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シンエヴァ観てきました。超長いネタバレ感想

シン・エヴァンゲリオン劇場版を見てきました。ネタバレ感想書きます。

考察とかメタとか細かい読み方はできないので、ほぼリアクション芸人みたいな文章ですが。








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終わったね。完膚なきまでに終わったよ。また新作出せるような余白匂わせるんじゃないのか、みたいな想像がネットに溢れてたけど、これは終わったよ、完全に物語の終焉ですわ。

■シンジくん

またお前引きこもって何もしないつもりか!って最初はドキドキしたけど、他者との触れ合いで立ち直れたのが良かった…君他人苦手じゃなかった…?
そして中盤からめちゃくちゃタフになって、どうした!主人公みたいじゃん!!ってびっくりしたわ。
みんなのためにオトシマエをつけて、仲間と共に歳を重ねることが出来て、幸せになって良かったねぇ…って親戚のおじさんみたいな気持ちになった。
これから生きていく新しい世界は実写(≒現実世界)だったから、どこかにシンジ君が居るのかもね。
それかもしくは記憶を忘れているだけで、実は観客の一人一人がシンジ君(マリ)だったのかも。
旧劇のラストは誰もいない世界に取り残される男女だったけど、今回は汚くも美しいこの世界で生きていく男女が描かれていてとても良かった。

■そっくりさんとポカ波

肉体的にも精神的にも潔癖だと思い込んでいた綾波シリーズがおばちゃんと一緒に畑仕事!田植え!泥だらけ!嘘でしょ!
割と最初から村になじんでたそっくりさんがとても可愛い。おばちゃん、子供、委員長、ネコ、赤ちゃんとの触れ合いで生きる希望持ちはじめてこっちがポカポカした。
なのに!なんで消えちゃうの!しかも生命維持出来なくなったプラグスーツがこれまでの白に変わるとか!なんでこのタイミングでアンタ!修羅や!鬼畜や!庵野ぉお!!と叫びたくなった。
村の生活では妊娠、赤ちゃん(人とかネコとか)をたくさん描いてたのが印象的だった。これから生まれる命、育っていく命。農作物。
田植えをするそっくりさんはシュール過ぎて笑ったけど、世界が終わろうとしても生きることを諦めない人間の姿がとても良かった。
あと主人公のためにロボットの中で頑張って、髪の毛伸びる演出はエウレカ映画思い出したわ。
ポカ波も新しい世界に行けたのは良かったね…でもそっくりさんの件は許さない。

【そっくりさん追記】
シリーズ化されたエヴァパイロットはなんやかんやで同一の存在になって新しい世界に移れる権利があるのかな、と思いなおした。
つーことは、これまでのTVシリーズの綾波もポカ波もそっくりさんも救われたのかな、そう信じたい。
エヴァの世界から解放されたあとはシャッターガラガラ!で終わるだけじゃなく、大好きなあの村に戻って、大好きな人たち、子供たち、ネコに囲まれて穏やかに過ごして欲しい。
なんで自分ここまでそっくりさんに肩入れするんだろうか?と思ったんだけど、それは彼女が「生きるために戦う」のではなく「生きるために育む」ことを知ったから。
基本的にこれまでの流れって「オッス!オラエヴァパイロット(ヴィレ/ネルフ職員)!地球の平和を守るためにいっちょやってみっか〜?」なシーンがほとんどだったけど、その陰で振り回されて生活を死守するチチさんの苦労的なものは一切表現されていなかった。
彼女だけなんだよね。生きるために命を育む。命を育てるために働いた人って。(まあ同級生たちもそうだけど)
ポカ波は「エヴァとしか人と繋がれない」つってたけど、アンタ!違うよ!人間として人と人の間で生きていく強さ持ってるよ!つって。
大好きな村の中で、大好きな人たちと、泥と汗にまみれながら命を育む暮らしをして行って欲しいな。それもまた戦いだから。

■アスカ

まずビビったのがアスカの扱い。ヒトから外れた存在になってるのはわかってたけど、大層人間離れしてらして、淡々とひとりごちる彼女の生活の一部が悲しい。
暴言はくわ蹴るわ無理やり飯をシンジくんの口に入れるわするけどなんだかんだいって優しい…(飯食わせるシーンでそんなに画面酔うくらい揺らす必要ある?)
シンジくんとお互いに「昔あなたのことが好きだった」と伝え合えたのがとても素敵。え〜めっちゃオトナじゃ〜ん!て思った。
客観的に、過去の気持ちを素直に口にできるって年取った人間でもなかなかできない。素敵なコミュニケーションとってるなあ、としみじみ。ヤマアラシのジレンマどこに消えたよ。

DSSチョーカー ← ああ…アスカも…
眼から出てくる封印柱 ← 想定はしてたけどグロい!
使徒化 ← え マジすか?
式波シリーズ ← ハイストーップ。ちょっといったん一時停止しようか。追いつかない。

