ゲームの制作秘話や考察をしてくれる動画を布教したい

※長い前置きはテキトーに飛ばしてください

 去年の秋ごろに【ゲームゲノム】といった番組がNHKにて放映されていたことをご存じでしょうか。

 ゲームを「文化」として捉え、その遺伝子を解明することをコンセプトに、一回につき1~2作品を全十回に渡って放映された【ゲームゲノム】はNHKが明確な商標を番組内に出した点や、マスメディア内においては未だゲーム等のサブカルチャーに対するスタンスを明確にしかねている空気があった中で衝撃を持って迎えられた……ような気がします。

 サブカルはあくまで消費者がメインのネタである。少なくとも読者やプレイヤーとニコイチでなくてはゲームを取り上げるのは難しいというのが基本的にテレビ番組で感じる雰囲気で、その見解は出力のされ方自体は微妙だったものの凡そ間違いではありませんでした。

 だからこそ【ゲームゲノム】のレギュラー放送が決定される前に放送された『DEATH STRANDING』のゲーム自身が中心に語られる論法は、大手がそれをやる物珍しさと、想像以上の骨太さに感動したのを覚えています。

 だからこそ、レギュラー放送されるのは純粋に嬉しかったし、楽しく視聴していました。

 ……していたのですが。

 時間が!足りない!!

 30分という放送時間はゲームに親しみを持たない人を想定すると概要の説明に留まってしまっている印象が強く、ディレクターズカット版を見た後だと物足りなく思えてしまいます。
 これから面白くなる所じゃんか……。という所でいつも終わってしまうのは凄くもったいない。

 毎回いい所でお預けを食らっていると、「もっとゲームについて語っている動画が見たい!」といった感情が沸いてくるものです。

 そう思い探し回った結果見つけた、含蓄たっぷりで面白い動画等をこの場を借りて布教したく思います。

 おすすめの回も合わせて乗っけるのでそれだけでも見て頂ければハマること請け合いです。

1:ゲーム夜話

【シムシティ】を愛する話者が「大人が真剣に作ったゲーム作品を、大人が真剣に解説&考察する」をコンセプトに毎回ひとつのゲームを取り上げ、3つのテーマから名作ゲームを開設する動画。【炎の料理人クッキングファイター好】も好きだそう。

 上記の動画はゲームゲノムにあった【ワンダの巨像&人喰いの大鷲トリコ】の回と合わせてみて欲しい動画です。

 ゲームの歴史を紐解くこともコンセプトになっているせいか、ややレトロゲームの割合が多いですが、その分「殿堂入り」とでもいうべき皆が知っているゲームが多く、過去の名作ゲーム達が何故ここまで人気になったのかを骨太に語ってくれるのでどの動画も非常に面白いです。

 また、レトロゲームが多いと言いましたが現在140回以上を動画を作られており、その分記憶に新しいゲームを取り上げた動画も最近増えてきました
 近々【ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】の動画を上げる予定らしいので楽しみです。

 あと、個人的に一番好きなのはテトリスについて取り上げた回ですね。
1900年代のロシアから生まれた名作とだけあって、様々な怨恨や因縁が絡み合っており、ゲームシステムよりは歴史寄りの解説となっていますが、ドキュメンタリーとしても大変面白いのでお気に入り。

2:平成のゲーム史を振り返ってみた

 30年余りの平成の時代にゲーム業界で起こった出来事や話題となったゲームソフトを紹介していきます。
 ニコニコ動画らしいネタの密度の多さとコメントの多さが魅力。

 やや埋もれがちな掲示板のネタや、ネットミームについても触れられている分、当時のプレイヤーの感想が分かりやす安いのもいい部分。
 奇作が当時どのように受け入れられ評価を取り戻したのかや、今では凡作なゲームが販売された際どれだけ驚きを持って受け入れられたが分かりやすく見ていて楽しいです。

