生にとっては東京に上京するチャンスを拡大すること。そして、コロナによって密な人間関係を奪われてしまった世代にとって、その回復につながるのではないかという話をしてきました。 今回は、そうした取り組みにちなみま

HLABの新奨学金制度、その考え抜かれたデザイン

今回は、HLAB が11月7日に発表した大学生向けの新しい奨学金制度を取り上げたいと思います。 HLAB の「SHIMOKITA COLLEGE」 HLAB については、過去に一度、下記の記事にて少しだけ言及させてもらいました。 下北沢にレジデンシャルカレッジ(学寮)である「SHIMOKITA COLLEGE」を運営されており、そこでは学生を中心とした多種多様なバックグラウンドをもった若者たちが暮らしています。 大学生だけではなく、若手社会人や高校生も集まっています。

UWC 応募時の注意点と気になる卒業後の進路

はじめに 今回の内容は、前回の続きとなっています。もし前回記事をご覧になってないようでしたら、先に読んでもらった方がつながりがわかりやすいかもしれません。一応、下記にリンクを置いておきます。 UWC 応募を認める学校・認めない学校 素晴らしい国際教育環境を実現している UWC 。 今回はまず、応募にあたっての注意事項をお伝えしてます。 最初のステップとして必要なのが、学校長による受験の承諾です。承諾書を書いてもらう必要があります。 実はこの最初のステップ、一部でかな

高1にある人生に一度の応募チャンス!UWCでの国際的な学び

今回は、UWC を取り上げます。お伝えしたいことがたくさんありますので、記事も2回に分かれて更新します。 UWCとは? UWC は国際感覚豊かな人材の養成を目的とした国際的な民間教育機関の略称です。正式な名称を United World Colleges と言います。 各国から選抜・派遣された高校生を世界各地にあるカレッジ(学校)で受入れ、2年間にわたって教育を行うプロジェクトとなっています。 日本もこのプロジェクトに参加しており、経団連が高校生向けの海外派遣事業とし

来秋開学が決定した東京科学大学、入試はどう変わる?

今回は、2024年10月に開学が決まりました東京科学大学(略称:科学大、英語名:Institute of Science Tokyo)についてです。東京工業大学と東京医科歯科大学が統合してできる東京科学大学。その入試に関する話題を中心にふれていきたいと思います。 国内屈指の理系大学同士の統合 統合する東京科学大学の元となる2つの大学、東京工業大学と東京医科歯科大学。この2つの大学はいずれも、国内に10校しかない「指定国立大学」となっています。 国に認められた数少ない指定

海外進学ブームの先にくるトレンド予測

はじめに 今回の内容は、3回連続シリーズの3回目となっています。もし前々回記事・前回記事をご覧になってないようでしたら、先に読んでもらった方がつながりがわかりやすいかもしれません。一応、下記にリンクを置いておきます。 あらすじと今回の内容 ここまでのあらすじを簡単にまとめます。 国内の非国際系進学校もいよいよ海外大学進学に目を向けはじめました。日本の進学校の中高生は世界的に見ても能力が高く、ポテンシャル的には海外の大学受験にも十分対応可能です。ただし、その先には資金調

海外大進学を視野に入れた教育の最大の壁

はじめに 今回の内容は、前回の続きとなっています。もし前回記事をご覧になってないようでしたら、先に読んでもらった方がつながりがわかりやすいかもしれません。一応、下記にリンクを置いておきます。 前回のふりかえりと今回の内容 前回は、開成のような超進学校が海外大学への直接進学を視野に入れはじめましたよ、という話でした。 今回は、そうしたムーブメントが今後広がっていくと(というよりも、まさに今、広がりつつある段階だと私は認識しているのですが)、どのようなことが起きるのか、起

開成・野水校長先生の「さらば東大一直線」発言はどのような変化をもたらすか

開成中学校・高等学校の野水校長先生が「さらば『東大一直線』」の見出しで日経新聞のインタビューにお答えになってました。 WEB記事だけではなく、紙面でも目立つスペースに掲載されたようで、SNSの教育界隈をザワつかせました。今回はこちらのニュースに触れていきたいと思います。 泣く子もだまる国内屈指のエリート校 開成の説明は、、、不要ですよね。知らない方はいらっしゃらないのではないかと思います。 東京のスーパーエリート私立中高一貫校。毎年毎年、東大に多数の合格者を輩出してお

中学高校の探究サポートに博士号教員が増えてほしい

今回は、中学校や高校の探究活動の現場に博士号を持った先生が増えてほしいというお話です。 今回のテーマのきっかけとなったのは、ダイヤモンドオンラインさんのこちらの記事でした。 内容は、来春の大学入試動向に関するものです。 今、大学入試はハイスピードで変化を遂げています。総合型選抜や学校推薦型選抜と言われる、今までのペーパーテストとは違う方式での入試形態が急激にその割合を増やしています。最近メディアでもよく取り上げられていますのでご存知の方も多いことでしょう。上記の記事も、

「平日だけの寮生活」という学びのスタイル

今回は、「平日だけの寮生活」っていいなというお話です。 このテーマにしようと思ったきっかけは、先週末、中学受験塾スタジオキャンパスの代表をされている矢野先生が、X(旧 twitter)にアップされていた素敵な写真でした。 不二聖心女子学院という静岡県裾野市にある学校の写真だったのですが、とっても雄大な自然に囲まれた場所で学ぶ女子学生たちの姿がそこに映っていたんです。 投稿をよく見てみると、「『週末帰宅型』の寄宿舎を備える」と書かれてあり、あ、それってすごくいいなと思った

おうち英語派の憧れ校になる!?昭和女子大学附属昭和小学校の変化

国際教育界隈を揺るがすであろうビッグニューズが飛び込んできました。 2024年4月に開講される昭和女子大学附属昭和小学校の国際コース(仮称)がケンブリッジ国際認定校として認められたそうです。 今回は、こちらのニュースを追いかけてみたいと思います。 ケンブリッジ国際認定校とは ケンブリッジ国際は、国際標準化された教育カリキュラムの1つです。 日本で有名な国際標準カリキュラムといえば「国際バカロレア」がありますね。いわゆる IB と呼ばれるものです。それに加えてこのケン