どんだけの重荷を背負ってたんだアンタ…よくグレなかったね…
それでも、きっちりシンジ君に救われて、新しい世界で共に生きていく人が見つかって良かったね…と。「ケンケン」って言ってた時から「おや…?」と思ったけど。
でもまああの旧劇ラストの波打ち際に居たってことは、ゲンドウ君・シンジ君・マリと同じく「並行世界の出来事を知った」ってことよね。
それを知ってもなお前を向けた彼女に幸あれ。

■ミサトさん

お前「破」と「Q」で言うてること違うやんけ!と散々突っ込まれたミサトさんですが、やっぱり重荷を背負ってたのね。
加持さんはどこに行ったの…?と思ってたけど、無事結ばれた模様。それだけじゃなくて息子まで産んでたわ。ヒャッハー!
旧劇は「これが大人のキスよ…」つって今だったらコンプラ違反なことしでかしたミサトさんですが、今回は母としての意地を最期まで見せてくれてカッコ良かったよ…シンジ君とも昔のように話し合えて良かった…
戦いの前の「行ってらっしゃい」「行ってきます」のやりとりはアニメではお約束な会話だと思うけど、ここまでこじれたエヴァでやってくれたのはスカッとしたね。多分はじめて?こうゆう会話したの。
そして帽子を脱ぎ捨て昔の髪型が見れて良かったわ。それそれー!!って思った。無茶して突き進むのがミサトさんの良さ。
お母さん!アンタ立派よ!「これだけ」っつってたけど世界救ったんよ!充分すぎるほどの贈り物よ!
なんかやんや、エヴァのパイロットをのぞいて、人間がヒトの形を保ったままインパクトにカチコミ入れたのはミサトさんだけよな。さすがミサトさん!シビれる!あこがれるゥ!

■リツコさん

問答無用で即座に拳銃を撃つリツコさんに盛大な拍手を。
リツコはプロの女…

■北上ミドリ

「アニメとか見ないしエバとか知らない」って言いそうなキャラ設定が面白かった。クッソギリギリの時に「エヴァっぽいなんかが出ました!」には笑った。基本興味ないよね君。サクラたんが「シンクロ率無限大…!(キリッ)」て時も「ハァ?」だったし。どうせならゲンドウ君のしでかしたことにも「キモ…」くらい言ってやれば良かったのに。

■最後にはデレたマヤ

よく使うセリフ、繰り返されるセリフが最後の最後でガラッと意味合いを変えることってお約束だけど、今回その任を請け負ったのがマヤさんだったのね。
もう「不潔」つってたマヤさんは居ない。他のキャラもそうだけど、これまでの設定からの「解放」が感じられた映画だったな。

■カヲルくん

あー、やっぱり「知ってる」人だったのね。それにしても司令には驚いた。加持さんとも顔馴染みってことも。司令服はコスプレみたいで似合わなかったけど笑。
「シンジ君を幸せにする」ことが願いだったけど、それは「カヲル君にとって都合の良い幸せ」だったんだと気がつけてほっと一安心。アンタもちゃんと人間だったんだね…人間だからこその間違いをおかしてたんだわ。君も新世界で幸あれ…

【カヲル君追記】
あれ、そういやカヲル君お亡くなりになってなかった?なんで新世界に移動できてんの?と思ったんだけど、クローン体がいくつもある彼・綾波・アスカは他にも生命があるからその権利があるのかな?と思ったり。まあエヴァの世界でなくなったからには同一の存在になると思うけど。
加持さんはどうなったんだろね。行先案内人みたいになってたけど、ミサトさんと一緒に過ごせてるのかな。
どうでも良いけど牧場物語は綾波とカヲル君とコラボするチャンスだと思う。

■トウジ・ケンスケ・委員長

生きてた!大人になってた!良かった!今回の最初の驚きは彼らの生存。
彼らの支えや救いがあって、シンジ君もそっくりさんも再び「生きる」ことが出来た。良かった。
シンジ君のしでかした事も、彼がそれで苦しんでいる事も、全て知った上で見守ってくれた人たち。彼らが居なかったらこのエンディングは迎えられなかったよな…
なんやかんやで一番大人だった気がするなこの三人。ヴィレの搭乗員は見習えや!って思った。あとゲンドウ君。特にゲンドウ君。
ケンケン!このこの〜!お幸せに!