 基本的に動画一本につき1年という構成でダイジェスト形式で作られている分展開も分かりやすくて面白い。

 動画配信文化が出てきたころの内容は知らなかったことが多く見ていてとても楽しかったので個人的にお勧めです。特にゲームセンターCXが出てきた辺りが好き。

3:ゲームディグ

いつまでも心に残るゲームを深堀りして、遊ぶだけじゃ気付けなかった魅力や、バックストーリーなど、新たな一面をお届けすることを目指しています。

ゲームディグ説明欄

 ゲームソフトやハードについてというよりは、シリーズ作品の制作に携わったプロデューサー・ディレクターを主軸に制作秘話などが語られている動画です。
 製作者側の苦悩や、制作時の背景・理由が分かりやすく描かれておりドキュメンタリーとしても非常に優秀です。

 上記に挙げた動画はゲームディレクターの宮本茂さんを中心にゼルダがどのように生まれたのかを深堀りしており、作家性がゲームにどのような影響を与え、魅力を生み出しているのかが描かれています

 以前は「ひねるゲームス」というチャンネルが不定期的に前身となる動画を投稿しており、特にソウルシリーズの来歴をまとめた動画はゲームゲノム【デス・ストランディング】で取り上げた負荷の低いコミュニケーションにも細かく言及されているので個人的におススメです。

4:桜井政博のゲームを作るには

 【カービィ】や【スマブラ】のディレクターという専門家の塊のような人がゲームについて語ってくれるという、ゲーム好きには堪らない動画です。しかも面白いときた。

 上記ではスーパーデラックスの動画を上げていますが、エフェクトやBGMなどゲームを遊んでいると必ず存在するものについて、ちょっとした気づきを与えてくれます。
 一本ごとが3~7分程と非常に短いのもとてもよく、細かくカテゴライズされた中から見たいものをちょっと見るだけでも面白いのがいいですね

  【新・パルテナの鏡】の企画コンセプトの動画を無茶苦茶楽しみにしているので、近いうちにアップされたらいいなあ。続編・移植も待ってます。

5:Game Maker's Toolkit

Game Maker's Toolkitは、マーク・ブラウンがホストを務める、ゲームデザイン、レベルデザイン、ゲーム制作を深く掘り下げる番組です。

Game Maker's Toolkit説明欄訳

 ゲームのシステムやロジックについて一点に絞って40分くらいかけてみっちり語る骨太な動画。
 長い分、前提条件の置き方や伏線の敷き方が丁寧なので、内容の面白い授業のような趣きがあります。

 上記に挙げた動画は「プレイヤーのモチベはどこからくるのか・どうやって生み出すのか」を語った内容で、最後までみると学びを得たような感覚を深く味わうことが出来ます。

 英語なのが若干分かりにくい部分ではありますが、日本語字幕が書かれていることが意外と多いので、ありがたい所。

6:New Frame Plus

New Frame Plusは、Daniel Floyd(プロのアニメーター、Extra Creditsの共同制作者)が制作した、ビデオゲームのアニメーションに関するシリーズです。ビデオゲームのアニメーションについて知りたいという方は、ぜひご覧ください。

New Frame Plus説明欄訳

 ゲームアニメーション特化で映像面について語ってくれる動画です。

 紹介に入れたものは、ギルティギアが3Dでありながら手書きアニメーションさながらの映像表現に成功したかについて語っています。
 なじみ深いアニメなどの造詣にも深くなった気持ちになれます。

 日本語字幕があるものが少ないので先に挙げたものよりも見ずらいですが、自動翻訳でも結構内容は分かる。

7:番外

 動画じゃないけどお勧めの記事たちをざっくりと紹介させてもらいます。

①CEDEC&GDC

 ゲーム開発者向けの技術交流イベント、日本版がCEDEC全国版がGDCです。

 技術よりの話が多いですがなかなか面白い。大体時期になるとWebサイトのいくつかが記事を公開してくれるので、暇つぶしがてら見ると結構面白い。

②各社制作サイト

 任天堂の「社長が訊く」もここに入ると思いますが、制作会社のサイトには開発秘話が割かし多めに書かれていることが多くて面白いです。

 社長が訊くの中だとパンドラの塔についての記事が個人的にかなり好きです。かわいそうはかわいい。

 最近は制作秘話的なものを公式が供給してる割合が増えてきてて、社長が訊く以外にもスクエニがyoutubeで公開している『スクエニの作り方』とかはプロモーションとしても大正解だと思うので、もっといっぱい増えて欲しい。

終わりに

自分用のメモもかねて布教してみました。終わりです。

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