もどかしい分面白い『HADES(ハデス)』
■作品概要:冥界からの家出を目指すローグライト
■クリア時間:10時間くらい(一周分)
インディーゲームが俄かに活気づき始めてきたときに、唐突に話題になった謎のゲーム。
これが私のHADESの印象でした。
海外では人気のゲームジャンル”ローグライク”の超新星、冥界”タルタロス”という一つの場所で変化するゲームプレイ、死亡が物語の進行に連結し展開する特異なストーリーテリング。
調べれば、そのようなことが分かりましたが、面白さがつかみきれないうちにswitchセールが来てしまい「ええいままよ」と購入、プレイすることになりました。
やってみれば面白さの勘所は非常にシンプルでした。
ということで備忘録がてら、記録しておきます。
『HADES(ハデス)』とは
死んでも進む物語
本作にはオープニングらしいものはありません。
簡単な語りが入れられた後、唐突に”タルタロス”の入り口に立たされます。習うより慣れよと言わんがごとく、先ずは敵地に行ってみろという具合です。
当たり前だけとすぐ死にます。簡単に、あっけなく。
それで、おめおめと戻されることでHADESの性質が分かるようになっているのです。
死んでも記憶は引き継がれること、攻略したエリアに応じて何かしらの強化要素があること、隠された武器がいくつかあること。
何より”死んで戻る”ことがゲームにおける一連の流れであること。
あまり喧伝できることではないけど、私にとってはGAMEOVER時にソフトリセットを行う行為(所謂タスクキル)が癖になってたのもあって、この序盤の掴みは非常に良いものに見えました。
JRPGなどでは死ぬよりソフトリセットしたほうが手っ取り早いし、その他ゲームにおいても死のデメリットは非常に大きい。それを取り払うことに成功しているのは良いことのように思います。
それでも死ぬ時は死ぬので、今作は”何をやって死ぬのか”を前提に進む特異なスケジュールを組むことがスタートになります。
色々試すのが前提の構成となっており、報酬のある実績システムやランダムな物から3つ選ぶという制限も後押ししています。
これらはゲーム進行によって選択の幅が広がったりするが、序盤はよりランダム感が強い。この辺りが序盤に選択肢を絞る役割として作用しています。
そういった点においても、今作の難易度選択であるゴッドモードは凄く優秀で、死を重ねてノウハウを学んでいくのと合わせて主人公ザクレウスの身体強化が図られていて、難易度の変化において嫌味がありません。
私は大変ゲームが下手なのですが、途中でイージーモードを選ぶ疎外感を味合わずに済んだのは喜ばしいことの一つでした。
最強のデッキを探す
本作のランダム要素は功徳に偏重しています。
ザクレウスを強化しうる功徳は組み合わせによってシナジーが生まれ、ランダムと選択の中にある興奮によって本作の魅力は生まれています。
そして、前回組み合わせられた”最強の組み合わせ”が今回は使えないことも中々面白い。
アドリブ力と地力が求められる、テーブルゲームのような魅力があります
気になった点
変化に乏しい
先にも述べましたが、本作のランダム要素は功徳に偏重しています。
そのためか冥界事態の変化に乏しく、なんというか飽きやすいです。
一応、エリアや敵の変化がない訳ではないのですが、ステージギミックや敵自体の並びが変化するわけではないので、取るべき対応は凡そ一緒で、視覚的な変化があまりなく、繰り返すほどに新鮮味が失われてしまいます。
また本作の形態が何度もクリアするのを前提のをしたシステムであるのも問題で、一度クリアすると満足してしまう私のような人間は最後までモチベーションを維持できませんでした。
終わりに
好きな人はいるだろうな、ということは分かりました。
ただ、私の好みには合わない作品でした。
ゲームが下手だから、全然クリアできないんだよな……
進まないと同じ敵と常に鉢合わせることになるし、功徳が噛み合わないと一層もどかしい思いをすることになります。
まあ、その分噛み合った時のカタルシスも一入なのも間違いないので、気が向いたら又やります。
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