■マリ

これまでは物語の中心から外れて歌って楽しんで戦う人だったけど、今回はストーリーライターだった。
綾波もアスカも「救われる」人で、物語を描く人ではなかった。これがビックリ。
エンディングへと導くのはマリとシンジ君だっつーのに驚き。綾波もアスカも四半世紀キャラクターとして擦られまくってたので、文字通り現実世界からも「エヴァの呪縛」から解き放たれたのかな、と思ったり。
これだけコンテンツとして膨れ上がったにも関わらず、はじめてシンジ君と自己紹介したのはビックリした。「ああそういえばそうだった」って。
終盤、彼女がキャラクターのあだ名じゃなくて本名で呼ぶことでググっと緊迫感が増した。え 君テンションいつもと違うやんけ!何これヤバイ展開!?つって。
「イスカリオテのマリア」って呼ばれたけど調べてみたら「イスカリオテ」=「ユダ」=「裏切り者」っつーことで、裏切り者のマリアってことなのかな〜。
エヴァ考察でも散々語られてきたけど、冬月先生とも顔馴染みだし、ゲンドウ君の回想にも出てきたし、やっぱり知り合いだったのね。
最初はシンジ君のお母さんを一緒に助けようとしてたのかな。それで、途中で道が別れてしまったのかなあ。

■ゲンドウ君とインパクト

一番成長できていなかった人。一番子供だった人。自分の子供に諭される人。
シンジ君が旧劇映画でウジウジ悩んでたシーンあったけど、それがそっくりそのままゲンドウ君にシフトしてて「ヒェェエ〜」ってなった。旧劇のまま取り残された人ってことなのかなあ。
はじめてゲンドウ君のドロドロな本音、心の底にある欲求を出してくれたけど、愛に生きたといえばそうだし、わがままといえばそうだし。「…バカなんだから」って感じ。
今回も心象シーン出てきてあれ〜?庵野〜?ってなったけど、それがしっかりラストへのカタルシスに繋がっててスッキリしたわ。
新しいインパクトも出てきて「ウッ…トラウマが…」てなったけど、綾波の顔の画素数が上がってて笑った。え〜めっちゃ美肌じゃ〜ん。まつ毛まで綺麗!
いきなり出てきた「並行世界」にはビビったけど「これまでのエヴァを終わらせる」ってことだったからさもありなん。
TVシリーズ・これまでの新劇のロゴが映し出されてたし、このコンテンツを終局に持っていくには必要だったことなんでしょう。

■最後の戦い

2号機と8号機の戦いのシーンは凄かったんだけど、凄すぎて、何やってっかよく分かんねえけど凄え…!状態だった。あとで後ろの方の席が取れたら見ます。
予告で第3新東京が出てきてたので、あの場所に戻るのかなーって思ってたけど、あーゆー仕掛けだったのか。裏宇宙って何よ。インターステラーかよ。
吹っ飛ばされたビルが段ボールみたいにツルツル滑ってて、思わず「作画班!」てなったけど、しっかりと計算の上での演出だったのね。
戦うシーンがガンガン変わっていって「ああ、いよいよ終焉なんだなー」と思ったけど、けど、部屋の中はやりすぎよ。エビスビール缶が舞う部屋の中で戦うのは笑う。ダメだって!Youtuberマネすっから!

■宇多田の曲

解禁されたので歌詞見たらこれゲンドウ君が奥さんをひたすらに求める心を描いているのかなーって思った。
あと、PVはゲンドウ君視点でユイさんを見つめてる記憶なのかしら?時間も場所も違うけど、彼女と過ごした時間が走馬灯のように切り替わっていく感じ?

■新たな世界へ

ハーン!大人になってる!声変わりしてる!世界もなんだか平和っぽい!
シンジ君が救った人たちは向こう側のホームに見えるけど、触れ合ったりはしない。でもそれで良い。
同じく歳を重ねたマリと一緒に生きていくのかな。
罪や呪縛の象徴であるDSSチョーカーを外された時に流れる宇多田の曲(確かそうだったよね…?)
二人で手を取り合って、でもどちらかが一方的に引っ張られることはなくて、同じ速度で走り出していく。
希望に満ち溢れた終劇でした。皆さんお疲れ様でした。


■追記:Qのこと/村のこと
ちょっと話は逸れるけど、Qの公開時賛否両論あったものの、自分は結構好意的に感じた。なんとなくだけど「生きるために再び立ち上がる人間」を描きたかったのかな〜?って。
というのも、311があったから。
たくさんの悲しみと喪失と絶望があって、被災された方たちの世界は壊れた。現実世界がフィクションの世界を追い越してしまった。
そんな中でまた壊れゆく(かもしれない)世界を突きつけるのは酷なんじゃない?って。
だからああゆう方向転換をしたんじゃないかなーって感じた。
現実の世界を一切無視して作品を世に届けるクリエイターは居ないんじゃないかな、と思ってる。個人的に。
前回は生き残った人たちがヴィレ以外描かれなかったけど、今回苦しくとも歯を食いしばって生きている人々が描かれてすごく、ホッとした、というか、嬉しかった。
村の様子が被災地の集合住宅とめっちゃかぶって見えて、ああ、そう言えばQ見た直後はこんな気持ちだったなあ、って思い出した。
ボロボロになっても、そこまで人間ヤワじゃねえぜってところを見せてくれたのがすごく嬉しかった。

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